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#01-とある年明け

 その頃、ぼくは都内の小さな会社で働いていた。
 当時は入社間もないペーペーで、迷惑をかけないよう周りに付いていくのが精一杯な毎日を送っていた。

 そんなとある正月休み、唐突に「年も明けたし何かしよう」という決意が脳を刺激した。

 新年というのは不思議なもので、ただ「年が明けたから」という理由で何がしかの目標を掲げてみたくなるものだ。「昇進」「転職」「独立」「志望校合格」「全国大会優勝」「毎晩歯を磨く」「半年前に切れたトイレの電球を交換する」「その一口がブタになる」など、人によって目的は様々だろう。
 
 脳内で「自分に何かできそうなこと」をリストアップしたら、なぜか「グローバル」というワードが頭に浮かび、「ならば英語を勉強してみよう」という結論に至った。

 因みに中学生の頃は勉強全般を嫌う劣等性だったが、なぜか英語だけは得意だった。100点を取ったことはなかったが、常に高得点をキープしていたのだ。尤もそれは中1の話で、その後の二年間(高校を含めると5年間)は他の科目と何ら遜色のない成績になったので、短い栄光ではあったが。

 取り急ぎ結論は出たものの、別に英語ができたからと言ってその先のことは頭にない。
 別に仕事で英語を使うことはないし、ネイティブの方々との交流をしてみたいというわけでもない。
 それに、目標と言っても要はヒマつぶしの一環でしかないので、行く末はギターでブルーハーツの曲をマスターする程度でいいわけで、休日に家で『かりあげクン』を全巻読破するよりは毒か薬にはなると思ったので、とりあえず近所の大きな本屋へ向かってみた。

 早速英語の参考書コーナーへ向かったら、視界全面に有象無象にテキスト類が陳列している。初心者用、受験用、検定用、ビジネス用などなど、品目は実に多岐に渡る。

 とりあえず片っ端からペラペラめくってみたのだが、初歩的で重大な事実に気づく。



 ……どこから手をつければ良いの?


 それらを読んだ限りでは、自分の英語レベルがどのあたりなのかが皆目見当が付かない。
 少なくとも中2以来まともに勉強していないので「中1レベル」なのは分かっているが、“じゃあ中1レベルの基準とは何ぞや?”と明確に記載しているテキストが見つからなかったので、早速“年明けの決意”を断念した。

 しかし、そのまま帰るのもアレだったので別のエリアを物色していたら、「スペイン語コーナー」とやらを発見した。
 たまたまた手に取った参考書の前書きを読むと、何でもスペイン語は英語に次ぐグローバル言語とのこと。本国スペインはもちろんのこと、アメリカ以南のほぼ全ての国の公用語にもなっているらしい。ということは、スペイン語さえ覚えれば、あとお金と時間がたんまりあれば行動範囲は広がるということだろう。 
 
 そういえば、ぼくはスペイン語が全く分からないわけじゃない。自慢ではないが子供の頃に少なからずかじったことがある。

 知ってる単語を列挙してみると、
  
 ・アミーゴ=友だち
 ・ビバ!=すばらしい!
 ・ミル・マスカラス=仮面貴族
 ・テキーラ=火の酒
 ・チャイニーズ=中国人(または目がつりあがってる人)
 ・ウルトラマン=カラテの使い手

(以上、『プロレススーパースター列伝』より抜粋)
 


 一部あからさまな勘違いがあるものの、予備知識としてこれだけあれば十分だろう。

 そんなバックボーンを持っていたせいか、目の前にあった『はじめてのスペイン語』みたいなテキストをペラペラとめくってみたところ、何か自分でもできそうだという錯覚(幻覚)が起きた。
 それに、ここの本屋は何か買わないと駐車料金が発生するので、その参考書をとりあえず購入してみた。

 一通りテキストを流し読みしてみたところ、スペイン語は思ったよりもとっつきやすいということが分かった。とにかく、発音とスペルはローマ字にかなり近いのだが、それだけでぼくにとっては大きい要素だった。
 ただ、子音が「J」の場合は「ハ行」(例:jeringa<ヘリンガ>=注射器・洗浄器・浣腸器・絞り出し器)「Z」だと「サ行」(例:zelote<セロテ>=ゼロテ党員)「h」は母音のみ(例:huemul<ウエムル>=動物のゲマルジカ)など若干の違いはあるが、英語みたく「gh」は読まないとか、「water」は「ワラー」と発音するとか、両国国技館を「スモウ・アリーナ」と訳すような制約がないというだけで好感が持てた。

 まあそれ以外にも色々と制約はあるのだが、たかだが初歩的な問題が理解できただけで、既にフロラン・ダバディ気取りだ。ぼくの精神構造なんて、キャバ嬢の携帯メールアドレス付きの名刺を渡されただけで舞い上がる客くらいチョロい
 
 そして、その勘違いは更に加速することになる。


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テーマ : 海外留学
ジャンル : 学校・教育

tag : メキシコ留学体験記1 スペイン語

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800ランプ

Author:800ランプ
ルチャリブレがきっかけでメキシコに興味を持つ。
20世紀末、突然そのことを思い出しメキシコへ。民間の語学学校で言葉を学びつつ、運の良さも手伝って浮世を忘れるほどの生活を満喫。
以降も帰国してはお金を貯めては渡墨し、また帰国してお金を貯めては渡墨ということを繰り返していたら、社会のレールから脱落したので日本に落ち着く。
しかし先日、わけあって現実逃避もかねてまた渡墨。今回の日記はそのときのもの。

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