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メキシコでFACEBOOKが流行る理由を勝手に推測した

 今さら強調して書くことでもないが、世界レベルでのFACEBOOKの人気が凄まじい。何でもユーザー数が2010年現在で5億人以上で、その中でもヘビーユーザーが3割だとしても、実に1億7千万もの人々が日々活用していることになるのだから相当大規模なサイトである。

 ご多分にもれずメキシコでも他の諸外国同様、Facebooは大人気である。恒常的にネットを活用している人の殆どは登録していて、更新もけっこうな頻度で行われている。日々のことをコメントしたりユーザー同士でチャットをしたり専用アプリを楽しんだりと、実に様々な方法で活用している。更新に比例して各々が持っている友だちの数も概ねけっこうな数で、一般人でもざらに1000人単位のお友だちの保有していたりもする。実際ぼくが現地を旅行したときには何度もネットカフェを利用したが、どこのカフェでもその時にいた大半の客はFACEBOOKを利用していた。ヘビーユーザーという点では清水國明ばりである。
 
 因みにぼくもユーザーなのだが、きっかけは誰かから招待状めいたメールを受け取って、バカ正直に自分の個人情報を入力していたらいつの間にかユーザーになっていた。
 そして積極的にトモダチ探しをしているわけではないのに、気がつけば5歳児くらいが数えられる程度の数のユーザーが友だちリストに入っている。勿論その内訳の殆どは面識のある人、或いはその人の友だちなのだが、中には全く面識のない人からマイミク申請的なメールを受け取って、何も考えずに「はい」をクリックしたら勝手に友だちリストに入っている異邦人の方もいる。その手の人は外国文化に興味のある外国人で、「よくわかんねえけどとりあえず外人みたいだから入れとくか。どうせ実際に会うわけでもねえんだから、入れといても大した害はないだろうし」という程度なのだろうが、これもひとえにユーザー数の分母が多い故の数値だろう。

 尤も、ここでぼくがやることと言えばせいぜい気に入っている画像をプロフィール欄に使ってみたり、興味のある対象の情報を収集する程度だが、うわべながらも一通りFACEBOOKのできそうなことや機能をいじってみて、“こりゃ、世界で流行るわな”と勝手に思った次第なので、主観を含みつつ若干理屈が破綻していて、しかも既に大半の人が指摘しているであろう「あくまでメキシコでFACEBOOKが流行っている理由」を勝手に書いてみる。


 まず思いついたのは、“夜の在宅率”である。
 基本的にメキシコという国は治安が良くない。最近では一般人を巻き込んだ麻薬マフィアの抗争が社会問題化し、治安悪化に拍車がかかっているエリアもあるが、それを差し引いても強盗やスリは慢性的に多いし、警察もさほど頼りにならないので、それこそうかつに夜の一人歩きでもしようものなら何をされるかわかったものではない。日本みたく「今夜は涼しいから運動がてら1時間ほど外をジョギングするか」というわけにもいかない。
 それに、どこのエリアも繁華街とその周辺以外は大した娯楽もない田舎なので、いくら呼び出されたからといってもそういったところに気軽に出かけられない事情もあるだろう。

 もちろん場所や環境によって差はあるものの、基本的には一定の時間帯に一度家に入ったら朝まで外に出ることはないのだが、かといって家での夜の過ごし方は限られる。テレビや読書も悪くないだろうが、どうせなら友だちなり恋人なりと語らって楽しい時間を過ごしたいところだろう。しかし電話となると電話代がかかるし、一度に複数の人間とコミュケーションはとれない。となると、お金がかからずに身近な多くの人と同時にコミュニケーションがとれるFACEBOOKを開くのは自然の流れだろう。これこそが「風が吹けば桶屋が儲かる」の理屈だろう。


 あと思いついたのはメキシコ人のメンタリティで、彼らは“楽しいことや印象深いことを記録することが大好き”で、“それを人に見せるのも非常に好き”、そして“そういうのを見るのも大好きな民族”という印象を持っている。
 これはあくまでもぼくの経験だが、ぼくが訪れたことのある知人連中の家には例外なく自分に関連する人物の写真を飾っている。一家全員が揃った写真とか亡くなった家族の写真、友だちとの仲睦まじいショットなどが飾られている光景を見ると、「いつも首からカメラをぶら下げていて、ちょくちょくそこら辺を撮っている」という日本人のステレオタイプ像以上に、“思い出を記録する”という点においては彼らの方が執着心が強い。

 で、FACEBOOKではかなりの数の画像がアップできることもあってか、ぼくの友だちリストに入っている異邦人の方々は、概ね100枚単位もの画像をアップしている。写真の内容はどれも似たような感じで、最近参加したであろうパーティにておどけたポーズで写っている写真とか旅行先での記念写真、スポーツ観戦中の1コマ、恋人と熱いキッスを交わしているという実にハレンチで神を冒涜したような罰当たりな写真ばっかだが、それらに対して「楽しそうだね」とか「その服どこで買ったの?」みたいな好意的なコメントが多数書かれているところを見ると、きっと彼らはこういう写真を積極的にアップし、それについてのコメントをやりとりすることがコミュニケーションの一つとして定着しているのだろう。この機能は彼らのニーズにかなりマッチしているといえる。

 まあそれ以外にも、「海外に目を向ける外人の比率が高い」とか「ハグとか挨拶のキスをする風習のあるエリアの人間は概ね寂しがり屋なので、常に誰かと繋がっていないと不安になる傾向がある」とか「mixiやTwitter同様、友だちやフォロワーの数が多い方が偉いという風潮がある」とか「その中でも多くのベッピンさんを保有することが特に偉いということになっている」とか「本気で彼女を見つけようとしている輩が多い」とかいろいろ思うことはあるのだが。



 ……因みに書いてて前述のFACEBOOKに加入したきっかけを思い出したのだが、そのマイミク申請的なメールの差出人は全く面識のないアルゼンチン人だった。別にスパムメールの業者でもハッカーでもなさそうなのに、どのようにぼくのアドレスを知ったのかは謎である。

 ウォールやプロフィールを見た限りだとその人はかなりのフェイスブック中毒のようで、かなりの頻度でウォールに何かしらの情報を入れているし、友だちの数も2000人以上いるし、入っているコミュニティの数もかなり膨大で、600枚近い画像をアップしているようなスーパーヘビー級のユーザーある。しかも最近気づいたのだが、その人はいつの間にかぼくの友だちリストに入っている日本人ともしれっと友だちになっていたことが最近判明した。

 そしてぼくがチャットにログインすると、時間帯に関係なくほぼ100%の確率で向こうもログインしている……、というか正にこれを書いている今もバッチリログイン中なのだが、未だにお互い会話すらしたことがない。向こうから話しかけられたら相応の対応をしようとは思っているのだが、FACEBOOKに加入からかれこれ数年経つにもかかわらず、未だに話しかけられたことはない。

 なので、能動的にその人のページを覗くことはあっても、この先チャットをすることも、最近新たに入れたと思われるタトゥーの画像に「いいね!」をクリックすることも、ぼくのアドレスを知った経緯を聞くこともないだろう。そもそも、2000人もの友だちがいることを考えると、ぼくに招待状を送ったことなんかとっくに忘れてそうだし。




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テーマ : メキシコ
ジャンル : 旅行

tag : FACEBOOK アルゼンチン人

メキシコ人の肥満率は世界で2位らしい

国別の肥満率の一覧
※クリックすれば多少大きくなります。


 資料自体は大して新しくはないそうなのだが、先日こんな画像を見つけた。

 要は国別の肥満率をわかりやすく記号化した資料で、1位は大方の予想通りアメリカ人が世界最大の肥満国で、国民の3割近くが肥満体であるとされているようだ。
 そして日本人は平均3%と、我が国の食文化の素晴らしさが世界に証明された統計である。


 で、メキシコ人は堂々の2位である。

 確かにメキシコ人は男女問わず、ガッチリした体格の持ち主が多い。
 そもそもメキシコの場合はどこも標高が概ね高く、アメリカ寄りの北部エリアで1000m、 メキシコシティ周辺の中央部が大体2000mくらいなので、海沿いのエリア以外はどこも空気が薄い。
  何でも、空気が薄い環境で生活すると本能で少しでも多くの酸素を取り入れるようになるらしく、その結果肺が大きく発達するので必然的に胸板が厚くなるとい う。その上平均身長も日本人より低いこともあって、余計にずんぐりに見えるという側面もある。確かにサッカーのメキシコ代表の選手は、皆身長こそ低いもの のフィジカルはかなり強く、割と体格の大きい相手からハードなマークを受けてもちょっとやそっとじゃ倒されない印象があるのは、このような環境で生活している故の成果なのだろう。


 まあ、何をしてガッチリというのはどうしても主観になってしまうが、先天的な体格や生活環境を差し引いても、外に出ると、

barney

 とか、

gabra


 みたいなのが多いということだ。

 それでいてそういう人に限って着てる服がヘソ出しだったり、たまに顔だけならモデル級だったりするので大きなお世話ながら「もったいねー」と思ったりするものだから、とかく異国の文化というものはひとくくりにできないものである。
 勿論スレンダーな人もそれなりにいるが、それは若い世代に集中しているだけで、年配層以上の世代の人間でスレンダーな人は、それこそテレビに出ている俳優さんくらいしか個人的には見たことがない。


