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San Francisco(サンフランシスコ)→Ciudad de México(メキシコシティ)→Cuernavaca(クエルナバカ)

最終目的地
クエルナバカの位置(クリックで大きくなります)



 快適どころか苦行に近かった10時間のフライトを経て、とりあえずサンフランシスコ国際空港に到着。1時間半後にはメキシコシティ行きの飛行機が出発してしまうので、早々にロビーまで向かう。

 ぼくはニコチン中毒者なので禁断症状がほどほどに出てきているのだが、ヘタにトイレで一服を決め込もうものなら、火災報知器がけたたましく鳴り、係員に別室へ連れて行かれてライフルの尻でこめかみを叩かれたり、法外な罰金を払わされた挙げ句、日本へ強制退去させられて向こう100年はアメリカに入国できない事態になりそうなので、ここは我慢だ。

 さて、何やかんやでメキシコシティ行きの便のロビーに到着したが、さすがにここまで来ると日本人らしき顔は見あたらない。ベーコンダブルチーズバーガーやスニッカーズをいくら食べても生のフルーツを齧ればカロリーが帳消しになると思い込んでいそうな輩や、本名はホセ・ゴンザレスもしくはマリア・ロドリゲス以外にありえなさそうな顔立ちの人ばかりである。
 
 ソファーに座っていたら、かなり大柄でマッチョな男性を発見した。身長もさることながら、マッチョ具合もハンパではない。服装も“タンクトップにダボダボのイージーパンツ”という教科書どおりのマッチョ系コーディネートなので、職業はボディビルダーかフィットネスインストラクターの類と思われる。
 悪いとは思いつつよくよく顔を見てみると、↓にそっくりだ。


scott steinerスコット・スタイナー
1990年代に一時代を築いたアメリカのプロレスラー。かつては弟のリックとスタイナー・ブラザーズを結成し、日本では武藤とかとIWGPタッグ王座を巡って熱闘を展開したり、WCWという当時の大手団体の主力として活躍していた。WCWが崩壊してしばらくしてからWWEに登場。「最後の大物」として大々的にプッシュされたが大したインパクトは残せなかったため短期間でフェードアウト。現在はアメリカ第二勢力団体・TNAを主戦場にしているとかしていないとか。 1962年6月29日生まれ。身長185cm、体重130kg。




 メキシコはプロレスも人気なので、遠征でメキシコに行っても不思議ではない。

 「Excuse me, are you Scott Steiner?」

 なーんて声をかけても良かったが、よくよく考えればスコット・スタイナーに大した思い入れはないので、声はかけなかった。
 というか、日本とは比較にならないほどレスラーの社会的地位も知名度も高いはずのアメリカにおいて、過去の人とはいえ業界最盛期に一時代を築いた実績のある選手が、乗客がさほど多くない便のロビーではあるものの大都市の国際空港にいながら他の誰からも声をかけられた形跡がなかったので、恐らくスタイナーのファッションを取り入れた一般人の可能性が高い。


 そんなこんなで4時間後、遂にメキシコシティ国際空港に到着。時差があるとはいえ、昨日の午後4時くらいに成田を出発したのに日本と同じ日の夕方に到着するのは何となく解せないが、無事に目的地に到着したことに胸を撫で下ろす。

 しばらく来ない間に空港を改築したようで、かなり新しくなっていることに驚く。ここだけを見たらメキシコは先進国のような錯覚に陥ってしまう。
 
 そんなことはともかく、何はともあれまずは一服だ。
 2年前まではレストランエリアでも余裕で喫煙が出来たが、改築を機に室内をオール禁煙にしたようだ。仕方がないので外で約15時間ぶりに一服を決め込んだら、頭がクラクラした。長い刑期を終えた服役囚のような気分を味わっていたら、すぐ近くでさっきのスタイナーがソワソワしながら途方に暮れていた

 とりあえず今日のうちに、メキシコシティの隣にあるモレーロス州の州都・Cuernavaca(=クエルナバカ)というところへ向かうことにしている。

 ここへ向かう理由は、ぼくがは初めてメキシコに来たときに訪れた場所だからだ。半年くらいここの語学学校に通っていたので、いわばメキシコにおける地元のようなもの。土地勘もあるし、わずかではあるが知人も何人かいるので、まずはここを拠点にするつもりだ。

 メキシコは車社会なので、陸路での長距離移動は何といってもバスだ。幸いにも空港からCuernavaca行きの直行バスが運行しているので、バス乗り場へ向かう。
 
 因みにメキシコのバスには等級があって、割高だが豪華で快適で安全なバスは一等、割安だが乗り心地や安全面に難のあるバスは二等とされているのだが、空港に乗り入れているバスはもれなく一等である。シートは文字通りファーストクラスのように豪華で広々、エンジン音も静かでソフトドリンクと軽食のサービスもついているし、おまけに車載テレビで映画まで見れる。
 それにセキュリティもバッチリで、入念な手荷物チェックはもちろんのこと、トランクに入れる大きい荷物も乗客毎に割り印的な証明書を発行してくれるし、目的地までノンストップなので途中で客を装った泥棒が入ってくることもない。もちろん一等なので値段も少々張るが、安全と快適さを買うと思えば高い買い物ではない。どこぞの航空会社も見習ってほしいくらいの至れり尽くせりっぷりである。
 
