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【閑話休題】ウルグアイについて書いてみる



 かなり唐突だが、ぼくは昔からピクシーことドラガン・ストイコビッチというサッカー選手が大好きである。

 現役時代は旧ユーゴスラビア、新ユーゴスラビア(後のセルビア・モンテネグロ)代表の中心選手で、ゲームメイクのセンスや各種キックの精度、変幻自在なドリブル等は世界屈指のレベルだったこともあって若い頃から将来を嘱望されていて、プロになってからも当時のペレやマラドーナ、プラティニといった大物からもその才能を絶賛されていた。実際に1990年のワールドカップ(以下W杯)ではベスト8まで進出したし、1998年大会でもキャプテンとしてベスト16進出に貢献した。

 しかし母国の崩壊や民族紛争といった政治面の出来事がサッカー人生にかなり影響を及ぼしたばかりか、当時所属していたクラブの不祥事にも巻き込まれるという不運が重なったことで、本人曰く“半年だけヨーロッパを離れるつもり”で1994年に名古屋グランパスへ移籍した。
 来日直後こそ、ある意味Jリーグ独特のジャッジ基準に慣れずに苛立ちを隠せず警告や退場を乱発したり、当時はプロサッカー黎明期ということもあって自分とチームメイトのプロ意識の違いに唖然としていたものの、元々持っていた才能はJリーグでも遺憾なく発揮されたことや、当の半年後には以前から尊敬していたというアーセン・ベンゲル氏が名古屋の監督に就任したこと(現在はアーセナルの監督)、日本での生活がかなり気に入ったことなどもあって、最終的には半年どころか2001年に現役を引退するまで名古屋でプレーし、チームの象徴として歴史に名を刻んだ。Jリーグの創生期には当時の世界的なビッグネームが選手が多く来日したが、何だかんだで7年もの期間を日本でプレーした世界的なプレーヤーは彼くらいのものだろう。


 そんな彼は2012年現在名古屋の監督だが、その前にはセルビア・モンテネグロサッカー協会の会長を務めていた時期があった(当時。後にモンテネグロ独立に伴い、それぞれセルビアサッカー協会モンテネグロサッカー協会に分裂)
 その頃に彼はインタビューで、こんなようなことを言っていたらしい。

 「セルビアにはこれといって世界的に名の知れている産業もアイコンもない小さな国だ。だからこそセルビアという国を世界に知らしめるためには、国を挙げてサッカーに力を入れて結果を出すしかない」


 これを聞いた時、確かにそうかもと思った。
 例えばメキシコでいえばタコスとかテキーラであったり、ペルーだったらマチュピチュとかナスカの地上絵、フィンランドだったらノキアとかサウナ、ジャマイカだったらレゲエ……等々、知名度や人気に差はあれど何かしら国を象徴づけるグローバルなアイテムを持つところは多いが、セルビアに関してはこれといって思いつかない。
 個人的にはサッカー関連であれば色々と知っていることはあるが、それ以外となると政治や経済面は除いたとして、「首都はベオグラード」「バレーボール、バスケ、ハンドボール、水球といった他の球技のレベルも高い」「美男美女が多い」「女子テニスプレイヤーのエレナ・ドキッチもセルビア人(※ただし二重国籍者なので現在はオーストラリア人として活動)と言うようなことしか知らない。

 もちろんこれらしか思い浮かばないのはただの勉強不足といってしまえばそれまでだが、サッカーやピクシーがきっかけで多少なりともセルビアに興味を持ったぼくでもその程度なのだから、サッカーに興味がない人にとってはそれこそ国の名前を聞いてもピンと来ない人も多いのではなかろうか。
 だからこそ、世界で最も影響力のあるサッカーで結果を残すことが国の知名度や国力の向上につながると考えているところは、協会の会長としての意見であると同時に一人のセルビア人としての率直な意見でもあり苦悩のようにも感じた。


 ……とまあ、何故セルビアについて長々と書いたかというと、先日久しぶりにMSNメッセンジャーを開いていた時のこと。
 このブログにちょいちょい出しているメキシコ人の友人・Manuelがアクセスしてきたので、久方ぶりにチャットをすることとなった。SkypeやらFacebookやらLINEやらが全盛のご時世にMSNメッセンジャーでチャットというのも実に古めかしいが、別にwebカメラをやインカムを使ってまで話そうとはお互い思っていないし、そもそもぼくはインカムを持っていないし、もっと言えば最近Facebook絡みで腹の立つことが頻発したので現在は個人アカウントを停止しているからメッセンジャーしか選択肢がないというのは余談として、彼とこうして交流するのは本当に久しぶりのことだったので、何だかんだでけっこうな時間を使っていた。

 まあ、話す内容なんざ「最近どうよ?」とか「何か変わったことあった?」というようなごくありきたりの雑談でしかないのだが、このページの後半でちらっと書いているように、どうやら彼は本当に奥さんの故郷であるウルグアイの首都・モンテビデオに家族共々引っ越したようだ。
 その時はウルグアイがいかに快適で治安が良くて美しいところかを力説していて、「案内してやるからいつでも遊びに来い」とか、挙げ句には冗談混じりで「一緒にウルグアイでビジネスを立ち上げようぜ」とまで言っていた。


 そんな彼のやりとりで、個人的にはウルグアイのことなんて殆ど知らないことや、そもそも日本でも大して知られていないことを考えると、何だかウルグアイの境遇というか存在感が先のセルビアと似ているなと思ったからである。かなり前置きが長くなってしまったが、要はそういうことである。


 尤も、サッカー絡みであればウルグアイについて知っていることはいくつかある。 
 1930年に第1回W杯を開催したとか、W杯では2度の優勝経験があるとか、ディエゴ・フォルランアルバロ・レコバエンツォ・フランチェスコリといった世界的プレーヤーの出身地であるとか、代表のユニフォームは水色……とか。
 しかしサッカー以外の情報となると知っていることは「輸入タバコ店でよく見かけるアークロイヤルの原産地」「南米の南の方にある」「アルゼンチンに近い」「街並みが美しいらしい」「周辺も含めてメキシコとは若干異なるスペイン語が使われている」ということくらいしか浮かばない。


ark royal, アークロイヤル, ウルグアイ, タバコ
ウルグアイ原産タバコ・Ark Royal(アークロイヤル)。マイルドな風味と香しい煙が特徴で、バニラ、アップルミント・チョコレートなどのフレーバー系を多数揃えている。個人的にもたまに吸いたくなる一品。しかしフレーバーによってはかなり甘ったるい煙が充満してしまうので、飲食店とか公共の場では注意が必要。



 ……そう考えると知られていないが故に興味を持ったので、ささやかにウルグアイに関して調べてみることにした。


 まずは手始めに『地球の歩き方シリーズ』を図書館で借りてみたのだが、やはりウルグアイ単体では発行しておらず、アルゼンチン チリ パラグアイ ウルグアイという扱いのようだ。
 しかも紹介されているのはモンテビデオも含めて3カ所だけで、ページ数も中表紙を含めて30ページ弱という有様なのは、国の面積自体が狭いので仕方のないところだろう。ただ、パラグアイに至ってはカラーではなく2色刷りでしか紹介されていないので、それよりはマシな気もするが。
 