 尤も、こうなったのは一つだけでなく様々な事情や環境が重なった故の結果なのだろうが、自分なりに思ったところは、この国の食生活による影響が大きなパーセンテージを占めているのだろう。

 基本的にメキシコの食べ物は概ねカロリーが高い。もちろんヘルシーなメニューもそれなりにあるが、肉、油、チーズ、クリームあたりをふんだんに使う料理も多いし、ハンバーガーやピザといったアメリカ発のファストフードも国民食として浸透している。

 その上、一人前の量が確実に多い。
 メキシコでは一日の食事で最もがっつり食べるのは昼食ということもあってか、どこの食堂もComida Corrida(=コミーダ・コリーダ)という日本でいう定食みたいなセットメニューを提供するだが、どこもセットの種類が豊富な上に、各々の量は「よっしゃ、さあ食うぞ!」くらいの決意が必要なくらいのボリュームだったりする。それでいてデフレや価格競争の影響もあって、大衆食堂ともなれば地元民ですら安いと思うほどの設定の店が多いらしいのだから、そりゃあ食いまくるはずである。

huevos rancheros
例えば、こんなのとか。
huevos rancheros(=ウエボス・ランチェーロス)。朝食によく出されるメニューで、トルティーヤに挽肉、目玉焼き、チーズ、サルサソースという内訳。



 そして、お菓子類の味付けも総じてカロリーが高い。
 ポテチやドリトスといったスナック菓子は日本のより脂っこいし、ピザとかバーベキュー味みたいなフレーバー系の味付けもかなり濃い。
 ケーキやアイス類も甘さ控えめという概念が日本よりもけっこうなレベルで希薄なので、どれも歯がきしむほど甘い。そして他の諸外国同様“原色=おいしそう”という色彩感覚が影響してか、どれも着色料を贅沢に使っている。

youtubeで見つけた現地のドリトスのCM。どうやら向こうの女性は高級ブティックで買い物をするときにはドリトスが欠かせないらしい。というか、パーティはともかく美女と高級ブティックをドリトスにつなげるあたりは日本人にはない発想だ。2010年版。



 更に、飲み物のカロリーも概ね高い。
 ここにもちらっと書いているが、基本的に彼らは世代に関係なくコーラやスプライトを毎日飲まないと生きていけない人種である
 前に某知人が日本とメキシコの国際交流的なイベントの仕事を手がけたことがあったらしく、招待したメキシコ人たちをもてなすパーティを催した際に、ソフトドリンクとともに良かれと思ってウーロン茶や緑茶も多数用意したらしいのだが、終わってみれば「どいつもこいつもコーラとかQooばっか飲みやがって、お茶類なんか誰も見向きもしねえから余りまくった」とボヤいてたくらいである。


 これに関しても、勿論ローカロリーのものは出回っている。ミネラルウォーターやダイエットコーラ、カロリーオフのフルーツウォーターなんかも普通に手に入るが、味が薄いという理由で売れ行きはイマイチだとどこかで聞いたことがある。どうやら彼らにとっては「薄い=おいしくない」という味覚なのかもしれない。


【追記】
 ただしこれは単純にそういう嗜好を馬鹿にするわけにもいかないようで、メキシコの場合はソフトドリンクの方が水より安いこともあるので、貧困層にとっては単なる嗜好品ではなく重要な栄養源の一つという側面も少なからずあるようである。

少々古いが、けっこう出回っている「DERAWERE PUNCH」というソフトドリンクのCM。味はグレープ系だが、カルピスの原液ばりに甘かった記憶がある。何故ホラーテイストなのかは知らない。



 あまつさえ、ソフトドリンクだけでなくビールの消費量も高い。コロナビールに代表されるような軽めのビールが多数出回ってることばかりか、メキシコはどこも気候が良いので上記のような料理やスナックをツマミに飲もうものなら1本2本で終わるはずもない。
 それでいて彼らは体質的に糖尿やアルコールの免疫力がけっこう高いらしいから相応の量でもイケるのも、要因の一つだろう。もちろん体質がそうだからといって糖尿病や急性アル中にならないわけではないのだが。


【追記】
 だったら近所をジョギングするとかウォーキングとかをして定期的に体を動かせばいいじゃないかということになるが、実際のところはそういうわけにもいかない。

 というのもどこのエリアも大なり小なり治安はよろしくないので、不用意にあまり人けのない夜間や早朝に外出しようものなら悪い人に襲われる可能性はそれなりにある。
 また、メキシコは全般的に空気が汚い慢性的に排ガス臭が漂っているばかりか、上述のとおり標高が高い故に空気が薄いところが多く、場所にもよるが広範囲にわたって地面の起伏や勾配が激しいところも多いので、ヘタに外で運動をしたら呼吸器系の器官に悪影響を及ぼしてしまうだろう。
 さらには電気のインフラもたかがしれているため、大通りから外れた住宅街ともなればただでさえ街路灯が少ない上に街路灯自体が大して明るくないので普通に側道を歩くだけでもけっこうな集中力が必要となるし、凶暴で大きな野良犬も慢性的に多かったりもする。


 兎にも角にも食生活や社会事情を鑑みると、がっちりしないはずがないのである。

 とはいえ、結局のところスリムな身体を維持できるにこしたことはないとは思っているようで、テレビではダイエットサプリとかシェイプアップ器具とか矯正下着の通販CMをやたらに放送しているし、フィットネスジムに足繁く通う若者は多いそうだ。
 で、某現地の知人曰く、若い女性の多くは「ママみたいな身体にはならない!」と誓うそうだ。何だかんだでメディアに登場しているモデルさんや俳優さんは皆スリムなので、スターのようなスタイルに憧れるのは当然だろう。
 が、スリムな年配層をまともに見たことがないところを見ると、結局は皆ママみたくなってしまうのだろう。


 因みに、日本人の多くはそれなりの期間をメキシコで過ごすと帰る頃にはすっかり体重が落ちるらしい。実際ぼくも初めて向こうで生活していた際、何だかんだで10kg近く痩せた。

 しかしそれは単純に、メキシコの食べ物は辛いものが多く、日本と比べると衛生面に難があるからしょっちゅう腹をこわしてたことフルーツ類が安くて激ウマだったのでバカみたいに食べていたら、トイレに行くのが楽しくなるくらい便通が絶好調になったこと車を持っていなかったので徒歩の移動が多かったこと、住んでいたエリアはとにかく坂が多いので、少しの移動でもそこそこ体力を使っていたこと外国にいる以上見た目の面でどうしても目立ってしまうため、常に相応の緊張感を持たざるを得なかったから痩せただけにすぎない。






tag : メキシコ人 肥満 ドリトス コカコーラ Huevos_Rancheros ウエボス・ランチェーロス Comida Corrida

【閑話休題】憶測で考えた昨今の留学事情

 ここに掲載されている旅行記は2009年夏の出来事で、留学はミレニアム近辺での出来事を乱雑にちりばめているのだが、旅行の荷造りをしている時、“初めてメキシコへ行った頃と比べて、持ち物もだいぶ変わったな”と思ったことを思い出した。
 
 といっても日用品や服の類ではなく持って行くつもりだった精密機器の類で、初めて行ったときに持って行った精密機器は、確かポータブルMDプレーヤーと専用の小型スピーカーくらいで、ゲームボーイカラーを持って行くかどうしようか迷った結果、結局持って行かなかった気がした。

 で、2009年の旅行で持って行ったのは、デジカメ・iPod・Nintendo DS・携帯電話・ノートPCだったのだが、当然ながら本体だけ持って行ってもバッテリーが切れたらムダに精密なゴミになってしまうので各々の充電ケーブルも必要なわけだが、むき出しに入れておくと絡まったり紛失するに決まっているので、ケーブル収納袋として100円ショップで買った小型のポーチにそれらを入れていた時に改めて冒頭のことを思ったわけだ。


 そんなことを最近思い出して、ふと疑問に思ったことがある。
 それは、今現在世界各地で現地の言葉を勉強している人たちは、ちゃんと習得できているのだろうか、ということである。


 言い回しが懐古主義的になってしまうが、ぼくが初めてメキシコへ行った頃はリアルタイムの日本の情報を得るのがけっこう難儀だった。

 何度か書いたが、初めて行った当時は日本でもメキシコでもインターネットはそれなりに世間に普及していたものの、黎明期ということもあって今とは比較にならないほどインフラもサイトの選択肢も貧弱だった。ネットカフェもあるにはあったが現在ほど乱立するほど多かったわけではなかったし、仮にあったとしても当然ながら使用環境は現地に合わせているので、例えばYAHOO JAPANのページを開いても日本語(というか2バイト文字)は確実に文字化けしていたから何が書いてあるのかはわかるはずもない。なので、そのページに掲載されている画像で内容を推測するしかなかった。

 これが芸能とかスポーツ欄だったら、

 「もしかしてこのタレント結婚したの? それとも熱愛が発覚しただけ?」

 とか、
 
 「ホームランかサヨナラヒットかはわからないが、どうやら松井の活躍のおかげで巨人が勝ったらしい」

 と、大まかには間違ってなさそうな推測は立てられるが、政治欄ともなると、基本的に政治家がなにやらスピーチないし記者にマイクを向けられている画像だったりするので、打ち出した政策の所信声明なのか、悪い噂の弁明なのかの区別がつかないので、情報収集としては当然役に立たなかった。

