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#10-メキシコ女が男を愛する時

 話は前後するが、このページにて行われた日本語学校に通う生徒連中との交流会の直後、現在通っているスペイン語学校の生徒仲間であるヒロとタカコさんが学校を後にした。
 ヒロは改めて別の学校でスペイン語を学ぶ予定らしく、学校探しも兼ねて数週間ほど国内をまわるようで、タカコさんは日本に帰国し、スペイン語検定取得を目指しつつスペイン語を使えそうな仕事を探すらしい。スイス人が2人同時に来たかと思えば入れ替わるように日本人2人がここを去るというのも何だか皮肉なものである。来る者あれば、去る者在りといったところだろう。

 さて、先日行われた日本語を学んでいるメキシコ人とのBBQパーティは、UFOの研究発表の上映会による混沌と混乱を除けばそれなりに手応えのある催しだったが詳細はこのページで、何人かに連絡先を教えたところ主に2人の女性参加者とその後も適度なペースで会うことになった。向こうとしても地元にいながら日本人と知り合うということはかなり大きいようで、結構な頻度でCentro(=セントロ・繁華街)で晩飯を食べたりするようになった。

 1人はリリーという女性で、ぼくが望む望まないにかかわらず一方的にダンスの手ほどきをしてくれた人である。年齢はぼくらよりやや上で、確か当時はOLさんとか言っていた記憶がある。今思えば、周囲から高田みづえに似てると言われてそうな人に似ていた気がする。

 そしてもう1人カルメンという女性。年の頃はぼくらよりも一回りくらい年上で、当時小学生の娘を持つバツ1のシングルマザーだとか言っていた。メキシコ人女性にありがちな、身長はともかく横と奥行きがけっこうなレベルでどっしりしている彼女はリリーと仲が良いらしく、ちょくちょく会っているらしい。

 尤も、会うといってもぼくに直接連絡があるわけではなく、毎回生徒仲間のタツ経由でお誘いを受けていた。
 彼は学校でもムードメーカーぶりを発揮しているので、講師連中からもホスト先でもかなり気に入られている。言ってみれば、本人の意志とは関係なく、気がつくとグループのリーダーになるような人間である。
 その能力は先日のBBQパーティでも遺憾なく発揮されていて、この時点でかなりスペイン語がペラペラな上に小粋なジョークを交えて場を湧かす機転の良さも持っていたので、彼女たちもそんな彼の人柄を気に入ったのだろう。

 まあ、彼女たちと時間を共有するということは真っ当な意味での課外授業なわけだが、実際のところ交わされる言語はほぼ100%スペイン語で、例えば向こうが知らない日本の文化とか日本語の意味を多少教えることはあったものの、基本的には各々の日常をただスペイン語でダベっているだけだった。せっかく目の前に日本人がいるんだから活用すれば良いだろうにとも思ったが、ぼくら側からすれば入国目的が目的だけにそっちの方が都合がいいので、本人たちがそれで良さそうなのだからそれで良いか。


 兎にも角にも、そんな感じで大体週1のペースで会っていたのだが、個人的には回を重ねる毎に気乗りしなくなっていった。
 要は、ぼくが行ったところで結局は3人で会話が成立する時間が大半を占めてしまうので、わざわざ自分が行く理由が無いというのが正直なところである。とはいえ、毎回誘ってくれるので足だけは運んでいたが、だんだんと自分が呼ばれる理由がわかってきた。

 まず一つは、3人の親心のようなものだった。
 3人とも当時のぼくに大した語学力もボキャブラリーもなかったことはわかっていたので、たとえ今はわからなくてもこういう場にいれば後々語学力の向上に繋がるから、極力来た方が良いという厚意で呼んでくれたようだ。
 確かに当時はまだまだだったが、3人の言うとおりわからないながらも場数を踏んだことで、後にネイティブレベルとまでは行かないまでも会話のテーマによってはネイティブと辞書なしで長時間話せるようにはなっていたので、向上したのは間違いない。その点では本当に感謝するばかりである。


 そして、今思えばもう一つの方がかなりのパーセンテージを占めていたのだが、どうもこの2人はタツに対してリアルな恋愛感情を持っていて、国際交流というよりも自分の彼氏にしたいがために会う口実を作っていた節があった
 ぼくと彼女たちの接点はこうして呼ばれて外で落ち合うくらいしかなかったが、何でも2人はほぼ毎日のように彼のホスト先に電話をしていたようで、その際にもいわゆる“Te quiero(=I want you)的な甘い言葉を端々でかけていたと聞いた。
 尤も、この手の言葉はスペイン語でも恋愛表現としてだけでなく、“かけがえのない親友”という意味でも多用されているので前後の文脈を読み解かないと解釈が難しいところだが、やはり直訳しても差し支えない意味の方で使っていたようだ。
 そして思った以上に電話がかかってくる頻度が多かったことや、かかってきた以上は相応の対応をせざるを得なかったこと、結果的に人様の家の電話を独占していることになるので少なからずホスト先に迷惑がかかっていること等もあって(当時は外国人が気軽に現地の携帯電話を持てる時代ではなかった)、悪い気はしないまでも彼女たちのアタックには少々辟易していたようだった。

 そもそも当のタツは、彼女を日本に残してメキシコに来ていただけに留学先で誰かと付き合う気はさらさらないようだったので、要は2人の矛先がぼくの方に向いてくれることを願ったことと、言ってみれば彼の保護者的立場として毎回ぼくを呼んでいたというのが大体の真相だった。



 まあ、彼らがどう思うかは別としても、リリーとだったらまだ可能性はあっただろう。
 年齢も大して差はないし、互いに独身と言えば独身だし、たとえ滞在時だけの関係だったとしても海外留学時の思い出にはなるだろうし、かなり下衆で勝手な意見ではあるがそんな経験談があれば誰に話してもネタにはなったと思う。