 というわけで次の手段として、ぼくはiPhone4という超最新鋭の端末を使っているのでウルグアイに関するアプリを探してみた。

 とりあえず有料アプリでは、そこそこごついガイドブックとかオンラインラジオといったものはいくつかあって、無料アプリではとりあえず現地のテレビ局が管理しているらしい「Subrayado」というアプリが見つかった。
 一応ダウンロードしてみたのだが基本的には現地のニュースが中心で、過去に放送したであろう番組の一部分を抜粋した動画を閲覧できるサービスはあったが、どれも何だか堅そうなインタビューやコメンテーターらしき人が一人でしゃべっているものばかりだったので、面白みには欠ける。
 それ以外には有料版ガイドブックのLite版とか現地の交通情報とか現地のテレビ番組表とか国旗当てクイズみたいなやつしか見つからなかった。

 そして、個人的に重宝しているJustin TVというUstreamのワールド版みたいなアプリではけっこう中南米の番組が充実しているので、ウルグアイ発信の番組もいくつかあるだろうと思って検索してみたが、いわゆる現地のちゃんとしたテレビ局発信のものはなさげで、恐らく民間人が趣味で発信しているであろうラジオくらいしか見つからなかった。何だかこういう状況が国の実情を表しているような気もするが、やはり他の国に比べて明らかにウルグアイの情報は少ない。


 ……そこでYOUTUBEで関連の動画を探してみることにしたのだが、さすが世界最大の動画共有サイトということもあって、けっこうな数の動画がアップされている。とかく便利な時代になったものだが、何だかここに来てようやく有益な情報を得た感じがするのは気のせいだろうか。

ウルグアイの首都・モンテビデオの街並み


 これ以外にもいくつか見てみたが、第一印象はなかなか良さそうなところである。私見では、特に中心部らしきエリアは前の旅行で訪れたサンフランシスコにどことなく景観が似ているような気がするが(サンフランシスコ旅行記はこちらを参照)、街並みはどこも近代的で美しいし、区画整理もきちんとされているようだし、衛生面でも行き届いているようだし、全体的に広々としているように思えるので、行ったら行ったでそれなりに楽しめそうではある。


 それに、モンテビデオではないが歴史を感じさせる古風な街もあるようだ。

南西部にあるColonia del Sacramento(=コロニア・デル・サクラメント)の街並み。ウルグアイで唯一の世界遺産らしい。


 そして、旅行といえば現地ならではの食文化も気にしたいところであるが、どうやらウルグアイは肉食文化が盛んのようだ。
 ウルグアイではAsado(=アサード)と呼ばれる肉の炭火焼きがソウルフードで、何かにつけて肉を食べるらしい。肉の種類も様々のようで、普通のステーキはもちろんのこと、Parrillada(=パリジャーダ)という各種肉類やソーセージ、内臓等の盛り合わせも人気を博しているようだ。他には、お国柄としてイタリアの文化も根強いためにスパゲッティなんかも人気とのこと。

 また、日常の飲み物はマテ茶が広く愛飲されている様子。個人的にはマテ茶というとペルーやボリビアといった標高の高い国の人が高山病対策に飲んでいるイメージを勝手に持っていたので、これもまたなかなか興味深い。

アンソニー・ボーディンというアメリカのシェフ&作家が、世界へ渡りご当地料理を食べ歩く『アンソニー・世界を喰らう』というグルメ番組より。因みに同番組では北海道にも訪れ、味噌バターラーメンやウニイクラ丼といった定番だけでなく歴史や文化も交えてアイヌの伝統料理も紹介したのは実に興味深い。その動画はこちら。


 こういう映像を見ると人間の本能もあってものすごく美味しそうに見えるが、今となってはカツ丼や牛丼には一切魅力を感じなくなり、鰹節をかけたぬか漬けと緑茶の組み合わせに至福を感じているほどおじいちゃんになってしまったので、こんな量の肉を出されても多分150gくらいで飽きてしまいそうだ。しかし、これもこれでなかなか興味深いではないか。


 こうなると、日本からウルグアイの行き方も知りたくなったので、早速わざわざ近所の旅行代理店に見積もってもらってみた。ここまで来るともはや冷やかしでしかないが、その時対応してくれた人はものすごく親切だったので、すぐにウルグアイへ行くかは別としても今後海外へ行くことがあったらこの人に手配してもらおうと思っている。

 ……というフォローを入れつつ色々聞いてみたところ、どうやら東京からだとフロリダ州マイアミ経由モンテビデオというルートが最短で最安値らしい。
 しかし最短といっても成田空港からマイアミまで15時間はかかるようで、更にマイアミからモンテビデオまで9時間、乗り換え時間とか出入国の手続きも入れればトータルで30時間弱はかかることになる。

 しかも、もっと言えば最低でも24時間は飛行機の席でじっと座っていなければならないということなるので、かなり苛酷な移動であることが予想される。個人的にニコチン中毒者だからということもあるが、これまでの経験上メキシコまでの距離でも苦行でしかなかったので、一人で行くには精神的にも辛すぎる。さすがにぼくの周りにはウルグアイに同行してくれるほどヒマも金もある知り合いはいないし、逆に南米旅行に興味があるようなヤツは既に放浪済みだから再び行くテンションはもう持っていないっぽいので、これもまた実に深刻な問題である。

 で、肝心の飛行機代はシーズンや為替相場によって多少の変動はあるものの、何だかんだで最低でも実費で25万円は見ておかないとダメなようだ。聞くところによると日本から直線距離で最も遠いところにあるがウルグアイらしいので、仕方のないところだろう。

 それにしても、25万円という額は非常にリアルである。単純に考えれば中小や零細企業で働く従業員の月給とほぼ同額ということを考えると、当然ながら気軽に「行くか」という気にはなれない。


 更に現地の物価を調べてみたのだが、どうやらウルグアイの物価は南米で最も高いらしく、相対的にも日本と大して変わらないようだ。
 まあ、宿に関しては安いユースホステルを使えばかなり節約できるかもしれないが、要は過剰な節約意識を持たない限りはスイスやロンドンを泊まりがけで観光する場合と同じスピードでお金が減るということになる。かといって、これまでの経験上旅行において過剰な節約ほどバカらしいことはないので、これもなかなかの死活問題である。


 しかもここで最大の問題は、“ウルグアイへ行く以上はウルグアイに行けさえすれば良いわけではない”ということである。何せ南半球に行くことは人生でもなかなかないので、せっかくそこまではるばる足を運んだ以上は単純に往復するだけでなく、ついでに近隣の国にも行っておかなければ後々後悔するに決まっている。

