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#01-再びサボテンと太陽の国へ……

 さてさて、諸般の事情で急遽予定を変更して日本に帰ってきたわけだが、用事はつつがなく終了したためまたメキシコへ向かう計画を立てていたが、正直なところすぐにでも行けるわけでもない。

 そもそもこの計画は完全自分主体であり、イレギュラーな事態が発生したからといって誰かが補填してくれるわけではないので、当然ながら飛行機代が発生する。
 いくら海外旅行が国内旅行よりも安く行けるようになったものの、相対的に安いのは近隣のアジア諸国とか人気のリゾート地くらいで、メキシコのようにそれなりに遠い場所で、かつ興味を持つ層が限られるエリアとなると相応の額は発生してしまう。まあ、実際にいくつかの旅行会社の値段を調べたら思ったより高くはなかったので払えなくはないのだが、それでも都内のワンルームアパートの家賃2ヶ月分はかかる。当時の財政事情では飛行機代の捻出というのは現実的な問題である。


 同様に、授業料と宿泊代も新たに発生する。

 ただしここの部分は余地があって、もし同じ学校にまた行くとなれば節約できる予感はあった。
 というのも、イレギュラーな帰国だったために学校に払った額とぼくが消化した日数は合っていないので、交渉次第では余剰分を前払い扱いにしてもらえる可能性はある。
 とはいえあそこのオーナーは、動物占いで診断したら生年月日に関係なくタヌキになるのは火を見るより明らかなので、そこまでのボランティア精神を持ち合わせているかが不安要素だ。

 まあ、それで色よい返事がもらえなければ別のところを探すことも考えなければならないので、とりあえず学校側との交渉することにした。

 といっても当時のぼくは根っからのアナログ野郎だったし、今ほどネットは世間に密着していなかったのでメールアドレスというものを持つ習慣すらなかったのでメールでのやりとりは不可能だし(今思えばフリーメールの選択肢自体もyahooとhotmailくらいしかなかった時代だ)、かといって電話でそんな交渉ができるくらいならわざわざ学校に行く必要もないくらいの語学力をマスターしていることになるので、必要事項を手書きで記入した紙をFAXで送るという、1970年代だったら最新鋭の方法で交渉することにした。


 その結果、学校からは以下のような答えが返ってきた。
  • 既に支払っている授業料の差額分は原則返却しない。
  • しかしながら、またここへ来るというのであれば既に納めた差額の分は前払いとし、納める額は残りの希望日数分だけでかまわない
  • ただし有効期間は無期限ではないので、速やかに返答すること
  • 宿泊料に関しては原則差額は発生しない。
  • ホームステイを希望した場合、以前のホスト先で問題がなければ優先的に割り振る


 条件を読んだ限りでは出費は思ったよりも安く済みそうだし、何だかんだでCuernavacaの気候や風土は気に入っているし、かなり狭い範囲とはいえそれなりに土地勘もあるし、少なくとも同じ時期に通っていた生徒のヨシツネさん(仮名)というかつての同士が一度日本に戻ってから再び向かったことを本人から確認したことを考えると(詳細はこのページで)、またあの学校に行ってもいいような気がしてきた。

 また新たな軍資金に関しても、以前バイトしていたところから偶然にもまたお声がかかったので、諸々の費用に見立てられる目算が立ったことなども踏まえ、また行くことにした。
 ただし、切り詰められるところはできるだけ切り詰めたいので、宿泊先はホームステイよりも安くすむ寮に変更、もう学校までの行き方はわかっているので空港までの送迎はサービスは不要、そして、以前のホスト先にもどうせぼくがまた来ることは耳に入るだろうから、寮を選んだことは決してホスト先に問題があったわけではなく自身の経済的事情だということを丁重に伝えておいてほしいという旨を知らせ、入学手続きと飛行機代の手配を開始した。


 そして季節が変わり、時が過ぎ、週が月に変わり、年になり……、というか、要は数ヶ月後の出発の日。
 海外一人旅は二度目だけに、気持ちにはかなり余裕がある。搭乗手続きも出国手続きも、機内での立ち振る舞いも手慣れたものだ。
 
 で、何だかんだで10数時間のフライトを経てロサンゼルス国際空港を経由し、3時間程度の待ち時間を挟みつつさらに3時間のフライトを経てメキシコシティ国際空港に到着。

 初めてこの地を踏んだときは雨の日の路地裏に捨てられた仔猫のように怯えていたが、あの時の自分はもういない。むしろ太々しさをも感じているので、目の前をパリス・ヒルトンやジェニファー・ロペスが通り過ぎたら躊躇なくナンパできそうなほど自信に満ちあふれている。

 入国手続きを済ませて荷物をピックアップしてから到着ロビーに出たわけだが、既に時間は夜の9時くらいだ。
 今回は学校までの送迎サービスは頼んでいないので、自力でクエルナバカの学校まで行かなければならない。今だったらクエルナバカのバスターミナルまでの直行バスが空港から乗り入れているが、恐らくだが当時はまだ乗り入れていなかったので、まずはタクシーでTasqueña(=タスケーニャ)というメキシコシティの南にあるバスターミナルまで向かわなければならない。しかしその前に、手持ちのドルを現地通貨のメキシコペソに換えなければ。