 尤もぼくの場合は、後に学校の近くで日本語を教えている日本語教師と接点ができ、その人の家では海外在住日本人向けのNHKを受信していたのでそれなり に日本の事情はリアルタイムで知り得たのだが、それまでは家族なり知人なりに電話してその時世間を賑わしている事件や世相を聞き出すか、入国して間もないであろう新しい日本人生徒に聞くくらいしか知る術がなかったのだ。


 そしてついでに、電話事情も今とは大幅に異なっていた。
 当時の携帯電話には海外ローミングどころか、CMで“遂に着信音が2和音になった!”と大々的にPRするような時代だったので、外国で使えもしない携帯をわざわざ日本から持ってくるような輩はいなかったし、メキシコでも携帯を持っている人はまだ少数派だったので、現地仕様の携帯を外人が気軽に購入できるのか、そしてわざわざ買う必要性があるのかすらもよくわからなかった。

 しかもメキシコの場合は国際電話料金が思いのほか高い上に通話状態もかなり悪く、確か当時の記憶では現地の公衆電話から日本にかけようものなら、相手方につながっただけで日本でいう105度数のテレホンカードの7割近くの度数が消費されてしまい、ただでさえ音が小さく今にもブツ切りされかねないほどスリリングな状態でありながら、ものの1~2分で度数が尽きて強制終了してしまうほどだった。

 なので、日本に電話をかけたかったら国際電話会社の国別国際電話番号をプッシュして日本人オペレーターにつなげ、相手の電話番号を伝えてコレクトコールでかけるのが一般的だった。
 しかも、国際電話会社のオトクな国際通話サービスに申し込んでいたとしても今にして思えば通話料がかなりべらぼうな額だったので、いくらコレクトコールとはいえそう頻繁にかけるのは気が引けるような時代だったのだ。



 しかし翻って、今はどうか。

 PCは、高性能でリーズナブルなノートPCが出回っていることもあってか、海外にも持って行くのはもはや日常の光景になっている。ネット接続にしても、現地対応の無線LANカードみたいのを使えば大抵の場所なら簡単にネットが見られるし、そういうのがなくても最近ではどこもwi-fiエリアが増えたこともあり、wi-fiコネクタみたいなのがあれば普通にネットは見れる。もちろん母国から持参しているわけだから文字化けの心配は一切無い。
 それに現地で流通しているデスクトップPCも、アジアのメーカーだったら日本語は問題なく表示できるようになったので、ネットカフェとかでも快適なネットサーフィンはほぼ約束されている(ただしキーボードは現地仕様なのでかなや漢字を入力することは不可能だが)

 そして、PCの進化に伴ってwebサイトの種類や質もかなり進化している。
 YOUTUBEみたいな動画共有サイトで母国のテレビ番組やニュースも普通に見れるようになったし、podcastの番組も簡単にダウンロード・視聴ができる。
 それに、FACEBOOKやmixiといったソーシャルネットワークサイトもかなり充実しているので、気軽に現地の友人や家族ともコミュニケーションが取れる。もっと言えば、文字だけのやりとりで物足りないのならskypeを使えば無料で会話ができる世の中である。

 さらに今の携帯も、折りたたみ式もスマートフォンも場所を問わず通話・ネット・メールはできるようになったし、今のやつは海外で使えるのは当たり前な上に通話料もだいぶお安くなったので、海外へ持参するのは日常になっている。


 兎にも角にも、ネットワークにおいては国境らしき境界線はほぼ皆無なので、長期間海外にいても環境さえ整っていれば母国の情報が不足するということはないわけだが、逆に言えばそれだけ母国語に触れる機会が身近になっているということは、その分外国語に費やす時間や機会が減っているということにもなる。
 
 少なくともぼくの場合は、日本や日本語が身近になかった環境だった故にそれなりに言葉を習得できたように思う。勿論人によっては環境に関係なく覚えられるだろうが、実際2年前の旅行でも頻繁にネットカフェに行っては日本のサイトを見まくっていたことを考えると、もし今の環境で留学していたら目的が違うことを考慮しても相当マズいことになっていた気がする。
 それこそ、することがないからといって日がな一日某巨大掲示板を見たりpodcastを聞いたり、日本の番組を見てたりした結果、わざわざ海外くんだりまでいって日本での日常と大して変わりのない生活をしたまま時間が過ぎていたというオチになりかねなかっただろう。これはあくまで個人的な考えだが、海外で接する日本語は思っている以上にありがたくもあり頼もしかったりするので、意思次第では何だかんだで頼ってしまうのだ。

 
 まあ逆に言えば、現在のネットワーク環境だったらよほどの災難が起きない限りはホームシックにかかることもないだろうし、むしろそれのおかげでネイティブとの交流が生まれて習得の質とスピードが向上してる人もいるだろうし、だからといって全員が全員それらを持参するわけではないだろうから一概には言えないが、とりあえず言えることは、この10年でのネットワーク環境の進化と発展に驚くと同時に、大した経験もないくせにエキスパート気取りで勝手な憶測で勝手に憂う自分の加齢具合に、勝手に複雑な心境に陥った次第である。





テーマ : メキシコ
ジャンル : 旅行

tag : 昨今の留学事情 コレクトコール MD 昔の海外PC事情

麻薬密売組織(カルテル)の抗争激化に思う

【※注釈】
ここに書いてあることは2012年1月以前の出来事なので、現在では状況が変わっている事柄もいくつかあると思います。それを踏まえて読んでいただければ幸いです。



 何か今、メキシコの治安がすこぶる悪いらしい。

 ……とはいっても、場所によっては夜の一人歩きも可能なところもあるがこの国の治安は全般的に大してよろしくない。

 例えばアメリカとの国境近くでは、より豊かな暮らしを求めて生活水準の高いアメリカへ不法入国をしようとする輩が両国の社会問題になるほどわらわらいる。概ねそういう奴らは人生を賭けてるだけあって相当気が立っているので、物見遊山的な感覚で国境付近に近づかない方がいいとは前から聞いていた。

 一方、反対側のグアテマラの国境付近では、サパティスタと呼ばれる民族解放を目的としたゲリラ組織が先住民の権利を主張して武装蜂起しているようなので政情は不安定だと聞いている。
 で、他のエリアも他のエリアでそれなりに治安は慢性的によろしくない所も多く、スリや強盗といった悪いことを考えているヤツはそれなりにいるので迂闊な行動はそうそう出きないわけで、状況が悪いのは今に始まったことではない。


 が、この数年で急激に悪くなってきているようだ。
 現在深刻化されているのは麻薬マフィアによる縄張り争いと、取り締まりによる報復である。


 そもそもだいぶ前からメキシコは、コロンビアあたりからアメリカへ流れる麻薬関連のブツの重要な中継地なのでその手の話は今に始まったことではないのだが、今の大統領が麻薬撲滅キャンペーンを大々的に打ち出して取り締まりを強化したことによる報復で、一般人がリアルにシャレにならないくらい巻き込まれていらしい。

 マフィアと言っても組織は一つだけではなく複数あるので、白昼堂々銃撃戦が行われているので犠牲者は年間1000人単位だというし、力のある組織は活動を邪魔する見せしめとして、処刑した敵なり一般人の身体の一部や内臓をわざと人通りの多い場所やハイウェイの高架下に吊したりするようだ。

 他にも、そこら辺の若者をスカウトしてヤクの運び屋とか殺し屋に育て上げて戦力増大を図り、そこら辺の店やそこら辺を走っている車をジャックして金品を強奪することで資金を増やし、用心棒代と称して一般の小売店や企業に法外なケツ持ち料を請求し、断られたら地上げ屋的な嫌がらせをして廃業に追い込むといった始末の悪い行為が横行しているとも聞く。

 それでいて当事者同士の情報網はけっこう脆弱のようで、一般人のホームパーティをマフィアの集会と勘違いして襲撃し、参加していた一般人が犠牲になったという事件まで起きているという。


 当然ながらそんな状況だったら警察もメディアも黙っちゃいないはずなのだが、そもそもメキシコの警察はスプリングフィールド警察ばりに職務怠慢と汚職が蔓延しているのでハナから期待はされていないようなのだが、それ以前に大手麻薬組織の武力と経済力はちょっとした国家に匹敵するくらい強大なので太刀打ちできないばかりか、少しでも物申そうものなら物申した当人はおろかその家族や友人にも矛先を向け、容赦なく報復をすることもあってか、エリアによっては警察署員どころか署長までもが恐れをなして辞任してしまって無政府状態になっているらしい。

 メディアも同様で、何人かのジャーナリストやマスコミ関係者が報復の犠牲になったこともあってか、最近では報道に消極的になっているとも聞く。言ってみれば、あまりにも強すぎて武力に屈さざるを得なかったということだろう。
 というか、メキシコのメディアも信頼性という点では昔からかなりアレで、あくまでもぼくが見た限りでは、「ストによるデモが発生」とか、「郊外で交通事故があった」とかけっこう呑気なニュースばっかりという印象しかないのだが。


クランシー・ウィガム シンプソンズ
クランシー・ウィガム(Clancy Wiggum)
アメリカの人気アニメ・『The Simpsons』に出てくる警官。
賄賂や汚職にも無頓着で、犯罪よりもドーナツやハンバーガーを優先するようなダメ警官だが、何だかんだで市民には許されている。息子のラルフはリサの同級生。