 モンテビデオからだったら飛行機で1時間もかからずにアルゼンチンのブエノスアイレスに行けるようなのでどうせならそこまで足を伸ばしたい。アルゼンチンは前から興味のあるところなので、近くに居ておいて行かないという選択肢はない。
 そして、仮にブエノスアイレスの土を踏んだとしたらせっかくなのでイグアスの滝とかチリのサンティアゴあたりにも行ってみたくなるだろうし、イグアスまで行ったらブラジルのサンパウロあたりにも足を伸ばしたくなるだろうし、サンティアゴに行ったら行ったでちょっと遠いがイースター島にも立ち寄らない手はない。さすがに場所が南米ともなると、“今回行けなかったところには次の機会に行こう”というわけにはいかないのだ。

 しかしながら、行動範囲を広げればその分費用と時間が発生するのは当然のこと。そうなるとトータルで40〜50万円くらいの予算は必要になってくるだろうし、滞在期間も最低2週間は必要であろうことを考えると、旅行資金だけでなく2週間仕事を放っておいても今後にも財布事情にもあまり影響を及ぼさない基盤を作る必要があるだろう。


 そして先の会話では、絶対に現実味を帯びないことは承知の上でビジネスの話も出たことなので、ついでに経済状況なんてのも調べてみた。
 
 何でもウルグアイの経済規模(GDP)は約2.8兆円らしい。(出典はwikipediaを参照)
 この数値を他の国や地域と照らし合わせると、メキシコの約2.5%東京の約3%オーストラリアの約6.7%ベトナムの約3分の1ルクセンブルクの約半分程度だそうで、日本では佐賀や徳島と同じくらいなのだそうだ(比較対象の出典はこのページを参照)
 要するにウルグアイという国を大ざっぱに言うと、経済規模然り知名度然り存在感然り「南米の佐賀もしくは徳島」ということだろう。



 ……兎にも角にも、色々調べてみると他の国に比べて明らかに情報が少ないことはわかったが、むしろ少ないが故に実際に行ってみて何があるのかを見てみたいという気持ちにはなっているので、もしこの先海外旅行をすることがあった時の渡航先候補に入れておくのも悪くない。



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tag : ウルグアイ モンテビデオ アークロイヤル ストイコビッチ セルビア アンソニー・ボーディン Anthony_Bourdain Parrillada パリジャーダ

You are Getting Old-かなりネガティブなはなし

サウスパーク SOUTH_PARK You are Getting Old



 かなり個人的なことだが、昔から『SOUTH PARK』というアメリカのアニメが大好きである。


 念のため説明すると、これは1997年からアメリカのコメディセントラルというテレビ局で放送しているアニメシリーズで、かわいらしいキャラクターとは裏腹に内容は完全に大人向けで、徹底的なまでにブラックでシニカルでエクストリームなギャグというギャップが受けて放送開始あたりは社会現象を巻き起こすほどブームになり、今や世界中で放送されているグローバルなコンテンツである。

 そしてその勢いは決して一過性ではなく現在もなお健在で、相も変わらずアメリカのメディアやカルチャーにおいてかなりの影響力を維持している他、当該のWikipediaは日本語も含めて約60の言語で紹介されているほどの人気と知名度を誇っている。

 更には、この春2013年の秋からはアメリカ本国で第17シーズンが始まる予定である。何でもアメリカのテレビ番組は視聴率にかなりシビアらしく、たとえストーリーが途中であろうと上昇の見込みがないと判断すれば容赦なく打ち切りにするという考え方のようなので、17シーズンも続いているとなれば立派な長寿番組と言っていいだろう。
 因みに日本では、過去にWOWOWで日本語吹替として第1から第7シーズンまで放送されていたが、その後はAXNでWOWOW版を再放送をしていたと記憶している。最近になってMTV Japanで第8・9シーズンのオリジナル日本語吹替版が放送されているようだが、残念ながらそちらは見たことはない。



 まあ、上述のとおりどのエピソードも概ね過激な内容ではあるし、テーマも社会問題や政治問題などシビアなものも多いので何かと賛否両論があるが、個人的には“この世で最も面白いものの1つ”と思っているし、作者であるトレイ・パーカーマット・ストーンの発想や、業界の圧力やタブーを一切恐れない姿勢、批判したい内容や意見をきちんと筋道立てて主張しながらもきっちりコメディへと昇華できるストーリー展開なんかは本当に凄いことだとも思っている。

 他には、大してというか殆ど英語はしゃべれないがリアルなスラングとか言い回しを聞けるところとか、元々作者の2人は別で音楽活動をしていたことや、トレイの方はあのバークリー音楽大学に在籍していた経歴を持つだけあってエピソード内のオリジナル挿入歌のクオリティが非常に高いこととか、かなり誇張はされているだろうが日常レベルのアメリカ人の価値観を垣間見えるところも好きな理由でもある。


 まあ、だからといって彼らのすること全てを盲目的に受け入れるつもりはないし、もっと言えば一連の内容を全て肯定することが正しいとも思っていないが、個人的には一回でも多く放送を続けて欲しいと願っている。



 そんな『SOUTH PARK』の作品の中に、『You are Getting Old』というエピソードがある。かなりネタバレになってしまうが、メインテーマは“成長による価値観の変化”となっている。

 主人公の小学生・スタンは誕生日を迎えてからというもの、今まで面白いと思っていた物事の全てがクソにしか思えなくなってしまい、確実に何かが変わっている自分に対しての戸惑いや葛藤に悩まされる。そのせいで性格も皮肉っぽくなり、何かにつけて文句や難癖をつけてしまう態度に友人たちからも敬遠され、孤立してしまう。
 そして彼の両親も同じ頃、「実は今まで幸せじゃなかった」と互いに本音を打ち明けたことで離婚を決意。スタンは母親に引き取られ、新しい住居で父親と離れて暮らすという家庭環境の変化も同時進行で描かれている。


 あくまで噂でしかないのだが、このエピソードが放送された頃はテレビ局との契約期間がちょうど終わる頃で、今までだったら延長するのが常だったものの作者自身が今後の『SOUTH PARK』の創作に意欲的でないとされていた。そのため、ファンの間では当該シーズンで本当に終わるのではないかという話も囁かれていた。

 尤も、終了の噂は今回に限らず以前にも何回かあったが、この頃のエピソードは明らかに過去のテイストとは異なり、見方によっては“ネタ切れ”ともとれるものが多かった。
 それに、今やトレイとマットは『SOUTH PARK』だけでなく映画ミュージカルの制作も手がけてどれも高評価を得ているばかりか、ミュージカルにいたってはエミー賞を総なめにしただけに、信憑性という点では以前よりも高いとされていた。

 そのためこのエピソードは、これからも今までどおり作品を作り続けるのか、はたまたここできっぱり終わりにして新たな道へ進むのかという作者自身の葛藤や心情をそのまま投影した内容とも言われていた。



