FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

#18-メキシコシティ・トリロジー 1/3

 さてさて、相も変わらず同居中のアメリカ人親子とのこう着状態の最中、部屋の壁にかけられたマリア様に新たな来客が来ることを祈ったら大量のアリを押し付けられたことで状況は改善するどころか不快度が急上昇している今日この頃だが、ここに来て何回目かの週末は、どこか泊まりで遠出しようと決意した。

 その背景には、ここに来てからの行動範囲が未だ狭いことや、見聞を広めたいとか、自分の現在の語学力がどこまで通用するか体で体感してみたいとか、反日親子やアリに辟易しているので極力外に出たいとか色々あるのだが、先日シャワーを浴びた際に、脱衣所(っぽい空間)で偶然『地球の歩き方・メキシコ編』を発見したからだ。恐らく、ぼくの前にこの家を利用したであろう日本人留学生が、もう用済みになったから意図的に置いていったのだろう。

 ちなみにぼくはメキシコに来るにあたり、“語学習得において日本語の書物は習得の敵”というボンクラな思想に満ち溢れていたおかげでガイドブックすら持参しなかったことを、うかつにJリーグからカタールのクラブチームに移籍したら早々に給料未払いや奥さんのストーカー被害などのトラブルに巻き込まれたのでJリーグ復帰を熱望しているが、移籍金や年俸が高騰したために獲得に乗り出すJリーグチームがなかなか見つからず、やむなくカタールに留まっている元名古屋グランパスのブラジル人サッカー選手・ダヴィの如く後悔していたので、このガイドブックの存在は大きな後ろ盾となったのだ。


ダヴィダヴィ(Davi José Silva do Nascimento)
ブラジル出身のドリブラー系FW。 コンサドーレ札幌での獅子奮迅の活躍が認められて09年に名古屋グランパスに移籍。点取り屋として期待されたが半年後にカタールのウム・サラルに移籍。そのまま定住するかと思われたが2011年にヴァンフォーレ甲府にレンタル移籍。2012年は舞台がJ2ということもあり38試合で32ゴールという驚異のペースで得点を量産してJ1昇格に貢献。しかし甲府は経済的に保有権を買い取れないため他のJ1チームへの移籍がほぼ確定している。身長183cm。1984年3月10日生まれ。




 で、行き先だが、さすがにあまり遠くに行くのはアレなので、ここはやはりメキシコシティにしておくのがベターだろう。現在の居住地であるクエルナバカからバスで1時間程度で行けるし、何といっても首都であり国内最大の都市だ。見所はたくさんあるだろう。

 というわけで早速生徒や講師に情報を聞いてみたら、概ねこんなアドバイスをいただいた。

 「治安が悪いから行動には気をつけろ」
 「公衆の面前で極力財布を出すな」
 「タクシーもボッタクリが多いから気をつけろ」
 「夜の一人歩きは極力するな」
 「念のためカツアゲされた時用の金も確保しておけ」
 「Zona Rosa
(=ソナ・ロッサ・いわゆる歓楽街)はProstituta(=プロスティトゥータ・娼婦)やドラッグの売人が多いから近づくな」


 うーん、聞きたかったのはむしろオススメの観光スポットとか安くて快適なホテルとかだったのだが、出てくるのは「危ないから気をつけろ」というようなアドバイスだけ。
 そしてもっと言うなら、生徒の誰かしらが「良かったら一緒に行こうか?」と言ってくれることを期待していたのだが、誰一人としてそのようなことは言ってくれなかったので、図らずもこの学校におけるぼくのポジションが分かってしまったではないか。ともあれ、これらはワン・オブ・オピニオンとして受け入れておこう。


 そして週末、ぼくはいつもより大きめの荷物を背負って家を出た。
 その際にホスト先のおばあさんから、

 「これを持って行きなさい」

 とメモを渡してくれた。見てみると書かれていたのはこの家の住所と電話番号で、「何かあったらすぐにここに電話するなり帰ってきなさい」ということなのだろう。何だか千人針を受け取る日本兵になった気分で、いざメキシコシティ行きのバスに飛び乗った。


 バスの中でガイドブック片手に当面の目的地を物色していたところ、まずはZocalo(=ソカロ・中央広場)へ向かうことにした。
 ここはメキシコシティのシンボル的場所で、かなり広い敷地の広場であり、その中央にこれまた巨大な旗が常にはためいていて、国民的行事の際には毎回その行事にちなんだ大きなオブジェや電飾で彩られたり、周辺には全国にある全ての教会を牛耳る総本山・Catedral Metropolotana(=カテドラル・メトロポリターナ・大聖堂)や、アステカ帝国の中央神殿・Templo Mayor(=テンプロ・マヨール)などがあったりするらしい。
 しかも、クエルナバカ-メキシコシティのバスが運行しているバスターミナル・Tasqueña(=タスケーニャ・通称南ターミナル)のすぐ近くにはMetro(=メトロ・地下鉄)の駅があり、それを使えば乗り換えなしでZocaloの最寄り駅であるzocalo駅(そのまんま)まで行けることが判明。初めて訪れるにはうってつけの場所だろう。

メキシコシティの地下鉄マップ ciudad_de_mexico mapa metro
メキシコシティ地下鉄の路線図(クリックで大きくなります)




 そうこうしていたら、バスはTasqueña(=タスケーニャ)に到着。メキシコシティの土を踏むのは入国して以来である。

 とりあえず人の流れに身を任せて歩いてみたらMETROの有人切符売り場を発見。
 いくらだかわからなかったのでとりあえず50ペソ札(当時のレートで500円くらい)を出したら、粗末な質のチケットと共に大量のお釣りを渡された。数えてみたら49ペソくらいあったので、どうやら切符代は1ペソ(当時のレートで10円)くらいだったらしい。しかも、メキシコの場合は距離に関係なく金額は全て同じらしいなので、かなり破格だ(※現在はもっと値上がりしてるはず)
 
 そして何とか改札を通過しホームにたどり着いたわけだが、その瞬間、なにやら不吉な感覚が全身を支配した。



 ……何かここはイメージ的に怖い!