 で、抗争が特に激化しているエリアは主にアメリカ寄りの北部エリアで、その中でもテキサスのエル・パソに隣接しているシウダー・フアレスというところがダントツでヤバく、今となっては戦時下にない場所では南アフリカのヨハネスブルグを抜いて、世界で最も治安の悪い場所ではないかと言われているほどである。


シウダー・フアレス
シウダー・フアレス(Ciudad Juárez
国内最大面積を誇る北部の
チワワ州にある都市で、国境の役割を果たすリオ・グランデ川をはさみテキサス州のエル・パソと隣接している。主な産業はマキラドーラ(保. 税輸出加工業)らしいが、自分で書いててもよくわからないので多分それなりの工業都市なのではないかと推測される。


 他には、カリフォルニアのサンディエゴに隣接する国境都市・ティファナ(Tijuana)、テキサスのサンアントニオに程近い経済都市・モンテレイ(Monterrey)、メキシコ湾に面するタマウリパス(Tamaulipas)州全般あたりがかなり深刻とされていて、日本の外務省が制定するそれらの地域の危険度レベルも、4段階中2番目を意味する「渡航の是非を検討してください」に引き上げられているほどである(詳細はこのページを参照)

 その他の地域でもそれなりには影響はあるものの比較的ましということもあって、特にメキシコシティ近辺ではある意味対岸の火事とされていたようなのだが、今となっては組織の活動範囲も全国に波及しているようだ。

 実際にサン・ルイス・ポトシ(San luis potosi)でお世話になったマリアも(詳細はこのページから参照)、北部ほどではないにせよがそれなりに治安悪化は肌で感じ、一連のニュースには心を痛めているようで出来ることなら日本に住みたいみたいなことは言っていたし、旅行記での拠点にしていたクエルナバカ(cuernavaca)近くに住む友人マヌエル曰く、クエルナバカ近辺も今やだいぶ治安が悪くなったようで、「もしまたメキシコを旅行したいと思っても今は来ない方が良い」と忠告してくれたし、今年の夏までには生活の拠点を奥さんの故郷であるウルグアイの首都・モンテビデオに構えると言っていた。


 さて、若干話は変わるが、このページの後半あたりにもちらっと触れているように、このときぼくはメキシコで職を得る機会に恵まれていた。
 仕事の内容はありがちだが日本人が経営する日本食レストランの厨房で、実はそういう求人があるということを渡航前に人づてに知り、事前に相手方とコンタクトを取って現地で面接を受けた。この時は色々あって生活の環境を一変したいと心底思っていたので、もし採用されるのであれば永住も本気で考えていたのだ。

 尤も、仕事としての調理経験は学生時代に1年ほどファミレスでやっていた程度でしかないので調理師の免許なんぞ持っているはずはないのだが、それでも当初の話では口約束ながらもその場で採用が決まり、できることなら明日からでも手伝ってほしいという状況だった。やはり海外で日本食レストランを経営するにあたり、味や店の雰囲気をこだわるのはもちろんだが何よりも日本人のスタッフを置かないことには説得力がないので、経験や年齢は二の次ということなのだろう。

 そんな状況だったせいか、ある意味未経験に毛が生えたようなスキルでも条件はかなり好待遇だった。
 形式的には現地採用でありながらも月給は現地の平均額の3〜4割増くらいで、日本で言う社会保険料とアパートの家賃も向こう持ち、仕事の性質上昼飯と晩飯はまかないなのでタダ、しかも勤続3年以上になったら日本への往復の飛行機代も負担してくれるという、実に至れり尽くせりな条件だったのでかなり魅力的だった。


 まあ最終的にはいろいろあって話は消えてしまったのだが、考えても仕方のないこととは思いつつも件のニュースを耳にする度に、「もしあそこで働いていたら、今はどうなっていただろう」と思ったりする。


 というのも、勤務地というのが被害をモロに食らっているモンテレイだったからというのがやはり大きい。


 正直なところ、この旅行記で訪れたときは今ほどの深刻さはなく、大都市ゆえの治安の悪さを軽く感じる程度だったが、やはり現在の治安は相当深刻化しているようで、現地在住の友人・ラロ曰く、特に夜間の外出は極力避けていてやむを得ず外出する場合はリアルに怖いし、大なり小なり被害にあった友人・知人は身近にけっこういると言っていた。


 実際のところ、そのレストランが現在どうなっているかは知らないが、どう考えても業務の性質上それなりのとばっちりは受けているはずなので、売上げという点では面接した時期とは明らかに落ちているだろう。
 場合によってはお店はもとより自分にも何かしらの被害を被っていたとか、人件費削減で志し半ばで失業したとか、恐怖によるホームシックを感じていた可能性もなくはない。


 以前こんなような話をラロとしたら、「こっちの現状を考えると、話がなくなったこと自体がラッキーだった」と言っていた。要は、いくらメキシコで働きたいからといっても今のモンテレイとなると在住者として勧められないということなのだろう。
 その時は、

 「悪いことだけじゃなくて良いことも絶対あるはずだから、ラッキーかどうかは自分で決めることなんじゃなかろうか」

 とも思ったが、昨今の円高を考えると、アメリカドルとメキシコペソの相性は大して悪くはないからメキシコ国内での生活水準は保たれるものの日本円に換算したら給料はたかがしれてるし、もっと言えば改めてこのページの二つ目からを読み直した際、たかが現地の若くてかわいい娘に話しかけられただけでちょっとした彼氏を気取り、その勢いで相手の職場にフラフラと出向くような輩だけに、向こうにいたらいたでスクラッチーばりの危機感のなさからヤバ目の事件に任意で巻き込まれてた可能性は十分あったことを考えると、トータルではラッキーだったのかなと思う昨今である。

イッチー&スクラッチー(The Itchy and Scratchy Show)
同じく『The Simpsons』の世界で放送されている短編の子供向けアニメ。『トムとジェリーをパロったドタバタコメディだが、毎回ネコのスクラッチーがネズミのイッチーに騙されて残虐な方法で痛めつけられる。





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テーマ : メキシコ
ジャンル : 旅行

tag : メキシコ麻薬戦争 麻薬カルテル メキシコのマフィア イッチー&スクラッチー シウダー・フアレス The_Simpsons

無報酬でMultimediosというテレビ局をステマする

 時間軸としてはこの留学記の頃で、全ての日程を消化して日本に戻った後のこと。
 帰国直後とあってメキシコ及びスペイン語に関するテンションも依然高かったことと、それに伴って音楽や映画、スポーツ以外の英語圏カルチャーにも興味を持ち始めていたのだが、後学も踏まえて何とかスペイン語圏のテレビ番組を日本でも手軽に視聴できないものかと考えていた。何度も書くようだが、この頃はまだネット事情も開発途上だったので動画をネットで閲覧するという発想がなかった時代だ。

 そこで自分なりに調べた結果、とあるケーブルテレビではスペインのテレビ番組を字幕・吹替なしで視聴できるということを知ったのだが、ただでさえ加入料とか受信料で月額10,000円以上かかる上、そのチャンネルは有料オプションだったので更に月額5,000円以上はかかったため、結局断念したことがあった。



 とまあ、何故冒頭にこんなことを書いたかというと、先日multimedios.tvというサイトに偶然行き着いてそのことを思い出したからである。
 検索してみたところ、これはメキシコ北部にあるヌエボレオン州の州都・モンテレイを拠点にしているローカルテレビ局のオフィシャルサイトで、ヌエボレオンだけでなく周辺の州でも放送されているらしい。
 当サイトでは一般のテレビ局の公式サイト同様、番組情報やタイムテーブル、一部を抜粋した過去の放送分の番組も見れるのだが、個人的にグッと来たところは通常の放送内容をサイトからでもリアルタイムで24時間観賞できることである。
 しかもストリーミング放送なので視聴のために個人情報やメールアドレスとかを登録する必要もなければ、視聴料も発生しない。もちろんアンテナやチューナーも必要ない。 とかく便利な時代になったものである。

 さすがに聞こえてくる言葉の大半は理解できないが、当時よく利用していたスーパーとか見覚えのあるソフトドリンクのCMを見て懐かしく思ったり、あっちのキャスターやナレーター独特のしゃべり方を聞いてそれに付随した記憶が戻ってきたり、出てくるお姉さん連中はみんな露出度の高い服を着ているのであらぬ期待をしてしまったりと、なかなか興味深い。言ってみれば、冒頭に思っていた願望が何年越しかで図らずも実現したわけで、何だか家にいながらにしてメキシコに住んでいる気にすらなれたりするのだ。


 そんなわけで最近ではこれをよくBGV代わりにしているのだが、気がつけば日本の深夜帯以外の番組は一通り目を通してしまった。

 大まかな一日のタイムテーブルは、朝から正午にかけてはニュースと情報番組、午後はニュースとバラエティ番組、夜ニュースとスポーツニュース、深夜はニュースとバラエティの再放送、ミュージシャンのPVといった構成のなので、ほぼ一日中ニュースを流していることになる。そのせいか、映画やドラマ、スポーツ中継といった番組はなさそうだ。
 しかもローカル局だけあって、扱うニュースは基本的にはモンテレイを中心としたヌエボレオン州及び近隣で起きた事故や事件と政治がらみがメインで、放送圏外で起きた事件はさほど取り上げている様子はない。
 またスポーツニュースにしても、ヨーロッパサッカーやアメリカ四大スポーツ、モータースポーツ等も取り上げているが、こと国内サッカーに関しては地元のチームを大々的に取り上げるあたりは、日本でいう民放局と差別化を図っているようだ。