 ……と、何故こんな前置きを長々と書いたかというと、喩え元がかなり大げさというか畏れ多い部分もあるが、現在の自分の心境がこの『You are Getting Old』に近しいからである。


 思い当たる大まかな原因は、今となってはこのブログで出てくる人間を含めてこれまでのメキシコの知人連中のほぼ全員と連絡しあう頻度が圧倒的に減っていることと、そのためか、ぼく自身がメキシコというか海外旅行全般に対して昔ほど食指が伸びなくなっているのだ。
 仮にぼくがメキシコに住んでいれば昔と変わらない間柄でいたかもしれないが、日本にいる限りはいつかこういう時が来るんだろうなとは前々から感じていたが、どうやら現在が“こういう時”だったようだ。


 とはいっても、完全に興味が失せているわけではない。
 できることなら生きているうちに色々な国へ行ってみたいし、またメキシコにも訪れたいという願望は少なからず常に持っている。
 しかしことメキシコに関しては、前から訪れてみたいと思っていた都市の大半へは何だかんだで訪れることができたという達成感と、知人連中との交流が減ったことでこれまでの渡航目的の一つであった“彼らに会いに行く”というモチベーションというか理由付けがかなり薄れてきているので、いずれ海外旅行をすることがあっても現時点ではメキシコが渡航先の第一候補ではないのは確かである。

 それに、今でも家にいる時はネットやストリーミング放送系のアプリを通じてメキシコのTV番組をBGV代わりにすることも多いし、同様にLIGA MX(メキシコのプロサッカーリーグ。詳細はこのページでの試合やルチャリブレ(メキシコのプロレス。詳細はこのページでなんかも可能な限りライブでチェックしては楽しんでいるし、このブログの留学記で書きたいことはまだあるし、留学記に限らずメキシコについて書くことは今後も続けたいと思っている。

 しかしながら現実的な問題として、年齢的にも社会的にも景気的にも今となっては衝動で長期間海外へ行くことはもはや不可能に近いということと、明確に行く予定もアテもない諸外国に対して思いを馳せているヒマがあったら、その時間を仕事や目の前のことに費やすべきという至極真っ当な思考に落ち着いているのも事実である。



 兎にも角にも、とりあえず知人連中と連絡が途絶えたことに関しては今に始まったことではなく予兆は前からあって、考えた限りでは要因は2つある。
 というか本当は4つあって、そのうちの1つは単純にここ最近のぼくの心境が全体的に捨て鉢気味であるということと、ぼく自身が人間のクズ野郎だからというのも思いついたが、あまりそういうことを自分から言うのも何だがアレなので、とりあえず2つ挙げてみる。



 まず1つは、前置きと同様友人連中も何だかんだで色々と変化しただろうということだ。

 少なくともぼくが初めて彼らと知り合った頃はみんな独身を謳歌していた若者だったが、今となってはその殆どが結婚して家庭を持つようになったり、仕事が忙しくなったり職場での立場が変わったりもしているので、自ずと優先順位が仕事や家族サービスに変わっているのは仕方のないことだ。
 当然ながら彼らにも新しい出会いや生活環境の変化はあるだろうし、それによって価値観や考え方が変わった者もいるだろう。日本以外の他の国や他のことに興味が移行したとか、日本そのものに興味が無くなった者とか、新たな趣味を見つけたとか。もちろん全員ではないが、大なり小なり昔ほどそういうことに時間を使うわけにはいかなくなったのは確かだろう。



 そして2つめは、ネット事情の変化である。

 基本的にぼくは彼らとコンタクトをとる際は、今さら古典的だとは認識しつつもMSNのメッセンジャーでチャットをするのがデフォルトだったのだが、Facebookの人気が出てきたあたりからほぼ全員がそっちに移行したこともあり、ここ最近ではメッセンジャー自体にアクセスする人口が減少傾向ではあった。


 そして先頃、遂にメッセンジャーのサービス停止とskypeとの統合が発表されたわけだが、それに伴って知人連中がすんなりskypeへ移行するとは思っていない。
 なぜなら彼らのほぼ全員は、skypeよりも身近で使い勝手が良いであろうFacebookを以前から恒常的に利用しているであろうことを考えると、ぼく以外の彼らのメッセンジャー仲間はFacebook上でもつながっているだろうから、メッセンジャーがなくなったからといってすぐさまskypeのアカウントを取得しなければならないというわけでもないだろう。実際にぼくも元々skypeのアカウントは持っていたのでとりあえずメッセンジャーのリストを移行して何度かログインしてみたが、今まで誰もオンラインでログインした形跡がないので今後も有効利用されることはないだろう。



 しかもここでかなりネックなのは、ぼくはもうFacebookを退会したのでFacebook上で彼らとコミュニケーションをとることができないということである。

 だったら退会しなければ良かったじゃないかという話になるし、もう一度アカウントを取得すればいいじゃないかということになるのだが、海外がどうだとかメキシコの知人連中がどうだとかいう以前に、ぼく自身の気質がSNSにまったく向いていないことがわかったので、結局やめた。

 とりあえず流行りモノということもあって手を出してみたが、そもそもぼくの場合は新しい出会いを求めるとか交流を深めるためというよりも、興味のあるミュージシャンとかスポーツチームの公式ページを登録することでそれらに関する情報が随時更新されるという利便性の方に重きを置いていた。
 しかしながら、結局のところぼくが登録していた興味のある対象のほぼ100%が洋楽のバンドとか海外のサッカーチームだったので、そこに更新される情報は全て英語もしくはスペイン語でしか書かれていないこともあって、情報収集という点でも決して有益ではなかったことも消極的になっていた理由の一つである。まあ当たり前と言えば当たり前の話で、発信する側には何も悪くないのは承知だが。



 そして肝心の交流についてだが、実際に触ってみても結局のところ、相手の国籍に関係なくネット経由で新しい知り合いを増やしたいとは思わなかった。

 これに関しては新しい出会いというものにまったく関心がないということではないのだが、例えば興味のある国の人間と知り合って意気投合したとしても、その人がその国に住んでいれば実際に会うことは難しいだろうし、知り合ったことでその国へ強烈に行きたくなるのも精神的にもよろしくなさそうという懸念が常に頭にあったということである。


 また、語弊があるかも知れないが、つながりのあった友だち連中は皆元気でやってると良いなとは常日頃から思ってはいるものの、だからといって彼らの詳細なプライベートや交友関係には一切興味がないので、彼らのつぶやきとかアップした画像に対していちいちコメントを書いたり「いいね!」ボタンを押すとか、誕生日にお祝いのメッセージを送るとか、彼らとつながっている見ず知らずの人のページにアクセスすることも皆無だった。きっと10年前にこれがあったらかなり積極的に活用していただろうが、このあたりも加齢によって価値観が変わったのだろう。