 しばらく走るとバスは市街地を抜け、高速道路に入る。さっきまでは高層ビルや入り組んだ道路、携帯電話の看板といった都会ならではの風景が目に入ったが、このあたりになると畑や山といったのどかな田園風景が目に飛び込んでくる。

 更にしばらくすると、

 「BIENBENIDO Cuernavaca(クエルナバカへようこそ)」

 と書かれた大きな看板が目に入った。何となく、“目的地に着いた”というよりは“久々に帰ってきた”という感覚になるのは不思議である。

 そしてバスターミナルに到着したら、今度はタクシーでセントロ(繁華街)のホテルまで向かう。クエルナバカにはバス会社別にターミナルが分かれているのだが、空港に乗り入れているバス会社のターミナルは、セントロから少し離れたところにあるのだ。

 早速タクシーの運転手と料金交渉して地域によってはメーター制のタクシーもあるが、クエルナバカは乗る前に交渉するシステム)、30ペソ(当時のレートで240円くらい)で交渉が成立したのでホテルに向かう。メキシコシティで渋滞に巻き込まれたせいですっかり日が落ちてしまったので、早くチェックインした方が得策である。

 しばらく走るとホテルの看板が見えたので「ここで降ろしてくれ」と伝えるが、運転手はなぜかぼくの言葉を無視して少し離れた路肩に車を停めた。

 すると彼はバックミラー越しに、

 「残念だな、ハポネス(日本人)。あのホテルはもう閉まってるぞ」

 と言ってきた。


 ……え? 閉まってる?


 確かにホテルによっては門限があるところもあるが、少なくともホテルの看板は確認できたし、仮に門限があったとしてもまだ21時くらいなので閉まるにはまだ早い。「もうつぶれた」とか「満員」というなら納得は出来るが、「閉まっている」という言い回しが実に引っかかる。そんな猜疑心をかかえつつも、運転手はなおも言葉を続ける。


 「いいか、最近クエルナバカは治安がかなり悪くなった。このあたりは売春婦やドラッグの売人、スリがたくさんうろついている。それでも良いというのならここでおまえを降ろしてもいいが、こんな時間にそんな大荷物を抱えて歩いている姿を奴らに見られたら何をされるかわからないぞ」


 うーん、確かに一理ある。現地在住の知人も以前に似たようなことを言っていたし、治安が良いとはいえあくまでも “メキシコ国内ではましな方”という次元でしかない。
 尤も、「閉まっている」に関しての疑問は全く解決していないが、長旅の疲れがピークに達していると運転手の言い分が神のお導きのような説得力を味わうから不思議だ。

 運転手は更に言葉を続けた。

 「セントロから少し離れたところで良ければ、プラス100ペソ(約800円)で安全で快適なホテルを紹介してやってもいいぜ。明日俺に連絡をくれればタダでセントロまで送り迎えしてやるよ」

 メキシコにおける100ペソという価値を日本に当てはめると、焼肉屋でけっこう飲み食いできるくらいの額だ。しかし、ホテルの紹介料とタクシー代の前払いと考えれば条件としては悪くはない。少なくともこの時点でのコンディションはかなりグダグダだし、考えるのも面倒になったのでここは運転手の提案にのることにした。

 そして更に走ること約10分、タクシーは高速道路沿いの割かし大きなホテルに横付けした。
 高速道路といっても、日本のように国道から完全に隔離された有料道路ではなくアメリカのフリーウェイのような感じで、脇道や一般道へも容易に抜けられる幹線道路である。ただ、周囲には何もない郊外なので確かに不便ではあるが、部屋はかなり清潔で広いし、料金は思ったほど高くはない。時間も時間だし、というか今夜に関しては最早ぼくに選択肢はなさそうなので、チェックインすることに。

 「ブエナス・ノチェス(おやすみ)、アミーゴ。連絡待ってるぞ」
 そう言って運転手は夜の街へ消えた。

 しかし、どうも重要なことを忘れているような気がする。




 ……そうだ!



 あいつの名前と連絡先聞いてねえ!


 メキシコ入国早々に、しかも馴染みの街でボッタクられた!
 つーか、お前こそが治安悪化の要因の一つなんじゃねーの?



 すぐにでも『予告.in』に通報されるのを覚悟で某巨大掲示板にヤツの罵詈雑言を手当たり次第書きたくなったが、今回はぼくの広い心に免じて許してやることにした。なぜなら備え付けのテレビをザッピングしていたら、無修正版おもしろビデオ集がタダで見放題だからだ。むしろ気持ちとしては、素晴らしいホテルを紹介してくれてありがとうである。


 シャワーを浴びて体もさっぱりしたところで、アグレッシブかつアクロバティックなアメリカ人カップルのスーパープレイ集を鑑賞しつつ(あくまでも“鑑賞”しただけ)、入国最初の夜は更けていった。






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テーマ : メキシコ
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800ランプ

Author:800ランプ
ルチャリブレがきっかけでメキシコに興味を持つ。
20世紀末、突然そのことを思い出しメキシコへ。民間の語学学校で言葉を学びつつ、運の良さも手伝って浮世を忘れるほどの生活を満喫。
以降も帰国してはお金を貯めては渡墨し、また帰国してお金を貯めては渡墨ということを繰り返していたら、社会のレールから脱落したので日本に落ち着く。
しかし先日、わけあって現実逃避もかねてまた渡墨。今回の日記はそのときのもの。

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