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#21-念願は翻弄され

 このページではCentro(=セントロ・繁華街)へ初めて行った顛末を書いたのだが、この日以降授業後のホスト先での昼食後、足繁く赴くことがある意味日課となっている。

 本来ならば家にいてホストファミリーとの親睦を深めた方がいろいろな意味で有効ではあるのだろうが、家を取り仕切っているおばあさんは食事以外にも様々な家事に追われているのでいつも慌ただしいし、おじいさんはけっこう高齢ということもあってか、食事の時以外は殆ど自分の部屋にいるので顔を合わせる機会はそう多くないし、最近ではあのくされ●親子が食後もだらだらと我が物顔でリビングを占拠しているので(詳細はこちらをクリック)、あまり家にいるメリットがなかったりするのだ。

 しかも、住んでるところはありきたりな住宅街なので散歩しても大して面白みがないとなると、いろいろなお店や施設がひしめきあっているCentroあたりに行くのがちょうどよかったりする。
 尤も、この時点でも移動方法に関しては団塊世代の公務員くらい封建的なので相も変わらず徒歩で往復しているのだが、まあこれも殆ど平地のない坂道だらけの道路事情を考えれば、手軽な運動の一環と考えれば悪くない。ただし、現在のルートではどうしても横切らざるを得ない低所得層エリアならではのちょっと緊迫した空気感と、そこをテリトリーにしている明らかに狩る者の目をした大きな野良犬に出くわすのを除いて。


 CentroはCentroだけあって、開拓具合もなかなかでである。元々cuernavacaは国内でも中・小都会程度の規模なので、日本で言えばちょっとマイナーな県でいちばん大きい駅の周辺程度には拓けている。日常生活に必要なものは全てここで事足りるというわけだ。

 とはいえ、実のところCentroに行ったところで特に何をするというわけでもない。
 今のところは生活に不自由は感じていないので買う物があるわけではないし、当分の期間はここにいることを考えると、このタイミングで博物館とか聖堂とか庭園といった観光施設で時間をつぶすという選択肢もない。
 することといったらせいぜい、ちょっと大きめのスーパーマーケットに行って陳列する商品を見てはいっぱしの地元民を気取ってみたり、公園のベンチで一服しながら目の前でいちゃついている高校生らしきカップルを見て“何か、おまえら青春だな!”と思ったり、いかにもな若いゴロツキ集団からすれ違いざまに“ヘーイ、スシ・ジャパニーズ! ハッハッハ!”と笑われてリアルに殺したくなる程度である。

 今後のことを考えると、ゆくゆくは男の隠れ家的なカフェーを見つけて本屋で買った小説か何かをおもむろに読んでいたら、ハイネの詩集を胸に抱えて落ち葉を見てため息をつくようなポエジー気質の常連女性客と知り合って、シュールレアリズムとかキュビズムとか形而上学なんかを熱く語り明かしたいところだが、この国の外食利用システムはまだいまいちよくわかっていないので自営のカフェーに入るにはまだスキルが足りないし、どうやらここで本の手に入る場所は小さな古本屋かキオスクくらいしかなさそうだし、そもそもこっちの本が読めるほどの語学力はまだ持ち合わせていないし、もっと言えばシュールレアリズムもキュビズムも形而上学も実は何のことだかちっともわかっていないし、更に言えば葉っぱが落ちたくらいでため息をつくようなロマンチストの存在自体が都市伝説っぽいので先は相当長いだろう。
 まあ生活にハリを持たせる意味でも、何か頻繁に立ち寄れそうな居心地の良い場所はないものかと思いながら彷徨っているところだ。



 そんなある日、適当に歩いていたらどこかの電柱にこんなポスターが貼ってあった。




 これはLucha Libre(=ルチャリブレ・プロレス)の開催告知のポスターで対戦カードが大きく載っているのだが、認識した瞬間モーレツにテンションが上がってきた。
 何度か書いてはいるが、本場のルチャを生観戦するのがここに来た最大の理由の一つでもあるので、これは是非とも見ておきたい。
 しかしよくよく日付を見ると、数日前に開催したようなのが非常に残念だ。ここは講師連中に詳細を聞いておきたいところである。