 そんなものだから、ぼく自身が近況やつぶやきとか最近撮った画像とかをアップしたことは一度もなかったし、経験上この手のコンテンツでは知られざる本音や考え方、賛同しがたい思想なんかが端々で垣間見えてしまうのも嫌だったので人のページは殆ど除かなかったし、退会前ともなるとログインも殆どしなくなった。
 結局のところ、最終的には全員のタイムラインは一切表示しないように設定したばかりか、ついでにぼくのページ自体も名前以外の要素は友だちでも一切見れないようにもした。

 要は、ブログだったら一方的に情報を発信して一定の自己満足と達成感を得て勝手にご満悦でいられるが、コミュニケーションだとかインタラクティブとかいう要素が重要視されるSNSとでは、共通点はハードがネットというだけでソフト自体はまったく異なるものということだろう。



 兎にも角にも、要はSNSというかFacebookの魅力や醍醐味を使いこなせない以上はアカウントを持つ意味がないのでいずれ退会しようとは思っていた。
 しかし実際に退会するとなると二の足を踏んでしまい、しばらくの間どうしたもんかと悩んではいた。

 つながっていたメンバーの中には仕事で知り合った人も含まれていたからというのもあったし、アカウントを消すことでメキシコの知人連中との交流が完全に途絶えてしまう危険性も考えられたので躊躇していたのだが、いつしか仮に途絶えてしまったらそれはそれで仕方ないと割り切れるようになった。

 ぼくとしては、こうして知り合ったからにはできる限り長く関係を維持したいとは思っているが、仮に退会を機に関係が終わるのであれば、彼らにとってぼくの存在や魅力なんてものはその程度でしかないというだけの話で、そうなると単純にぼく個人の問題でしかないという結論に至ったら、退会することに抵抗はなくなったわけだ。
 かなり受け身でネガティブな考え方であることは重々承知だが、とどのつまり、そう自覚したということもぼく自身の価値観や心境が変わったということでもあるだろう。



 因みに前置きの『SOUTH PARK』だが、『You are Getting Old』の半年後に放送されたエピソード・『Ass Burgers』では、相も変わらずスタンの目には全てがクソに見えて友人との関係も修復できないままでいたが、「前に進むためには時に大きく左折しなければならないこともあるけど、変化は新しいものをもたらすから受け入れる」と決意したことで、視界は今までどおりになる(※厳密に言うとそれだけではないが)

 しかしそんなスタンの決意(?)をよそに彼の両親があっさり復縁。
 話し合った結果、「子どもたちを思うと、これまでどおりコツコツ続けることがベスト」ということになって、結局は家族全員共々元の家に戻ることとなった。

 そしてそれに伴い友人との関係も修復。要は、色々あったけれど最終的には何もかもが元の鞘におさまり、今までどおりの生活が再開するというストーリーである。


 どうやら作者はコメディセントラルと契約延長に合意したようなので、このエピソードは今後も作品を創り続けることを選択したという作者の決意表明ともとれる内容だった。

【追記】英語版Wikipediaによると現在の契約は2016年までで、第20シーズンまで放送する予定だとか。出典はこのページとかこのページ(ただし両方とも英語)


 なので、もしかしたらぼくもまた価値観や考え方が変わり、また海外へのテンションが俄然高まったり衝動で旅行をしたりムダに情報収集をしたり、Facebookのアカウントを再取得することもありえなくはない。

 しかしそれが直近なのか相当先の話なのか、はたまた最後まで現在のままなのかは気分や場面次第だろうが、この一連の心境の変化は、成長したことによるものというよりも単にひねくれて捨て鉢になっているだけという可能性も否定しきれないので、実は自分でも本当にわからないでいる。








テーマ : メキシコ
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【閑話休題】一人旅のメリット・デメリット

 これまで何回か海外(というか要はメキシコとアメリカ)へ一人で行ってみたが、漠然と一人旅の良いところと良くないところを考えたので、まとめてみた。
 結論から言えば一長一短だが(実に便利な言葉だ)、漠然と頭に描くだけより文字におこせば視覚的にもわかりやすいだろうということで、思いついたことを並べてみる。
 
基本は順不同なので上位に挙がっているからといって深刻度が高いというわけではないが、とりあえず参考までに。



一人旅の良いところ・メリット】

●とにかく気楽
相手に気を遣うということがないので、どのグレードの宿に泊まろうが夜中までテレビを見ていようが、常識的な範囲内であれば文句を言われない。


●日程を自由に組める
どういうルートにしようが突発的に予定を変更しようが、行った先で何をしようが、何もかもが自分の思うままに行動できる。


●自信・度胸がつく
交通機関のチケットや宿の手配、目覚ましのセット、持ち物の管理、一日の予定づくり、訪問予定地の下調べや情報収集などなど、何から何まで自分でこなさなければならないので、何事もなく目的を遂行できた時は一人でやり遂げられたという実感が湧く。
それは自信や度胸につながるので、その後の行動にも落ち着いて応用できる。


●緊張感を持った行動が習慣づく
誰かに頼るということがない故に、ちょっとした油断や些細な判断間違いがその後の予定に大きく影響を及ぼす恐れがでてくるので、必然的に一つ一つの行動に対して慎重になり、気持ちが引き締まる。


●色々なことを肌で覚えられる

大小含めて突発的なトラブルの対処や現地の小さな習慣・作法などを、知識とか情報としてではなく体感・経験として覚えられる。この手の経験は国を問わないことも多いので、別の国に行った時も役立つ。


●物思いに耽る時間が多い
目の前のことやその日の感想だけでなく、旅行が終わってからすべきことや今後の身の振り方、旅行とは関係ない身近なことなど、実に様々なことを時には前向きに、時には課題として考えることができる。



●話のネタになる
特に海外旅行にあまり縁のない人に顛末を話すと、まず「一人で外国に行ったことがある」ということにけっこう食いついてくれたりするので、興味深く聞いてくれることもあったりなかったり。
また、これはあくまで私見だが、メキシコの体験談は他の国の体験談よりも食いつき度は高い気がする。
というのも、日本におけるメキシコの知名度や立ち位置はけっこう絶妙で、決して定番の観光地ではないが知名度はそれなりに高く、フランスやイタリアほどではないにせよ紀行番組でも定期的に取り上げられるし、ご当地料理・遺跡・マリアッチ・サルサといった文化や風習はそれなりに知られているし(多少なりともステレオタイプ的な思い込みもあるが)、何だかんだで個性が強いところなので、実は行ってみたいと思っている人がけっこういる。ただし、その手の話をしてもモテ度に直結することはまずない。


●旅先の住人と仲良くなれることも
別に一人旅に限ったことではないが、一人旅の方が確率が高い気がする…、ということで。
ひょんなことで知り合って意気投合し、そこに滞在する間は話し相手や食事の相手になってくれたり、ガイドブックには載っていないような現地の人しか知らない場所へ案内してくれることも。
個人的経験ではあるが、何だかんだで日本に興味を持っているメキシコ人は多いようで、自分が日本人ということで好意的に近づいてきてくれるケースがけっこうあった。
まあ、相手と話術次第ではその時限りのアバンチュールというかリゾート・ラブ的な展開もなきにしもあらずだろうが、大らかで情熱的な国民性だからといって貞操観念も同義とは限らないし、わざと友好的に近づいて旅行者を油断させてカモにしようと考えている悪い奴は多かれ少なかれどこにでもいるので、本心なのか作為的かの見極めは必要。
というか正直なところ、このページのように現地の可愛い双子ちゃんと仲良くなれたなんてことはある意味奇跡なので、都合の良い妄想ありきでの行動はしない方がベター。




