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San Luis Potosi(サン・ルイス・ポトシ)-適度に良い街、そしてサッカーの後……






現在位置
サン・ルイス・ポトシの位置(クリックで大きくなります)


 San Luis Potosi(=サン・ルイス・ポトシ-以下SLP)出迎える初めての朝。

 SLP屈指らしいマイナス五つ星ホステルだけあって(実質1泊600円!)目覚めっぷりも値段相応の気持ち悪さである。
 今日は朝の11時にSLP在住のメル友・マリアと待ち合わせをしているが、何だかんだで9時には目が覚めたので、適当にすぐ近くの食堂で朝食を摂ったり、適当に散歩したり、ネットカフェでメールチェックをしたりして時間をつぶしていた。

 そうこうしていたら時間も時間になったので一度荷物を取りにホステルへ戻ったのだが、ロビーで誰かに何やらと声をかけられた。
 そこにいたのは娘らしき若い女性と、女装した大御所芸人のような出で立ちの年配女性だった。

 「○○○○×××◎◎◎△△△△?」

 ……は?

 ぼくの語学力は大したことがないという事実を差し引いたとしても、あまりにカツゼツが悪い上にかなりの早口なものだから、何が言いたのかさっぱり理解できない。これまでにも早口だったり発音が独特で聞き取れなかったケースや、そもそも意味を知らない単語の連発で理解できなかったことは多々あるが、ここまで全ての単語がさっぱり聞き取れないのは初めてだ。わかったことは、語尾は上がっていたから何か尋ねられているのだろうということだけだ。

 「Más despasio por favor!(もっとゆっくり話してください)」

 とお願いしてみるが、彼女はさっきとまったく同じスピードと発音で「○○○○×××◎◎◎△△△△?」とまくし立てる。

 こりゃ困ったなと思っていたら、さっきまで無言だった娘が助け船を出してくれた。

 「Mamá dice que donde esta el dueno?(=ママは“ここのオーナーはどこにいるの?”って言ってるの)

 因みにこの“donde esta ○○○?(=○○○はどこですか?)”という言い回しは、『初級スペイン語講座』の第3章くらいで出てくる基本の言い回しだ。こんな初歩の単語が聞き取れなかったとは、この女性の発音は相当クセがありそうだ。

 「No sé. Creo que no viene aquí todavía.(=知りません。彼はまだ来ていないと思います)」
 と答えると、娘が母に、
 「Ei dice que "No sé. Creo que no viene aquí todavía."(=彼は“知りません。彼はまだ来ていないと思います”って言ってるわ)」
 と通訳した。

 そして、
 母 :「○○○○×××◎◎◎△△△△?」
 娘 :「Mamá dice "Sabes cuando el viene aquí?"(=ママは"彼がいつここに来るか知ってる?"って言ってるわ)」
 ぼく:「No sé(=わかりません)」
 娘 :「El dice "no sé"(=彼は、“知りません”って言ってるわ)
 母 :「○○○○×××◎◎◎△△△△」
 娘 :「Mamá dice "OK, gracias"(=ママは"わかりました。ありがとう"って言ってるわ)」

 と言って二人は外に出たのだが、スペイン語とスペイン語のやり取りを、第三者がスペイン語で通訳するって何かおかしくないか? 

 とまあ、こんなコントに付き合っていたら時間が来たので、さっさと待ち合わせ場所に向かう。
 
 しばらく待っていたらマリアと落ち合うことが出来たので、まずはセントロを案内してもらう。
 彼女曰く「SLPは有名な観光地ではないけれど、それなりに名所はある」とのことで、セントロの象徴的な建物を中心に案内してもらう。


Palacio de Gobierno(政府宮殿)-クリックで大きくなります
Palacio de Gobierno(=パラシオ・デ・ゴビエルノ-政府庁舎)


slp_zocalo(ソカロ=中央広場)-クリックで大きくなります
Zocalo(=ソカロ-中央広場)


slp_museo de la mascara(=ムセオ・デ・ラ・マスカラ-仮面博物館)-クリックで大きくなります
Museo de la Mascara(=ムセオ・デ・ラ・マスカラ-世界中の仮面が展示されている博物館)


slp_Templo del Carmen(=テンプロ・デル・カルメン-SLPの寺院)-クリックで大きくなります
Templo del Carmen(=テンプロ・デル・カルメン-SLPの寺院)


slpの通り-クリックで大きくなります
SLPの通り

※写真の時間列はバラバラです。


 うーん、この町は何か居心地が良い。何と言うか、何事も適度なところが気に入った。
 町並みは適度に美しいし、見どころは適度にあるし、セントロは綺麗に整備されているし、適度に拓けているから通行人の数も多すぎず少なすぎずな感じだし、前面に観光地として押し出しているわけではないから物価も大して高くないし、外国人もほとんどいない。長距離移動の途中でちょっと立ち寄ってちょっと観光するには、かなり適しているように感じた。

 一通り周った後昼食を摂ったが、食後に急激に眠くなってしまった。満腹感と程好い町の空気が緊張を緩めたのだろうか。どのみちマリアも夕方は別件があるようなので、ここは一度ホステルに戻ることにして夜に改めて会うことになった。

 ホステルで仮眠をとった後に再び待ち合わせ場所に行くと、マリアの隣に見知らぬ女性が並んで立っていた。どうやら友だちを連れてきたようだ。イングランドが誇るストライカー、ゲーリー・リネカーにそっくりなこの女性はアリシアという名前だそうで、普段は小学校の先生をやっているそうだ。