 そして翌日、毎朝恒例の授業前のレクリエーション、というかただのダベりタイムで前日のことを話してみた。
 すると、講師間ではリーダー的存在のミゲルの表情が明らかに変わった。「他の連中にこの話題をさせてなるものか」といったばかりの自信に満ちた表情である。

 そして彼から聞き出した情報は以下の通り。

  • Centroの少しはずれに『Arena isabel(=アレナ・イサベル)』というルチャ専用のアリーナがあって、そこでは毎週木曜の夜9時くらい催されること
  • 全国区で有名な選手が多数参戦するので毎回盛況であるということ
  • チケットは開場時間にアリーナの窓口でしか販売しない上、指定席いうシステムはないので早めに並ばないと良い席はすぐに埋まってしまうこと。
  • 決して健全な場所ではないからあまり一人で行かないこと


 ネックなのは開催時間なので保護者として他の日本人生徒を誘おうとしたが、この話をしていた間は全員つまんなそうな顔をしていたのでやめた。時間帯を考えるとちょいとばかり心許ないがここは文句を言うことなく一人で行くとしよう。


 そして当日の夜。
 前回同様、今日の晩飯は必要ない旨がステイ先のおばあさんに伝わればいいので、「今夜は地面にビールを撒く会の会合があるので」とだけ伝えておいて家を出る(元ネタはコチラ)

 結果、遂に念願のルチャを生で見れるという期待と、良い席で観戦したければ早めに行くべしとうアドバイスもあってCentroには8時くらいに着いた。場所は事前にチェック済みなのでやや足早に会場に向かう。

 そして会場に着いたのだが……、





 …誰もいねーし。


 

 見事なまでにシャッターは閉じているし通行人は少ないし、夜だから怖いしで実に最悪である
 
arena-isabel
実際の開催時の周辺イメージ画像。会場の外ではスナックの露店やおもちゃの覆面、レスラー人形などが売られている。


 もちろん明日、ミゲルに対してこの辱めをどうしてくれようかを考える必要があるが、まずはここからどう帰るが最重要課題である


 とりあえず近くにあるマクドナルドで晩飯をすませつつ対策を考える。
 100%何かされる訳ではないとはわかっているが、さすがにこの時間帯にあの貧困層エリアを徒歩で横切るのは得策ではないし、かといってあそこを回避するルートはまだ知らない。
 そうなると交通機関を使わざるを得ないことになるのだが、夜にタクシーを使うのも何となくイメージ的に怖い。

 ……というわけで消去法で考えたところ初めて路線バスを使うことにしたのだが、幸いにもホスト先周辺を走るバスの番号は知っていたし、先日偶然乗り場も発見していたのでそこまで向かう。

 あれだけ躊躇していた路線バスも乗ってしまえば呆気ないほど乗り降りの仕方もわかったので結果オーライなのだが、いくら外人向けの語学学校が多いクエルナバカといえど路線バスに乗る外国人はそう多くないようで、乗った瞬間乗客全員と目が合うほどガン見されるのはあまり気持ちがよろしくない。


 そして翌日、ミゲルにこのことを話したら「え?  そうなの? 知らなかった」と言うだけで反省の色をちっとも見せないのでこいつの家に大量のトイレットペーパーを投げつけてやろうかと思ったが、別の講師のリカルド曰く、「かつては毎週行っていたが、最近は経済不況の影響で開催は隔週に縮小している」とのことらしい。


 ……つーか、おまえも今言わねえであの時言えよ!


 と憤りつつ、念願のルチャ観戦は後日に持ち越しとなった。

参考までに、YOUTUBEにあったArena Isabelでの試合映像。お国柄もあってか、けっこうグダグダな試合でも観客はそれなりに盛り上がる。




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tag : メキシコ留学体験記1 Lucha_Libre ルチャリブレ Arena_Isabel アレナ・イサベル

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800ランプ

Author:800ランプ
ルチャリブレがきっかけでメキシコに興味を持つ。
20世紀末、突然そのことを思い出しメキシコへ。民間の語学学校で言葉を学びつつ、運の良さも手伝って浮世を忘れるほどの生活を満喫。
以降も帰国してはお金を貯めては渡墨し、また帰国してお金を貯めては渡墨ということを繰り返していたら、社会のレールから脱落したので日本に落ち着く。
しかし先日、わけあって現実逃避もかねてまた渡墨。今回の日記はそのときのもの。

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