一人旅のあまりよろしくないところ・デメリット】


●頼れる相手がいない
上記のとおり、全てのことを自分でこなさなければならないのはメリットでもありデメリットでもある。
個人的には経験したことはないが、仮に旅の途中で全財産を盗まれたなんてことになっても同行者が無事であれば何とかなるかもしれないが、一人だと確実にゲームオーバーになってしまうので同行者がいるにこしたことはない。


●話し相手がいない
特に飛行機や長距離バスでの移動中、乗継ぎの待ち時間、宿の部屋の中は致命的。
運が良ければ隣の席の人や宿泊先の別の客と仲良くなれることもあるが、確率はそんなに高いとは思えない。


●殆ど何もしゃべらない日がある
いくらメキシコ人は気さくで人懐っこい気質といっても、全てにおいて積極的に話しかけてくるわけではない。
日によっては、「●●までいくら?」「チーズバーガーセットで。ドリンクはスプライト」「マルボロのメンソール1つ」「今夜部屋空いてる?」「この近くにコンビニある?」「わかりません」といった事務的な言葉しか発しないこともざらにある。


●確実にヒマを持て余す時間が出てくる
全てにおいて気分次第で行動できてしまうので、行った先ですることがなくなってしまい、これといって時間をつぶすアイデアが浮かばなくなることもしばしば。
結果、ネットカフェで長時間だらだらと過ごしたり宿泊先で惰眠を貪ったり、携帯ゲームに長時間興じてしまうことも。


●アゴ・アシ・マクラは何だかんだで割高
アゴ:メインディッシュ以外にサイドディッシュを頼んだ結果、想定以上に量が多すぎても相手と分けるといったことができないし、その分の料金も100%自分に返ってくる。

アシ:バス代や飛行機代、観光施設等の入場料あたりは一人あたまの価格設定だから仕方ないとしても、複数人での行動だったら可能なタクシー代や食事・ルームメイクのチップ等の割り勘はできないので、その分費用はかさむ。

マクラ:宿のグレードに関係なく、どうしてもツインよりシングルの方が単価的に割高になってしまう。
ただ、値段だけを見ればユースホステルの大部屋を利用すればだいぶ安くすむが、相部屋が前提なので誰が同じ部屋に泊まるかは未知数なのがネック。
運が良ければ後の行動を共にしたくなるほど気の合う人が泊まるかもしれないが、運が悪ければマナーも性格も態度もどうかしているようなゴロツキ集団が来てしまうことも普通にありえるので(個人的な経験ではフランス語圏の人種に多い)、ギャンブル性が高い。


●堪能できる娯楽の選択肢が狭まる
個人差はあるだろうが、一人で参加するにはちょいと気恥ずかしいような場所や催しなんかは敬遠しがち。
例を挙げると、カンクンやアカプルコ、ロス・カボスといった海沿いの人気リゾート地あたりの日帰りツアー、ダイビング、シュノーケリングといったマリンスポーツ全般、ゴルフ、移動遊園地、地域のお祭り、生演奏やダンスを堪能できるようなこじゃれたレストランやバー、ディスコなど。まあ、個人的にはディスコはハナから選択外なのでどうでもいいが。


●公共施設の利用に難があることもしばしば
特に長距離バスでの移動の時が顕著。
誰かに荷物を見てもらうということができないので、常に手持ちの大きな荷物を引きずらなければならない。
具体的なケースとしては、ターミナルのトイレを利用する時、敷地内の店をウインドーショッピングする時、食堂を利用する時、キオスクで買いものをする時、外でちょいと一服する時なども、いちいち大きなトランクやリュックを持ち歩かなければならないということだ。
大きいバスターミナルであれば荷物一時預かり所みたいな設備はあるが、当然ながら有料だし24時間営業というわけではないので使い勝手は悪い。


●悪い人にロックオンされやすい
場所にもよるだろうが、どこであろうと一人で行動している外国人というのはどうにも目立つし、ましてや大荷物を抱えているともなればなおさらである。
しかも、無勢である以上はどうしても悪い輩(たち)から絶好のカモ扱いされてしまうことは避けられないだろう。




テーマ : 海外旅行
ジャンル : 旅行

tag : 一人旅

双子ちゃんのたちのその後

#23 グアナファト-トンネルの先にあったもの
#24 グアナファト-〈今度こそ〉立った! フラグが立った?
#25 グアナファト-メキシコで最も永い一日(前編)
#26 グアナファト-メキシコで最も永い一日(後編)



 上のページでは、この旅行記で訪れたGuanajuato(グアナファト)にて偶然知り合った双子ちゃんの話を書いた。

 向こうの人生からしてみれば、ドラクエで言うところのプラチナキングくらいレアらしい日本人があらわれたということでぼくらは仲間になり、帰国後も多少なりとも連絡を取り合ったのだが、実際にはほんの数回メールやチャットをしただけで、ある日を境に向こうから連絡が来なくなっていた。
 ぼくもこれまでの経験上、旅先で偶然知り合ったネイティブなり日本以外の外国人というのは、仮に連絡を取り合ったとしても向こうが飽きたらあっさりと連絡をよこさなくなることはざらにあったので、ぼくからも特に催促することなく放っておいたまま時間が過ぎていった。



 そして時は流れ、去年のとある夏の日こと。

 もうとっくに退会したが、当時はまだ何となく活用していた自分のFACEBOOKに見知らぬ女性からメッセージが届いたことがあった。

 プロフィールを見た限りでは北米の某所に在住しているという東南アジア方面の国籍の方だったのだが、プロフィール画像も貼っていなかったばかりか部外者はページをのぞけない設定にもなっていたし、そもそもそっち方面に知り合いは1人もいないので心当たりがない。
 もしかしたら見知らぬ人でもつながっていた友だちの友だちという可能性もあったが、ページをのぞけない以上は確認のしようがない。
 
 まあ、それまでに何回か見知らぬ外国人からメッセージや友だち申請みたいなものが届いたことはあったが、その大半は誰でも良いから単純に自分の友だちの数を増やしたいだけっぽい人がたまたまぼくのページを見つけて申請したとか、何か得体の知れないサイトのリンクを貼っているだけのような怪しげなものもあったので、それを受け取った時はやはりそれもそんな類だろう思い、黒ヤギさんよろしくろくすぽ読まずに削除ボタンクリックしようとした。