 そんなある日、たまたま朝の早い時間に目が覚めたので何となく視聴してみたら、何やら賑々しい番組を放送していた。調べてみると『‪Acabatelo‬』というタイトルの番組で、対象年齢は恐らく小中学生向けのバラエティである。 時差を考えれば現地時間での放送時間帯は夕方である。

 今のところ最初から最後まで全て見たことはないが、というかわざわざこれのために早起きして見る気もさらさらないが、ぼくが見た限りでの内容は歌ありダンスありゲームありという良くも悪くも王道で古典的な印象を持ったが、出演者を見ていると楽しそうな空気だけは伝わってくる。
 ただ全体を通してとにかくユルくて能天気なので、世代や文化の違いを差し引いても大して面白くはないのだが、つい見てしまうのは怖いもの見たさに近い感覚だろう。

 で、この番組の出演者はそれぞれ司会進行・生バンド・アシスタントといった役割があるのだが、いわゆる番組独時の人気キャラも豊富に取りそろえているようなので、わかる範囲で該当動画をピックアップしてみた。





 メイクと体格以外のクオリティは総じて大雑把というのも個人的には一回りしてアリかなとは思ったが、そもそも日本のバラエティ番組ではピエロをキャスティングする習慣があまりないので、それだけでも新鮮な気がする。それにしてもオープニングの紹介映像で『シェー』にけっこう近いポーズをしているが、彼は赤塚不二夫作品に精通しているのだろうか。


【追記】
よくよく考えたらこのルックスは『The Simpsons』のクラスティが元ネタだろう。多分。


クラスティ
クラスティ(=Krusty the Clown)
アメリカの人気アニメ『The Simpsons』に出てくる人気コメディアン。お金に汚かったり人のギャグを平気でパクることもあるが、民衆の期待に応えるために下院議員になったことも。サイドビジネスで経営しているハンバーガーチェーン『クラスティバーガー』も大人気だが、衛生・品質管理等がかなり杜撰なため本人はまず口にしない。





 意図的に英語に似せた発音でしゃべっているので、北米人という設定なのだろう。

 男の方は見た目と名前からしてジャスティン・ビーバーのパロディというのはわかるが、女の役割が何なのか全く理解できない。そもそもこのスキットの何が面白いのかが全く理解できないのは、語学力とか異文化とか世代の問題なのだろうか。それだけにムカッ腹が立つことうけあいなのだが、別の動画では女の方が大がかりな松葉杖をつきながら演じていたシーンがあったので、プロ意識はそれなりに高いのだろう。


 こういうのを見ていると、本人には悪いが一歩間違えれば見た目も衣装も歌も振付も信じがたい馬鹿にしか見えないほど能天気なので、「言っとくけどおまえが思ってる以上に世の中は大変なんだよ!」説教したくなるのだが、やはりこんなキャラでも厳しいオーディションやレッスンを経て勝ち取ったと思われるので、「ちゃんと頑張っててエライな」とも思う。
 因みに彼女の名前を直訳すると『ヒトデちゃん』とか『ヒトデ娘』といったところなので、いっそのこと海を汚す人間をこらしめて侵略するために深海からやってきたとか、セリフの語尾は常に「~でヒトデ!」にするとか、ドサクサ紛れにコーヒーを飲むと酔っ払うといった設定を追加すればもっと人気が出るのではないだろうか。




 この人は番組独自のキャラではなく本業はモンテレイを主戦場にしているルチャドール(プロレスラー)のようだが、けっこう頻繁に出演していた。動画ではいかにもレスラーらしい力強さを強調しているが、別の日では一般から募集したであろう女性と公開お見合いみたいなこともやっていた。

 余談だが、モンテレイは昔から国内でもルチャリブレ(プロレス)人気がかなり高い地域ということもあって、ここで一定の人気と基盤を築けば全国進出しなくてもけっこう稼げるというようなことを聞いたことがある。そのため、モンテレイ拠点のローカルレスラー(特定の地区でしか活動しない、もしくはできないレスラー)の数は他の地区よりかなり多いとか。恐らく彼も地元では人気が高い選手なのだろう。

 ところで、リングネームを直訳すると“忍者の息子(英訳すると“The son of the NINJAとなるので調べてみたら、やはり父親は“El Ninja”というローカルレスラーだったらしい。個人的にはまったく聞いたことがなかったが、ローカルだからといって馬鹿にはできないのがこの業界で、親戚連中の多くも同業というルチャ一家で(※メキシコのプロレスはある種の伝統芸能のような側面があって、親戚も含めてファミリー全員がレスラーもしくはプロレス関係者という家庭環境は珍しくない)、しかも親戚の中には全国区で名の知れている超一流選手もちらほらいるようなので、なかなかなサラブレッドなご様子である(詳細はこちら。ただし英語)


 因みにメキシコの覆面レスラーというものは、それこそマスクを賭けた試合で負けない限りは無闇に素性を明かさないものだが、この人はこの番組でしれっとマスクを脱いで素顔と本名を公表したようだ。なので、現在でも本業でマスクをかぶっているのかは知らない。



 ……とまあ、見た限りでは上記に挙げた以外でも、マクドナルドのドナルドっぽい女のピエロとか段ボール箱をかぶった人とかサングラスとウサギの着ぐるみを身に付けて いるヨボヨボのじいさんという日本人の発想を超えたキャラもいるようなのだが、観覧客は総じてノリが良く、好意的な声援を送ったり演者にあわせて一緒に踊る者もたくさんいるし、YOUTUBEで検索したら関連動画が腐るほどアップされているので、この番組はテレビ局のイチオシなのだろう。個人的には本当に大して面白いとは思っていないが、ハッパの力を借りてもいいのであればそれなりに楽しめそうな気がする。

 ともあれ、この番組に限ったことではないが少なくともスペイン語を勉強している人にとって、このサイトは良い教材になると思う。ネイティブの会話スピードや言い回しなどは台本のある映画やドラマよりも現実的なはずだし、CMを見れば国民の嗜好やメンタリティなんかを漠然ながらも判断できるので、リスニングや見聞という点でも見て損はないはずである。


 因みに生放送の視聴方法は、メニューバーの「EN VIVO」をクリックしてからしばらく待てば見れる。またmultimedios.tv以外でも、傘下であろうAltavisionでもライブで番組が視聴できるし、探せば他にも同じサービスを提供しているテレビ局はあるだろう。

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7月にメキシコ大統領選挙が行われるらしい

 このページで触れているように、最近はネットでも同時放送しているローカルテレビ局・Multimedio.comの映像をしばしBGVにしているのだが、時間に関係なく何度も放送されている同じCMが気になっていた。

 といっても気に立っていたのは2つのCMなのだが、構成はどちらも似たり寄ったりでナレーションをバックに主人公たる人間が何やら演説をしたり、訪れた先の住民らしき人々と交流する様を描いている内容で、よくよく聞いてみたら「メキシコを変えたい」とか「あなたの助けが必要です」みたいなこと言っている。
 そのため最初はNPO団体か何かの啓蒙CMかと思ったのだが、もっとよくよく聞いてみたら「Presidente」とはっきり言っているので、メキシコ大統領選挙に立候補している候補者のPRだったことがわかった。

 正直メキシコの政治事情は殆ど知らない。強いて書くなら「PAN」という政党があると知ったときに“「パン」だなんて美味しそうな名前だな”と思った程度である。
 実際にぼくはメキシコの政治経済に影響するような仕事はしていないし、そもそもメキシコにも住んでいないし、仮に住んでいたとしても外国人に投票権なんてものはないだろうから、よほど破天荒な大統領が鎖国とか国交断絶とかを言い出さない限りは関係ないと思っていた。
 が、これを機に外国の政治事情を知るのも悪くないと思ったのと、ぼくの日常はどうせ慢性的にヒマだということと、一度くらい落合信彦気取りで世界情勢を切ってみるのも悪くないという結論に至り、いろいろ調べてみることにした。

 というわけで、それっぽいキーワードで検索するよりも現地の人間に各候補者のマニフェストや経歴、現時点の世論を聞くのが手っ取り早いと思って数人の現地の友人に聞いてみたのだが、本来ならばフラットな一般論を聞きたかったにもかかわらず、出てくる答えは「候補者は全員嘘つきで卑怯者」とか「権力と大金が欲しいだけ」とか「誰も信用できない」とか「だから自分は誰にも投票しない」といった昭和の一コマ風刺漫画的なチンケな主観ばかりだったのですっかり時間を無駄にしてしまった。

 そこで、メキシコ北部に位置するMonterrey(=モンテレイ)在住の友人・ラロに聞いてみることにした。彼は割とフラットな視点で物事を判断できるタイプなので、きっと有益な答えが返ってくるだろう。
 しかし実際に聞いたところ、細かい部分まできちんと教えてくれたのは大変ありがたかったのだが、むしろ情報があまりに多すぎて整理が難しかったり、テーマがテーマだけに聞きなじみのない単語や言い回しが大半を占めたこともあってGoogle翻訳の翻訳結果がしっちゃかめっちゃかになってしまい、最終的には何だかよくわからないまま時間が過ぎてしまったのは予想外である。