リネカーゲーリー・リネカー(Gary Winston Lineker )
イングランドを代表するストライカーで、1986年ワールドカップメキシコ大会の得点王。ペレが選んだ偉大なサッカー選手100人にも選ばれている。Jリーグブームの頃には鳴り物入りで名古屋グランパスでプレーしたが、怪我もあって全く結果を残せなかっため“THE・期待外れ
の烙印を押されてしまいそのまま引退。現役を通して一度も退場どころか警告を受けたことがない稀有な選手。



 今夜はぼくのリクエストで、セントロのバーで酒をかっくらいながらサッカーの試合をテレビ観戦だ。
 というか話題としてはもはやかなり古いのだが、今夜はワールドカップ北中米予選の日で、メキシコ代表はアウェーでコスタリカ代表と戦うことになっているのだ。メキシコでも他の国同様サッカー人気はかなり高いので、この数日はこの試合の話題で持ちきりだった。

 因みにメキシコ代表は、スタートダッシュに失敗したためこの時点で予選突破圏内にはいなかった上、残り試合もあとわずかという状況なので、今日の試合で負けようものなら予選落ちが現実味を帯びてしまう崖っぷち状態だった。ここで勝ちにいかないと今後がかなり厳しい状態に陥ってしまう。
 一方のコスタリカはこの時点で首位で、2位以下との勝ち点差は団子状態ではあったものの、引き分けても出場圏内の順位はほぼ確保できる状況だったので、ここは無理をせずしっかり守って確実に勝ち点を積み重ねたいところだ。

 …とまあ、そんな背景だったこともあり、国民のテンションは否応なしに力が入る。代表のユニフォームを身にまとい国旗を派手に振り上げる者、「VIVA MEXICO!(メキシコ万歳)」と叫ぶ者、国歌を高らかに歌う者など、さまざまな応援スタイルで試合の開始ホイッスルを待っている。国民にとってピッチに立っている代表選手たちは、“彼ら”ではなく“私たちそのもの”なのだろう。

 そして試合は始まった。ここはぼくが長々と能書きを垂れるより、ビジュアルで紹介した方が得策だろう。




 ……ご覧の通り、アウェーながらメキシコが3-0で圧勝。
 試合終了のホイッスルが鳴った途端、周囲はまるで本大会で優勝したかのような大歓声を上げ、知らない客同士で勝利の抱擁を交わしていた。早くもバーの外ではお祝いのクラクションを鳴らしながら通りを爆走する車もあったり、「Gano Mexico!(メキシコが勝ったぞ!)」と絶叫する声も聞こえてきた。


 それにしても今回のメキシコ代表はかなり面白いチームだ。
 身長は軒並み低いが、徹底したパスサッカーと豊富な運動量、スピードはやはり侮れない。特にこの試合で大活躍したAndres Guardado(=アンドレス・グアルダード)Giovani Alex DOS SANTOS(=ジョバニ・ドス・サントス)は本大会で是非とも見たい。


José Andrtes Guardado (グアルダード)Andrés Guardado(=アンドレス・グアルダード)
1986年9月28日生まれ。ポジションは主に左ハーフ。将来のメキシコ代表を担うであろう次世代のスター候補。




Giovani Alex DOS SANTOSGiovani DOS SANTOS(=ジョバニ・ドス・サントス)
1989年5月11日生まれ。ポジションは主に右ウイング。グアルダード同様将来のメキシコ代表を担うであろう次世代のスター候補。国内ではロナウジーニョの再来とも言われている。
父もかつてはメキシコのクラブで活躍した元プロ選手で、弟のジョナタンもスペインで活躍中というサッカー一家の生まれ。



 それに何より素晴らしいのは、たとえリードしていても守りに入ることはせず常にゴールを目指す気迫とメンタリティと、試合内容の濃さだ。久々に“お金を払う価値のある試合”を見た気分だ。

 そんなお祝いムードの中、ぼくのテーブルのすぐ近くでなぜか客同士による派手な喧嘩が始まり、テーブルや椅子をなぎ倒しながら昇龍拳タイガー・アッパーカットを繰り出していた。


 大満足でバーを出たが、この後の計画は立てていない。時計を見たらけっこう良い時間だし、あまり女性を夜遅くまで付き合わせるのも悪いのでこのままお開きにしてもいい。というか、どのみち明日の日曜日も3人で会うことになったし、酒のせいでけっこうオネムなので、むしろホステルに戻りたいところだ。

 しかし、彼女たちはそんなぼくの内に秘めた淡い期待を見事なまでに打ち砕いたばかりか、ぼくにとってはスラム街よりも恐ろしい場所で、できることならこの先一生したくないことをすることになった。






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テーマ : メキシコ
ジャンル : 旅行

tag : メキシコ旅行記 San_Luis_Potosi サン・ルイス・ポトシ サッカー メキシコ代表 グアルダード 北中米 Giovani_DOS_SANTOS

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800ランプ

Author:800ランプ
ルチャリブレがきっかけでメキシコに興味を持つ。
20世紀末、突然そのことを思い出しメキシコへ。民間の語学学校で言葉を学びつつ、運の良さも手伝って浮世を忘れるほどの生活を満喫。
以降も帰国してはお金を貯めては渡墨し、また帰国してお金を貯めては渡墨ということを繰り返していたら、社会のレールから脱落したので日本に落ち着く。
しかし先日、わけあって現実逃避もかねてまた渡墨。今回の日記はそのときのもの。

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