 しかし問題はカルメンの方だ。
 いくら恋に年の差は関係ないとはいえ現実として年の差はけっこう重要だし、ましてや小学生の子持ちとなると滞在時だけのアバンチュールにしては色々と覚悟が必要だし、リリーとは条件がけっこう違いすぎるので、タツにペタジーニと同じ価値観を持っていない限りはかなり難しかったような気がする。というか、彼女の場合だともはや彼氏じゃなくて旦那だし
 
ロベルト・アントニオ・ペタジーニ(Roberto Antonio Petagine)
ベネズエラ人の野球選手。日本ではヤクルト、巨人、ソフトバンクで活躍。MVP、ホームラン王、打王、ベストナイン、ゴールデングラブ賞など、数々のタイトルを獲得。奥さんのオルガ夫人は少年時代の友だちの母で、25歳年上。かなり早い段階から狙っていたらしい。


 もちろん2人とも恋愛関係に発展することはないままヒロはメキシコを去ったが、その後も彼女たちはぼくにダイレクトで声をかけてくれて、相変わらず晩飯や近所で行うイベントに誘ってくれたりと、けっこう面倒を見てくれた。
 しかし、タツがメキシコを去った直後あたりは彼女たちもかなり落ち込んだようで、ことある毎に“彼がいかにナイスガイだったか”をせつせつと語っていた。


  で、ぼくが帰国した後は彼女たちとの交流は殆どなくなってしまい、今となっては一切連絡を取っていないのだが、後に彼女たちが通っていた日本語学校の先生によると、リリーはその何年後かにメキシコ人男性と結婚し、それを機にメキシコシティへ引っ越したらしいので、今頃は主婦なり母なりをやって暮らしているのだろう。


 そしてカルメンだが、同じくその何年後かに彼女よりも10歳くらい上の日本人男性と結婚し、今は国内の某所に住んでいるらしい。
 上述の先生は、結婚にあたって法的な手続きの手伝いをした際にその旦那と実際に会ったらしいのだが、曰く「年齢の割にはあり得ないくらいのバカ」だったから結婚を考え直すよう諭したらしいのだが、その時点で彼女のお腹には新たな命が宿っていたため、止めるに止められなかったと言っていた。

 実際に馴れ初めを聞いたのだが、いわゆる“友だちの紹介”とか“メキシコで知り合って意気投合した”といったものではなく、かといって映画のようにドラマチックな出会いだったわけでもなく、要はあまりに不自然というか釈然としないというか、何かキナ臭さを拭いきれない感じがした。

 いくらカルメンにとっては憧れの日本人と結婚できて憧れの日本で生活できるという念願が果たされたとはいえ、肝心の旦那は、

 英語はまったくしゃべれません」
 
「もちろんスペイン語なんてもってのほかです」
 
「海外には一回もいったことはありません」
 
「当然ながらメキシコには今まで行ったことがないに決まってます」
 
「ていうか、メキシコに興味を持ったことも意識したことすらありません」
 「それでもぼくらは知り合いました」
 
「まあ、ぼくらも子どもじゃないんでやることはやりました」
 「その結果、デキちゃったんで結婚しました」


 というような男という時点で、勘ぐるなという方が無理な話というものだ。旦那とは一切の面識がないのであくまで聞いた話でしかないが。


 恐らくではあるが、二人は国際結婚を斡旋する仲介業者かなんかを通じて知り合ったのだろうと推測している。
 これもまた本人から直接聞いたわけではないので憶測でしかないし、もちろん実際に会って話して互いに好意を持ったから結婚したのは承知なのだが、素直に祝福できないのはぼくの偏屈な性格だけの問題なのだろうか。


 まあ、本人たちがそれでいいのならぼくがあれこ口を出すこともないのだが、その話を聞いた時は、ある意味親の色恋沙汰に巻き込まれた結果、思い出も友だちも多いであろう故郷のメキシコを離れて日本に住まざるを得なくなった娘がかなり気の毒だなと思っていた。
 しかし先生曰く、日本でも元気に頑張っていて、日本語の能力も日本人と遜色ないほど上達したと嬉しそうに言っていたので、それなりにたくましく育っているのだろう。



 それにしても、彼女たちが全てにおいて平均的なメキシコ人女性というわけではないだろうが、さすが“情熱の国”で生まれ育った人間だけあって、彼女たちの恋愛に対するアグレッシブさは往年のアルティメット・ウォリアーばりの肉食系だなと痛感した。


Ultimate Warrior, 超合金戦士, アルティメット・ウォリアー, WWF, ステロイド

Ultimate Warrior(=アルティメット・ウォリアー
1980年後半から1990年代半ばにかけて第一線で活躍したアメリカ人レスラー。見事にビルドアップされた強靱な肉体とパワフルなスタイルから「超合金戦士」の異名を持つ。試合展開はいつもワンパターンで、パワーしか取り柄のないしょっぱい選手だったが、アメコミヒーローを実写化したかのような強烈なキャラクターと常にハイテンションのパフォーマンスがそれを凌駕していたため、人気は絶大だった。リングネームがいたく気に入ったらしく、後に本名を法的に”The Warrior”と改名したとか。

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Author:800ランプ
ルチャリブレがきっかけでメキシコに興味を持つ。
20世紀末、突然そのことを思い出しメキシコへ。民間の語学学校で言葉を学びつつ、運の良さも手伝って浮世を忘れるほどの生活を満喫。
以降も帰国してはお金を貯めては渡墨し、また帰国してお金を貯めては渡墨ということを繰り返していたら、社会のレールから脱落したので日本に落ち着く。
しかし先日、わけあって現実逃避もかねてまた渡墨。今回の日記はそのときのもの。

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