 とはいえ(ろくに翻訳できないけど)彼とのチャットはコピーしたし、(ろくに翻訳できないけど)英語版とスペイン語版のWikipediaにも詳細は書いてあるようだし、少ないながらも日本のいくつかのマスコミでも動向は報じているようなので、それらを何とか駆使して選挙の行方を書いてみる。


 因みにメキシコの大統領の任期は6年と決まっているらしく、一人の国家元首による長期政権による独裁政治を防ぐため、一度就任した者が再び大統領になることは出来ないらしい。で、今年の選挙は7月1日に行われる。

 今回の選挙で大きなポイントとなるのは、「麻薬抗争の沈静化」「貧困救済」になるそうだ。
 現大統領のフェリペ・カルデロン氏は、国内に蔓延る麻薬の密造・密輸組織撲滅を目指し軍を投入してまで対抗したはいいが、麻薬組織は実力行使で真っ向から抵抗したために抗争が激化し、治安が急激に悪化している。おかげでこれまでに5ケタ単位の犠牲者を出してしまったのは記憶に新しいところ。もちろん全ての地域で均等に治安が悪化したわけではないが、今やメキシコは“戦時下にないところでは世界で最も危険な国”というイメージを世界中に与えてしまった。
 当然ながら治安が悪化すれば経済にも影響する。これが原因で規模を縮小したり撤退したり、進出を断念した企業もあるだろうし、重要な資源とされる観光業にも影響は出ているだろう。聞いた話によると、一連の抗争で今まで以上に夜間の外出がリスキーになったことで外食産業はかなり打撃を受けているという。したがって、まずはこの2つの問題をどのように解決するかが最優先課題であろう。


 また、もう一つの争点としては「政権交代」というのもあるらしい。

 というのも、2012年5月現在はPAN(Partido Accion Nacional。国民行動党。思想・立場は保守・キリスト教民主主義)という政党が与党なのだが、少なくとも2000年まではPRI(=Partido Revolucionario Institucional・制度的革命党。思想・立場は人民主義・社会民主主義)という巨大政党が長きにわたって政権を握っていた。しかし生活は大して良くならない上に汚職や癒着・不正が蔓延したことで国民の信頼をなくし、勢力を拡大していたPANに期待をかけてみたものの、実際に任せてみたら生活は良くなるばかりかPRIの頃よりも悪化していると考える国民も少なくなく、やっぱりPRIに任せた方が良いのではないかという風潮も少なからずあるようだ。このあたりは今の日本と状況が一緒である。


 で、今回は4人の政治家が立候補しているようなのだが、そのうちの一人は箸にも棒にもかかっていないみたいなので、実質3人で争っているようだ。候補者は以下の通り。


PRI,制度的革命党,Partido Revolucionario Institucional,メキシコ,大統領選挙Enrique Pena Nieto
エンリケ・ペーニャ・ニエト
政党:制度的革命党Partido Revolucionario Institucional)  


 この毒気を抜いたモウリーニョを彷彿とさせるかなり二枚目な彼は1966年7月20日生まれで、彼が当選すればPRIは12年ぶりに政権を奪回することになるらしい。
 最近までメヒコ州(メキシコシティに隣接している州)の知事に就任していたのだが、彼の叔父も同州の知事だったらしいので、要は二世議員のようなものである。州知事時代は公共事業に力を入れたり、最初の奥さんが亡くなった後にTelenovela(=テレノベラ、日本で言う昼ドラ)の女優と再婚したりと、何かと話題を振りまくタイプと思われる。

 彼のセールスポイントは、何と言っても45歳という若さとこの顔である。若ければ新しい情報にも敏感だろうし、革新的な対策を掲げることもあるだろう。しかも、何せこの顔なのだから主婦連中は黙っちゃいないだろう。どこの国も性別を問わず、美しい顔には弱いものだ。しかし、若い分経験値の物足りなさが懸念されているので、諸刃の剣といったところだろう。

 世論調査では候補者の中で彼の支持率が最も高いのだが、最近になって汚職疑惑やマスコミに圧力をかけて悪事を隠蔽した疑惑が浮上し、一部では抗議デモも発生したようなので世論調査どおりに事が進むかはまだ予断を許さないだろう。


 因みにモウリーニョはこちら。


ジョゼ・モウリーニョ(José Mourinho)
ポルトガル人サッカー指導者で、2012年時点ではスペインのレアル・マドリード監督。これまでにFCポルト、チェルシー、インテル・ミラノ等の監督を歴任し、ほぼ全てのクラブで国内リーグ優勝をもたらしたばかりか、欧州チャンピオンも2度達成している世界的名将。かなりの毒舌+自信家で、マスコミや同業者に対して尊大かつ挑発的な発言をすることもしばしばだが、人心掌握に長けており彼と仕事をしたことのある選手の多くは「今までで最高の指導者」と賛辞を送っている。



PAN,国民行動党,Partido Accion Nacional,メキシコ 大統領選挙Josefina Vázquez Mota‬
ホセフィーナ・バスケス・モタ
政党:国民行動党(Partido Accion Nacional)         


 彼女は1961年1月20日生まれ。政治面ではこれまでにいくつかの大臣職を歴任した実績がある模様。その前は実業家やジャーナリストとしても活躍し、同時に3人の子を持つ母親でもあるので、経済事情に明るくリアルな世間を知っているというのが強みだろう。
 実際に自身を“庶民の味方”として全面に押し出しているようで、今でも家計簿と冷蔵庫のチェックは欠かさないことを強調したり、前述のニエト氏に対して「彼はトルティーヤ(メキシコの主食)の値段も知らない世間知らずのおぼっちゃま」と、一般世間とはかけ離れた家庭環境で育った人間が庶民の生活を理解できるはずがないというニュアンスでディスっているようだ。
 彼女が当選すれば政権も現状維持となるのはもちろんだが、メキシコ史上初の女性大統領が誕生することになる。しかし、世論的にはそれ以外の強みに欠けるという評価のようで、支持率は上述のニエト氏の後を追っている状況だ。

 因みに余談だが、初めてこの人を見たときは「メキシコでも女優以外でこんなにスリムなオバさんがいるんだ」と思った。このページでも触れているようにメキシコ人の肥満率はかなり高く、少なくともぼくの場合は肥満体じゃない年配女性を一度も見たことがなかったので、この年齢でこの体型はかなり異例と書いておこう。


PRD,民主革命党,Partido de la Revolución Democrática,メキシコ,大統領選挙Andrés Manuel López Obrador
アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(通称AMLO)
政党:民主革命党(Partido de la Revolucion Democratica)   



 1953年11月13日生まれの彼は前回の2006年大統領選挙にも立候補したが結局現大統領のカルデロン氏に僅差で敗れた経緯がある。したがって、今回は満を持しての2度目の出馬である。

 政治経歴としては党の州委員長・全国委員長を経てメキシコシティの市長に就任していた他、原住民の支援活動や消費者教育の促進運動にも力を入れていて、貧困層の救済をメインとしたマニフェストを掲げているようだ。
 市長時代は市民からかなり支持されていたことや、上述の二人に比べて経験が豊富で、相手が誰であろうと真っ向から意見を言える負けん気の強さと行動力が特長のようだが、その負けん気が裏目に出て国民の反感を買うこともあるせいか、支持率は3人の中で最下位というのが現状である。因みにラロは彼が適任という見解のようである。
 
 
 まあここまで書いておいて何だが、前述の通り結局のところ誰が大統領になろうがぼく個人の生活には直接影響はないが、それにしてもぼくのような外交音痴でも情報と動向が稚拙ながらもそれっぽくわかるネットの凄さを改めて痛感した次第である。


【出典】
スペイン語版Wikipedia
英語版Wikipedia
しんぶん赤旗

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メキシコのサッカーリーグのちょっとした概要

 メキシコの最上位プロサッカーリーグであるLIGA MX‬リーガ・エメ・エキス。旧名はPrimera División de México=プリメーラ・ディビシオン・デ・メヒコ)は、単純にホーム&アウェイ(以下H&A)の総当たり戦で優勝を決めるのでははなく、「予選リーグ→プレーオフ」という形式を取っている。恐らくアメリカのスポーツを参考にしていると思われるが、わかる範囲で書いてみる。



【LIGA MXの概要】
  • 他のヨーロッパや南米諸国同様、秋春制(厳密に言えば夏春制)を採用。
  • 参加クラブは18チーム。
  • 1ステージ制ではなく2ステージ制を採用。Jリーグ黎明期で言うファーストステージは“ Apertura(アペルトゥーラ・開幕ステージ)、セカンドステージは“Clausura(クラウスーラ・閉幕ステージ)と呼ばれている※余談だが南米では2ステージ制を採用しているリーグがけっこうある)
  • 両ステージとも、予選リーグを経てプレーオフ(決勝トーナメント)を行なって優勝を決める。
  • 2ステージ制ではあるが、各ステージの優勝チームによるチャンピオンシップのような試合は存在していない。そのため、優勝回数の数え方は「アペルトゥーラ○回、クラウスーラ○回、トータル○回」となる。