 クエルナバカより圧倒的に多い人の数、大都会、知らないところ、知ってる人がいない、勢いで来てみたはいいが語学力が心もとない、日本語が通じない、誰も頼れない、異国……等々、ありとあらゆる不安要素が本能で全身を一気に駆け抜けた。まだ何をしたわけでもされたわけではないが、これが都会の洗礼というやつだろうか。日本人でも田舎から上京すると、最初はこんな感覚になるのだろうか。
 いっそのことこのままターミナルまで戻り、クエルナバカ行きのバスに乗ることも脳裏をよぎったが、さすがにここまで来ておいてそれはMOTTAINAIので、当面の計画通りZocaloまで行くしか道はない。

 線路側に近いホームで待っていたら、数分後にMetroがやってきた。
 停車した瞬間にドアが開いたので降りる人を待っていたのだが、どうもメキシコには「降りる人が先」という公共マナーは確立されていないようで、後ろにいた乗客全員は我先に乗り込み、、降りる人も我先に降りるため、さながら部下と上司のプレッシャーに迷う中間管理職の課長のごとく挟み撃ちにされる。早くも異国の文化に悩んでしまったが、とりあえずこれに乗っておけば数十分後には勝手に目的地に着くわけだ。


 そしていくつかの駅を通過してからだろうか、車内からいきなり大声が聞こえた。


 「○○○○○☆☆☆☆☆▼▼▼□□□」

 
 はっきり言って何を言っているのかはとんとわからないが、どうやら声の主は物売りのようだ。手持ちの大きなかばんから商品を取り出すと、それを頭上に上げて商品説明とかバナナの叩き売り的な向上を語りだしている。
 一通り説明が終わると乗客一人ひとりにその商品を見せて買うか買わないかの選択を迫り、全員に聞き終えたら次の車両に移動した。

 そしてさらに数分後、また別の行商が商品を片手に 「○○○○○☆☆☆☆☆▼▼▼□□□」 と大声で向上を語り、説明を終えたらまた乗客一人ひとりに「買う  or  買わない?」を迫り、全員に聞き終えたら次の車両へ移動していった。


 ほほお、メキシコの地下鉄では外部による物品の車内販売が認可されているのか。これもまた異国の文化というやつか。なかなか興味深い光景ではないか。というか、ナニユエわざわざ首都の地下鉄の車内で使い捨てかみそり5個セットとかボールペン10本セットとかを売り歩くのかも気になるし、それでいてどちらも1車両あたり3セットずつくらいはしっかり売れたのも気になるが。むしろ、雑多に人が集まる地下鉄のような場所だからこそ、どんなものでも売ってみるものなのだろうか。

 その後も、目の前でたっている目つきの鋭い若者からガン見されたり、途中から乗ってきたホームレスらしき人から他の乗客を差し置いてピンポイントで小銭をせびられたりといった、後々おなじみの光景となる洗礼を受けて人知れず恐怖におののいていたら、Metroはひとつ手前のPino Suarez 駅を通過した。次が目的地のZocalo駅なので、ドアの前でスタンバっておこう。


 そしてドアが開いた瞬間。


 ドドドドドドドドドドドドドド…………。 


 イタイイタイイタイイタイ!
 
だから降りる乗客全員で後ろから押すな! 落ち着けって!
 そして乗る客もまあ、待て! 降りる客を優先しろ! 
 お前らが先に乗ったらこっちが降りられないだろうが! 
 

 またしても龍原砲ばりのサイドイッチ攻撃を食らい危うく失神しそうになったが、それにしてもMetroは電車マナーもだけでなく、運転も全体的にかなり荒っぽい! 急停車急発進ばかりでスピードのめがないからでその都度立ってる乗客はゴロゴロ転がってるし、ドアが開くタイミングも若干フライング気味だし。日本でこんなことをやってたら速攻で日勤教育モノだぞ!
 

 とにもかくにも、何とか無事にZocaloに到着。地上に上がってみると……。


zocalo 

 ジャ~~~~~~ン!!!!

 遂に一人ではじめてのZocaloに到着!
 
 正直、“異国の大都会・メキシコシティに一人でいるというだけで何もかもが怖い”という恐怖心は未だ続いているのだが、果たしてここではっちゃけられるのだろうか。

<次回に続く>



関連記事
スポンサーサイト

テーマ : メキシコ
ジャンル : 旅行

tag : メキシコシティ メキシコ留学体験記1 Mexico_City Zocalo ソカロ Tasqueña タスケーニャ Templo_Mayor テンプロ・マヨール

コメントの投稿

非公開コメント

スポンサードリンク
ブログランキング



宜しければクリックを
お願いいたします。
ブログ内検索
カテゴリー
最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ
プロフィール

800ランプ

Author:800ランプ
ルチャリブレがきっかけでメキシコに興味を持つ。
20世紀末、突然そのことを思い出しメキシコへ。民間の語学学校で言葉を学びつつ、運の良さも手伝って浮世を忘れるほどの生活を満喫。
以降も帰国してはお金を貯めては渡墨し、また帰国してお金を貯めては渡墨ということを繰り返していたら、社会のレールから脱落したので日本に落ち着く。
しかし先日、わけあって現実逃避もかねてまた渡墨。今回の日記はそのときのもの。

最近のトラックバック
amazon
スポンサードリンク
リンク
タグクラウド

RSSフィード
By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。