 たまたま視界に入った外貨換金所で換金手続きをしていたら、見知らぬ男に話しかけられた。この男は「Taxi? Taxi?」と連呼していたので、十中八九タクシードライバーだろう。ドライバーでもないのにそんな単語を連呼しているのなら、この人はちょっとアレな人になってしまう。

 正直なところ、空港からクエルナバカまでの行き方はわかっていたもののタクシー乗り場はわかっていなかったので、これは渡りに船と思い“Hasta Tasqueña por favor.(=タスケーニャまでお願い)と言うと、彼は自信満々の表情を見せながらぼくの大きい荷物を持ち、駐車場まで案内してくれた。

 後部座席に乗り込むと助手席にドライバーの仲間と思われる別の男が乗り込んだので、「おや? 何だか変だぞ?」と思ったが、二度目とはいえ通算で約15時間、LAでの待ち時間を入れるとトータルで18時間は移動に費やすとフィジカルもメンタルの動きも鈍いので特に違和感は感じなかった。

 夜のメキシコシティをしばらく走ったってから助手席の相棒が、

 「Tasqueñaってことはクエルナバカに行くんだろ? もう500ペソ(当時のレートで5000円くらい)でクエルナバカまで連れてってやるぞ」

 と提案してきた。


 “おや? どこかで聞いたことのあるフレーズだな? もしかしてデジャビュ?”

 ……なんて思うわけがなく、

 
 “ヤベえ! こいつら白タクだ!! ガイドブックとか外務省のサイトでは概ね虫けら扱いされてる例のだ!!”


 と気づいたが、当然ながら気づくのは遅い詳細はこのページの後半で

 しかもこの状況は前回とは違い、相手は二人組なので構図としては2対1である。
 仮にぼくがアンドレ・ザ・ジャイアントで、相手が星野勘太郎とか木戸修クラスだったら100%ぼくが勝つのだが、現実ではハンドルを握っているのは向こうだし、こっちは大荷物を抱えているし、日本で携帯したらお巡りさんに怒られるような武器を持ってるかもしれないし、ましてや夜なので、明らかにぼくの方が分が悪い。

プロレスにおけるハンディキャップマッチは、一人の側(この動画の場合はアンドレ)がどれだけ強いかを客にアピールすることが目的なので、何らかの伏線やストーリーラインもなく二人組の方が勝つということはまずない。



 それに、気づいたからといって易々と「ここで降ろしてくれ」とも言えないのがかなり辛いところだ。
 こんな夜中に大都会の片隅で降りようものなら通りがかりの別の悪い人にロックオンされる可能性は十二分にあるし、次に拾うであろうタクシーにしてもドライバーが聖人君子なんて保証はどこにもないし、かといってこいつらに1時間かけてクエルナバカまで連れてってもらうのも相当危険である。

 なので前回同様、“No Cuernavaca, hasta Tasqueña por favor.(=クエルナバカはいいです。タスケーニャまででいいです)と懇願したのだが、向こうは応じるどころか苛立ちすら見せている。

 しかしそれでも上記の単語をしつこく連呼していたら、既にタスケーニャまでの値段設定がリアルに法外なので、それでも良しとしたのだろう。かなり渋い表情を見せていたが、当初の約束通りタスケーニャで降ろすことで同意した。
 因みに、そもそも白タクに乗った時点で学校側が用意している送迎サービス代以上の出費が発生していることを知ったのはもっと後になってからのことだ。

YOUTUBEにあった、メキシコシティの南に位置するバスターミナル・Tasqueña(=タスケーニャ)の風景。主な行き先は隣のモレーロス州、アカプルコがあるゲレーロ州など



 その後は長距離バス、クエルナバカのバスターミナルからのタクシーを経て何とか学校に到着。腕時計を見たら、夜の11時を過ぎていた。
 
 チャイムを押すと住み込みの使用人・マリオが門を開けてくれて、荷物を部屋まで担いでくれた。

 シャワーを浴びてから約24時間ぶりにベッドに横たわったのだが、ようやくまたここに来たという感慨よりも、


 “いつか絶対あいつら殺してやる!!”


 という憤りが全身を支配しつつ、久方ぶりのメキシコの夜は更けていった。




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テーマ : 海外留学
ジャンル : 学校・教育

tag : メキシコ留学体験記2 Tasqueña タスケーニャ アンドレ・ザ・ジャイアント スペイン語学校

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Author:800ランプ
ルチャリブレがきっかけでメキシコに興味を持つ。
20世紀末、突然そのことを思い出しメキシコへ。民間の語学学校で言葉を学びつつ、運の良さも手伝って浮世を忘れるほどの生活を満喫。
以降も帰国してはお金を貯めては渡墨し、また帰国してお金を貯めては渡墨ということを繰り返していたら、社会のレールから脱落したので日本に落ち着く。
しかし先日、わけあって現実逃避もかねてまた渡墨。今回の日記はそのときのもの。

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