【予選リーグ】
  • 18チームによる1回戦の総当り戦を行う。勝点方式はFIFA基準で、「勝ち=勝点3」「引き分け=勝点1」「負け=勝点0」となる。
  • 17節終了時点での上位8チームが、Liguilla(=リギージャ)と呼ばれるプレーオフに進出する。
(※日本語版Wikipediaでは“18チームを3つのグループに分ける”となっているが 、現在は廃止した模様。そもそもグループ分けに関しては以前から流動的で、少なくともぼくが滞在していた頃は18チームを4つに分けていたと記憶している。(※2012年9月20日に修正された)



【Liguilla(プレーオフ)】
  • ベスト8の組み合わせは (A) 1位vs8位(B)2位vs7位(C) 3位vs6位(D) 4位vs5位 のタスキがけで、ベスト4、決勝も含め全てH&Aの2試合を行い、その成績で勝敗を決める。
  • H&Aの1戦目は平日の夜に下位チームのホームで行われ、、2戦目は週末に上位チームのホームで行われる。平日より週末の試合の方が世間の注目や集客が望めるので、上位チームに配慮した日程ということだろう。
  • アウェイゴール(2試合の合計スコアが同じになった場合、アウェイでゴールを多く決めたチームが勝つというルール)が適用されるのかは知らない。は2012年のアペルトゥーラから採用されている模様(出典はこのページ)
  • 2試合の合計スコアがまったく同じになってしまった場合(例:2試合とも0-0等)は、予選リーグでの上位チームが勝ちとなるらしい。ただし決勝でそうなった場合は予選の成績に関係なく延長戦を行ない、それでも決着がつかなければPK戦を行なうとか。


【優勝の特典】
  • ステージチャンピオンとして名前が刻まれる。
  • メキシコのクラブチーム代表として、次年度に開催するCONCACAFチャンピオンズリーグ(北中米・カリブ海のクラブチャンピオンを決める大会)に出場できる。ただしメキシコの出場枠は4チームあるので、各ステージの準優勝チームにも出場権が与えられる。因みに両ステージのファイナルに進出したチームが出た場合は、そのチームを除いた状態で最も総合成績の良いチームも繰り上げで出場できる。
  • それに優勝すれば、北中米カリブ海代表としてFIFA主催のFIFAクラブワールドカップ(以下CWC)に出場できる。


【その他の特典】
  • 当年のCONCACAFチャンピオンズリーグに出場しないアペルトゥーラの予選成績上位2チームと、リーグ戦と並行して行われているカップ戦、コパ・MX(COPA MX)の優勝チームは、翌年に開催されるコパ・リベルタドーレス(=COPA LIBERTADOLES)の出場権を得る。これは南米のクラブチームチャンピオンを決める大会だが、1998年からメキシコのチームが招待枠で出場している。ただしコパ・MXの優勝チームは、グループリーグ出場を決める予備予選からの参加となる。
  • この大会の優勝チームが南米代表としてCWCに出場するが、メキシコのチームの所属は南米サッカー連盟ではなく北中米カリブ海サッカー連盟所属なので、仮に優勝しても南米代表としてCWCに出場することはできない。そうなった場合は、最も成績の良かった南米のクラブチームが繰り上げで出場する。もちろん優勝すればチャンピオンとして名を残すのは当然だが。

(※)因みに2016年時点でのコパ・リベルタドーレスにおけるメキシコのクラブの最高成績は準優勝で、2001年にクルス・アスール、2010年にグアダラハラ・チバス、そして2015年にUANLティグレスがそれぞれ達成している。
 ただしグアダラハラ・チバスの場合は、前年に参加した際にメキシコで発生した
新型インフルエンザの影響で途中棄権を余儀なくされたため、その救済措置として出場。当時の成績では決勝トーナメント進出の資格はあったため、グループリーグは免除された。



【降格】
  • 降格は毎年1チームのみ。
  • 過去3シーズン(※当年、前年、前々年)の合計勝点を試合数で割り、最も低い数値のチームが2部リーグのAscenso MX‬(アスセンソ・エメ・エキス)へ降格する。ただし、2部リーグから昇格したばかりのチームは当年の成績しか反映されない。
  • そのため、当年シーズンの成績が悪くても前年と前々年の成績が良ければ降格に影響は無い。しかし昇格したばかりのチームは1年で結果を出さないとすぐに降格してしまう。
  • ヨーロッパではまず採用されていないシステムだが、こうすることによって客の呼べる人気チームの降格やドル箱カードの不在を防ぐという思惑があるとか無いとか。ともあれこのシステムでは各カテゴリのチームの顔ぶれが大きく変わらないので、リーグの活性化という点では難があるかも。


【Ascenso MX(2部リーグ)の概要(※2012-2013シーズン)
  • LIGA MXと同様に秋開催春終了の2ステージ制で、予選リーグ→プレーオフを経て優勝を決める。
  • 参加チーム数とプレーオフ進出チーム数はLIGA MXと異なり、15チームによる総当たりの予選リーグを行ない、14節終了時点での上位7チームがプレーオフに進出する。


【プレーオフ
  • 予選リーグ1位のチームはシード扱いで、2回戦(ベスト4)から参加。
  • 1回戦の組み合わせは2位vs7位チーム3位vs6位チーム4位vs5位チームのタスキがけで、全てH&Aの2試合の成績で勝敗を決める。


【LIGA MXへの昇格
  • 昇格は毎年1チームのみ。
  • 各ステージの優勝チーム同士によるチャンピオンシップをH&Aで行ない、勝者がLIGA MXへ昇格する。
  • 昇格チーム数が少ない上に何だかんだで一発勝負で決まるため、一度降格してしまうと昇格がかなり険しい道になるのが難点か。

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【こぼれ話】世界で10番目にスケベなメキシコ人よりも厄介な人

世界で最もスケベな国はギリシャ、中国は4位=日本は圏外―米サイト

 だいぶ前だが、ネットでこんな記事を見つけた。
 『AskMen』というアメリカのサイトが発表したらしいのだが、記事を読んだ限りでは、性別問わず性行為とか性的快楽を伴う行為に対してどれだけ貪欲で積極的かというランキングであろう。


 念のため後のリンク切れに備えてランキングをペーストしておくが、トップ10は以下の通りである。


 1.ギリシャ 2.ブラジル  3.ロシア 4.中国 5.ポーランド
 6.イタリア 7.マレーシア 8.スペイン 9.スイス 10.メキシコ


 個人的にはギリシャとかラテン系の国がランキングされるのは予想の範囲内だったが、国民性やメンタリティを全く知らないこともあって、ポーランド、マレーシア、スイスが入っているのは意外に思った。


 しかしそれ以上に意外だったのは、メキシコが10位というのがかなり低いと思ったことだ。


 そもそもは、そういうお国柄だからとかそういう文化だからというのもあるのだが、いったん女性はさておいたとしてもことメキシコ人男性の性に対する執着心というか執心っぷりというのはこれまでのこのブログに多少なりとも書いたつもりだし、実際に自分の目で見てなかなかなものだなとは常々思っていた。

 例を挙げると枚挙に暇がないのだが、例えば目の前を美人が通り過ぎようものなら即座に口笛を吹いたりクラクションを鳴らして気を引こうとする男連中にはよく出くわしていたし、このブログの留学記で知り合ったスペイン語学校の講師陣や男友だちとの間で交わされる会話の内容は大半が女がらみで、やれ、


 「夕べは彼女と一晩中まぐわってた」〈現地の友人談〉

 「先週来た女子生徒はけっこう美人だな」
〈当時通っていたスペイン語学校のオーナー談〉

 「そう? 先週までいたあの女性の方がきれいじゃん」
〈そのスペイン語学校の使用人・マリオ談〉

 「いやいや、去年に来た××を覚えてるか? 今までここに来た中で彼女が最高だったじゃないか」
〈そのスペイン語学校の講師・リカルド談〉

 「メキシコ女を味わったか? メキシコ女は皆ホットでデリシャスだぞ。まだ味わってないんなら風俗に行くかナンパしろ! だからこれからこの足でドラッグストアに寄って避妊具を買っとけ。使わないでコトに及ぼうとしたら最悪エイズになっちまうぞ」
〈初対面のタクシードライバーが放った第一声。詳細はこのページの後半


 といった具合で、要は「オマエら何様だよ!」というピロートークばかりだったという記憶しかない。

 もちろん、日本人でもその手の会話が大好きなスケベ野郎は多いには多いが、その比率が日本と比べて圧倒的に高いというか、今で言うところの草食系とやらに分類されそうな男がまず見あたらないといった塩梅で、全てにおいて


 まあ、例としては乏しいかもしれないが、兎にも角にもそんな感じだった。
 そんな光景を何度も目の当たりにしているぼくに言わせれば、この国でレディファーストの文化が定着しているのも、ハグやキスが挨拶として成立しているのも、ダンスが市民に根強く定着し、その発展としてディスコが盛況なことも、要は性行為に持ち込むための体の良い口実としか思えないというのが率直な感想である。

 しかし、そんなメキシコよりももっと性に貪欲で興味津々な国が9つもあるのだから、世界は広いものである。



 ……そんなわけで、この記事を読んで思い出したことがあった。

 それは、このブログで書いている旅行ではなく別の機会でメキシコをプチ放浪していた時のこと。
 ぼくはとあるユースホステルの中庭で何となくくつろいでいたら、一人の日本人女性が同じく中庭にやってきた。実のところ実際に話してみないことには他の極東の人という可能性もなくはなかったが、髪型や着ていた服装のチョイスを見た限りでは、間違いなく第一印象は日本人だった。