 しかしよくよく読んでみるとそこに書かれている言語は英語ではなくスペイン語で、冒頭には双子ちゃんBと思しき名前が書いてあるではないか。
 確かにメキシコ人というか、キリスト教圏内の名前はバリエーションが少ないので同姓同名の別人という可能性もあったが、少なくともプロフィールの国籍や居住地とは合致しないので本当に双子ちゃんBなのかも確認することもふまえてメッセージを返信したところ、割とすぐに返事が返ってきた。

 やはり送り主は双子ちゃんBで、ぼくの名前を検索して送ってくれたことが判明した。



 そしてそれを機に、またやりとりが復活することとなった。
 
 その時は主にFACEBOOK上でやり取りしたのだが、話題は主に向こうの近況だった。

 何でも、片割れである双子ちゃんAの方はあの“日本のアニメが大好きだから日本でアニメーターになりたい”という夢を持っていた当時の彼氏と結婚し、既に娘を授かったようだ。
 当時の2人の年齢から考えるとお互い20歳そこらで家庭を持ったことになるので、とかく田舎のメキシコ人の結婚は早いものである。
 とはいえ、双子ちゃんBから聞いた結婚のタイミングと出産時期を計算すると100%デキ婚なのだが、めでたい話には変わりない。

 そして彼氏の仕事は忘れたが、というかヤツがどんな仕事に就こうがどんな人生を送ろうがまったく興味はないのだが、とりあえず地元の会社だかショップだかで働いているようなので、アニメーターになる夢は捨てて地道に生きることにしたのだろう。

 少し余談になるが、実を言うと「アニメーターになりたい」と相談された時に「AdobeのFlashでも覚えて作品を創ってyoutubeにでもアップしろ」と適当なアドバイスをしたのだが、本当はこう言いたかったことを思い出した。

  • アニメーターに限らず大きな野望を持つのであれば、まずはこんな人口10万人程度の片田舎でしかないグアナファトに留まらないで、さっさと大都市に引っ越して同士を探せ。
  • グアナファトから一番近い大都市はグアダラハラだろうが、やはり人口と都市の規模を考えればメキシコシティの方が良いに決まってる。
  • そして出会った仲間と作品を創るなりプロジェクトを立ち上げて地盤を築けば、夢はさらに近づくことは明白だ。
  • とはいっても今の君の財力ではすぐにできることではないだろうから、まずはしっかり働いて貯金しろ。
  • それに、双子ちゃんAという彼女がいる以上は彼女の気持ちも考えなければならないだろうから、行くと決めたら一緒に連れて行くか別れるかを決断しろ。


 まあ、実に偉そうで他人ごとならではのアドバイスだが、万が一にも真に受けて実行でもしたら責任が持てないし、それこそこれを機に2人が別れるなんてことになったら面倒なことになりそうだったので言わなかったのだが、結果的には心にしまっておいて正解だったのだろう。
 尤も、そもそもこんな長文をスペイン語で言えなかったことと、それ以前にそんなアドバイスをする筋合いではないというのも大きいのだが。


 ……まあそれはそれとして話を戻し、送り主である双子ちゃんBの方は既にあの時のモールの接客仕事は辞めたようで、その時はベビーシッターをやっていると言っていた。
 いかにもメキシコらしいバイトだなと思いつつも、個人的に持っていたメキシコにおける“ベビーシッター”とは、本当かどうかは別としても「高所得ではない層の人間か、諸事情であまり勉強に集中できない人が仕方なくやる仕事」「雇用主は確実にガチガチの富裕層か、社会的地位の高い層の人間」「それでいて給金は激安」という固定観念があったので、あまり詳しくは聞かなかった。

 そして彼女がFACEBOOK上で国籍と居住地と偽っている理由を聞いたところ、「あまり自分の素性をネットに公開したくないから」とか言っていた。
 「じゃあ、何でSNSやってんだよ?」と言いたかったが、あれだけ自己主張が激しいメキシコ人にしては異例とも言える控えめな気質に新鮮味をおぼえたことと、ぼくもあまり人のことは言えなかったのでこれまたそれ以上は聞かなかった。 

 あとは、麻薬マフィアの抗争が予断を許さない中でもグアナファトは特に被害は無いから比較的安全だとか、日本のことを知りたいというのでyoutubeにあがっていたぼくの住まいの近くを撮影した動画を紹介したら、大層興味をもってくれたりもした。


 しかしそれも長くは続かず、1ヶ月も経つと連絡はまた途絶えることとなる。

 少なくとも彼女の家にはPCが無いようだったので毎日ネットができる環境ではないことはわかっていたが、その間にぼくはFACEBOOKも退会してしまったし、FACEBOOKの前に活用していたMSNメッセンジャーもサービス自体がskypeに移行してしまったし、このページにもあるように加齢と共にメキシコへの執着が薄れたので、特に気にとめることなくまた時間が過ぎることになる。



 そして時は更に流れ、1年近く経過したつい最近のこと。
 ぼくのPCメール宛に、唐突にまた彼女から連絡が来たのだ。

 実を言うと個人的な事情でメールアドレスを変えることになり、あくまでも“どうせ返事なんて来ないだろうけど、一応教えとくか”というテンションで一斉送信の中に彼女にも送ったのだが、まさかまた来るとは思っていなかったので少々驚いた。


 しかも、今回は今までと様子が違う文面だった。
 冒頭こそ「久しぶり!」とか「元気だった?」といったようなありきたりな文面だったが、端々に「あなたの声が聞きたい」とか「あなたの写真を送って!!」とか、挙げ句の果てには「私の携帯の番号を教えるからすぐにでも電話して!!」と書いてあるではないか。
 

 ははーん、さては本当にホの字だな、コノヤロー!と確信したぼくは、久々に国際電話をするという行為も悪くはないとも思ったので容易に捕まりそうな時間を選んでわざわざ電話してみた。

 向こうの携帯電話の機能はわからないが、おそらく着信画面には日本の携帯でいうところの「通知不可能」みたいな見慣れない表示が出たのだろう。第一声はかなり警戒した様子だったが、相手がぼくとわかると彼女は高いテンションで受け入れてくれて、「ずっとあなたの声が聞きたかったの!」とか「私たちが初めて会った時のことを覚えてる?」といった、何かを含んだ甘い言葉を連発するではないか。


 かなり気を良くして久方ぶりの語らいに花を咲かせようとしたものの、よくよく聞いてみるとどうやら彼女も最近地元の男と結婚したということを教えてくれた。

 このブログの旅行記の頃のぼくだったら確実に「話が違うじゃねえか、この○○○○○が!」と毒づいていたところだが、さすがに彼女と残りの人生を共有するなんて微塵にも思っていないし、単純にめでたいことではあるし、この喜びをぼくにも伝えたかったのだろうと考えると悪い気はしないものだ。

 しかし、いくらお国柄の違いとはいえ今や所帯持ちになってしまったことを考えると、好意的に受け入れてくれること自体は嬉しいまでも一連の甘い言葉の数々は古着屋の店員が言う「お似合いですよ」に近い感じがしたのはぼくがひねくれているからだろうか。


 ……とまあ、その時は何だかんだで20分くらい話したのだが、なぜか途中で電話が切れてしまったのでかけ直したものの結局つながらなかったことと、いくら安くなったとはいえ国際電話代もバカにならないのでそのままほったらかしにしたのだが、それから数日後のことだ。

 前回彼女にメールを送った際はフッタに携帯メールのアドレスも記載していたので、それにも目を通してくれたのだろう。
 ぼくの携帯電話のメール宛に「今からFACEBOOKでチャットしない?」という内容のメールを受け取った。

 お誘いとしてはありがたいが、ぼくはもうとっくに退会したことはもちろんのこと、いずれ退会するということはこれまでのやり取りで何回も伝えているのだが、どうやらそんなことは覚えていなかったらしい。
 というか、彼女がどれだけの友だちとつながっているかはわからないが、仮に数十人程度であればリストを見てもぼくの名前が見つからないことは一目瞭然だろうし、もっと言えば退会してもう半年以上経っているにもかかわらずまったく気づいていないというのもいささかアレである。


 しかもそれ以上に問題なのはそのメールを送ってくれた時間帯である。
 送った時のメキシコは夜の9時くらいだったかもしれないが、こっちはバッチリ平日の午前中ということだ。
 どうやら彼女には、日本とメキシコでは15時間の時差(※サマータイム期間は14時間)があるということも知らなかったようなのだが、よくよく考えれば彼女たちというか双子ちゃんBは、ぼくがこれまでに知り合ったメキシコ人の知人連中と同じ扱いでくくっていはいけないということに気づいた。


 というのも、これまでにメールや電話等で連絡を取り合うような仲までに発展した現地の知人というのは、やはり日本に興味があると公言していただけに日本に関しての予備知識をそれなりに持っていた。
 もちろん人によって量は様々だが、例えば片言でも日本語を勉強しているとか、実際に行ったことがあるとか、現地仕様とはいえ日本食を食べたことがあるとか、日本人のメンタリティといったものを能動的に吸収しているので、こちらとしては接しやすい部分はそれなりにあった。

 しかし、私見や推測も含まれているものの、双子ちゃんたちは日本や日本人に対して好意的なイメージは持っているのだろうが、だからといってネットとかで能動的に調べている様子もなく、“どうやら日本という国はとても豊かで先進的で、メキシコからはとても遠くて何かと不思議なところ”という平均的な知識しか持っていないのだ。
 たとえるならば、メキシコに大して興味のない日本人におけるメキシコに関する知識は、“暑くてそこかしこにサボテンが生えていて、テキーラとタコスが美味しいらしい”くらいしかないようなものである。

 要はぼくなりに解釈している彼女は、良くも悪くも“どこにでもいるありきたりのメキシコ人”である。
 

 そういえば前に彼女から、

「日本からメキシコはバスで何時間くらいかかるの?」


 と、ジョークではないトーンで聞かれたことがあった。


 よくよく考えなくても荒唐無稽だが、実は、この質問は日本人がメキシコを旅行した時に現地のメキシコ人からよく聞かれるという定番だということを何となく聞いたことがあった。
 メキシコはかなりの車社会であり、特に富裕層ではない層の人が遠出するとなれば移動手段は長距離バスか自家用車と相場が決まっているし、実際に陸路だったら平気で24時間以上かかるような距離の路線も普通に運行している環境だからこその疑問だったのだろう。
 
 初めてそれを聞いた時は「いくらメキシコ人でもそんなこと聞くヤツなんかいねえよ!」と思ったし、実際に彼女から聞かれるまでは一度も聞かれたことがなかったが、要は彼女は“そんなことを聞くヤツ”だったのだ。

 尤も、「日本は島国だからバスじゃ行けないし、行けたとしても遠すぎる」と答えたら「は! そういえばそうだ!」とすぐに笑いながら訂正したが、聞いた限りでは彼女の家庭環境も決して裕福とは言えないようだったし、そもそも彼女たちは産まれてからというもの、外国はおろかグアナファトからもまともに出たことが無いらしいので、素朴な疑問として聞いたのは仕方のないことかもしれない。



 そんな環境で生きているからか、彼女の人生の中におけるぼくの存在というのは、遙か彼方の国の人間というよりは「日常における非日常の存在」なのではないかと思うようになった。要は、ドラえもんとかケロロ軍曹のようなものである。

 実際に一度だけ「日本のグッズが欲しい」というので、かまってくれたお礼として帰国後に女性向けのファッション誌とか扇子とかを送ったことがあった。
 日本は全てにおいてメキシコより進んでいることを考えると、未来の世界から未来の道具を与えたとも言えなくはないのでドラえもんともいえなくはないが、基本的にぼくは大食いではないもののこれといった芸は持っていないので、むしろオバケのQ太郎みたいなものだろう。


 因みに先のFACEBOOKでチャットをしようというメールを受け取ったとき、「もうFACEBOOKはやってないんだ。ゴメン」と返信してから連絡は来ていないが、件の電話ではぼくが思いの外スペイン語を忘れていたことに加えて通信状態もあまり良くなかったこともあって今まで以上に会話が噛み合わなかったので、場合によってはこれで本当に縁が切れるのではないかとも思っている。
 もしかしたら間違って覚えた単語や言い回しを使ったことであらぬ誤解を招いたかもしれないし、FACEBOOKをやめたのも彼女との電話が切れたのもぼくが勝手に切ったと思われても不思議ではない。

 そんなに心配だったらぼくの方からメールをすれば良いだけの話だが、今や独身ではない異性に催促するのも何となく気が引けるのは確かである。

 まあ、旦那がどういう人間だかは知らないが、ステレオタイプ的なお国柄を考えればその程度のことで嫉妬することもないだろうから送っても問題は無いと思うが、これからもコンスタントに連絡を取り合ったところで彼女たちに再び会う可能性はもとよりメキシコに再び行くことがあるのかすら未知数ということを考えると、こっちからメールするのも乗り気がしないのも事実である。


 仮にこれを機に完全に縁が切れたら確かに残念ではあるが、別にそうなったらそうなったで仕方ないとも思える部分も少なからずあるので、生活や仕事に支障がない程度にどうしたもんかと悩んでいる今日この頃だったりしている。




テーマ : メキシコ
ジャンル : 旅行

tag : グアナファト Guanajuato FACEBOOK 双子ちゃん

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ルチャリブレがきっかけでメキシコに興味を持つ。
20世紀末、突然そのことを思い出しメキシコへ。民間の語学学校で言葉を学びつつ、運の良さも手伝って浮世を忘れるほどの生活を満喫。
以降も帰国してはお金を貯めては渡墨し、また帰国してお金を貯めては渡墨ということを繰り返していたら、社会のレールから脱落したので日本に落ち着く。
しかし先日、わけあって現実逃避もかねてまた渡墨。今回の日記はそのときのもの。

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