 年の頃は恐らく当時で20代後半〜30代あたりで体格も中肉中背。自分のツラを棚に上げて言うのも何だが、まあ日本だったらどこにでもいそうなごくありきたりな容姿のお方だった。

 因みにぼくは旅先で同郷の方に出会っても、よほどの緊急事態でもない限り自分からは話しかけないことにしている。
 別に極度の対人恐怖症というわけではなく、単純にぼくの方がそういう状況に出くわすと、何だかせっかくの海外旅行気分が少なからず台無しにされた気がしてしまうという無駄な被害妄想が働いてしまうので、「きっと向こうもぼくを見て同じことを思っているに違いないから、なるべくこっちから関わるのはよそう」と反射的に思ってしまうからである。


 しかし幸運にもというか何の因果か、目が合うと向こうから「あ、もしかして日本の方ですか?」という感じでフレンドリーに話しかけてくれた。話しかけてくれる分には大歓迎なので、その場はしばしご歓談ということになったのだ。因みに彼女は仮名としてY氏としておこう。


 聞いてみるとY氏はその時単身でメキシコ国内を旅行していて、それまでに国内のけっこうな数の都市をまわったらしい。その時はメキシコ国内と近隣諸国のみの旅行だったようだが、その前にはヨーロッパとか東南アジア諸国を一人で放浪したことがあるようなので、旅行会社が主催するようなパックツアーよりもこういう着の身着のままの一人旅が肌に合うのだろう。言ってみれば、それなりに経験豊富なバックパッカーというやつである。


 そして語学の話題になったのだが、彼女は英語は得意ではあるもののスペイン語に関してはあまり自信がないようだった。

 基本的にメキシコは英語が通用するエリアが少なく、それこそ高級ホテルとかリゾート地とか大使館以外の場所だと多少なりともスペイン語を話せないとかなり不利になってしまうが、得意ではないとはいえ初歩レベルだったらマスターしているようだったし、更に言えば大抵のユースホステルでは英語圏の人種もしくはネイティブばりに英語を話せる英語圏以外の国の宿泊客、ひいては正にこの状況のように少数派ながらも別の日本人旅行者が泊まっているケースもなくはないので、今のところ何とかなっているというようなことも言っていた。

 まあ、それ以外ではこれまでの旅行の思い出や互いの日本の居住地とかを話していたのだが、それまでにここまで本格的な日本人女性のバックパッカーに会ったことがなかったので、その行動力に感心しながら彼女の武勇伝を聞いていた。

 それにしても、外国での日本人女性の一人旅というのはメキシコに限らずどこであろうとそれなりに危険が伴う確率が上がるのは間違いないだろう。
 現実的に、単身の女性というだけで盗難や恐喝、最悪のケースでは暴行といった事件に巻き込まれる危険性は男性よりの遥かに高いはずである。ましてや、エリアにもよるがメキシコの治安は良くないところが多いのでなおさらである。

 しかも日本人女性の人気は世界的にもかなり高く、上述のとおりメキシコでの日本人女性の人気は相当に高い。
 実際に現地の友人の一人で、このブログの旅行記の方に登場したラロの奥さんは日本人だし、現地に在住している彼女の日本人女性のご友人たちとも会ったことがあるのだが、その多くはメキシコ人の旦那か彼氏を持っていた。

 何でも聞いたところによると、いわゆる民族的な顔の作りとか控えめな性格あたりが人気というのもあるらしいのだが、日本人女性は見た目の老化がかなり遅いので若い期間がメキシコ人女性よりも圧倒的に長く、年を取っても若い肌つやや細い体型を維持しているケースが多いといったところもグッと来る要素らしい。

 確かに、道を歩けば全ての男が振り向くほど美しいメキシコ人女性も多い。しかしながら、それこそ結婚して出産した途端に体型が急激に変化したり、見た目より年齢が高い女性は多くともその逆に該当する女性にはまず会ったことがないことを考えると、日本人女性を生涯の伴侶若しくは交際相手としてロックオンしたくなるのもうなづけるというものである。
 もちろんラロや彼女たちの旦那や彼氏全員がそれだけで接点を持ったわけではないだろうが。

 

 少々脇道にそれてしまったが、そう考えると、Y氏も現地で知り合った男に何かしら言い寄られたりすることも多かれ少なかれあっただろう。

 なので、あくまで興味本位というか物見遊山的な感覚で、

 「女性の一人旅は何かと大変じゃない? しかも言葉があまりわからないっていうんだったら現地の男から下心目当てで言い寄られたりしなかった? ましてやメキシコでは日本人女性が人気らしいし」

 と聞いてみた。
 
 すると彼女曰く、数としてはそう多くないもののこれまでにメキシコ国内を放浪した中で数回現地の男から口説かれたらしい。出会った場所は主にユースホステルで、要は別のメキシコ人宿泊客から口説かれたケースがあったようで、そのうちの一人にはけっこう本気で交際を求められたという。

 尤も、Y氏としては単純に男女問わずネイティブ連中と仲良くなって地元の情報を聞いたり見聞を広めることを目的として近づいているだけで、実際に先のヨーロッパなり東南アジアでも同じ手法で旅行の視界を広げられたからメキシコでも実践しているに過ぎないものの、それまではさすがに現地の男に口説かれるまで発展したことはなかったらしいだけに、悪い気はしないまでも少々戸惑ってもいるようだった。


 しかしよくよく聞いてみると、単純に現地の人間から口説かれたことがあまりなかっただけの話で、メキシコの放浪に限らず日本人の男性バックパッカーには何度か言い寄られたようで、曰く「メキシコ人よりも日本人の男性バックパッカーの方が断然厄介!」と力説していた。注釈しておくと、あくまでも日本人の男性バックパッカーで日本人男性全員というわけではない。

 何でもY氏は、先の東南アジアだかヨーロッパを放浪していた当初は日本人の集まる宿に泊まった方が何かと心強いだろうということで、極力日本人宿を利用していたようなのだが、下心だけでいえば日本人バックパッカーの方がかなり露骨のようで、少しでも油断するとすぐに「やらせてくれ!」としつこく懇願する輩がとにかく多いというのだ。
 
 しかも、同じ下心が目当てでもメキシコ人男性はレディファーストの文化で育っているからそれなりに甘い言葉をかけて良い気分にしてくれるとか、移動の時は率先して重い荷物を持ってくれるとか、食事を奢ってくれるといった施しがあるからまだ良しとしても、日本人バックパッカーはそういう課程を端折ってとにかくド直球に懇願するから非常に始末が悪いとのこと。
 
 もちろんそこは、「私は行きずりの男と寝るようなアバズレじゃない!」というプライドと、「絶対に寝ないけど、したいんだったらせめて高級ホテルのスイートとシャンパンを用意するくらいの気概を見せろや!」ということのようだ。

 Y氏は、日本人バックパッカーがそういう方向に行きがちな傾向を自分なりに分析したところ、基本的に日本人バックパッカーは現地の外国人女性をナンパする甲斐性なんてまずないし、かといってバックパッカーなんてものは基本的に貧乏だからそう簡単に風俗店を利用できないし、仮に金銭的に利用できるにしても、なまじっか現地の売春婦とコトに及んだら変な病気をもらいかねないという用心だけは根深いから、こうして同郷の女性バックパッカーに狙いを定めた方が手っ取り早いのだろう、という見解である。
 そのため、そういうことに嫌気がさしたのでこうして日本人利用客が過半数になる確率の少ないごく普通の安宿を利用するようになったというのだ。


 つまり要約すると、「日本人男性の方がメキシコ人よりも悪質なスケベ」ということだろう。

 まあ、そこまで日本人バックパッカーを毛嫌いしておきならがも能動的にぼくに近づいたのは、彼女なりの本能でぼくはそういう人間ではないと判断したからと思っていたが、こうして書いてみて改めて思い直すと、「コイツはどうせ甲斐性なしだろうからこっちから近づいても支障なし!」と見極めたからなのだろうか。


 ……まあ、実際にもう会うこともないからどっちでもいいけど。



 因みに、この見解はあくまでもY氏の個人的なものでしかないので日本人バックパッカー全てが該当するということではないのは当たり前だが、一つの意見として考えると、まあ納得できなくもないので書いてみた次第である。



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ジャンル : 旅行

tag : メキシコ人のスケベ度 日本人男性 バックパッカー

ワールドカップ2014 北中米カリブ海予選のメキシコ代表

 来年の2014年は何と言ってもブラジルワールドカップだが、10月12日時点でぼちぼち出場国が決まってきた。
 アジアは日程の都合上、日本・オーストラリア・韓国・イランが早々に決定しているが、ヨーロッパではイタリア・オランダ・ドイツ・ベルギー・スイスが、南米ではアルゼンチン・コロンビアの出場が既に決まっている。


 そして、話はややそれるがメキシコはW杯常連国である。
 これまでワールドカップは19回行われているが、メキシコの出場回数は歴代5位の14回。所属大陸の北中米・カリブ海ではもちろん最多記録である。
 尤も近年ではアメリカの方が結果を出しており、現実にFIFAランキングでもアメリカが大陸トップだが何だかんだで北中米カリブ海の王者であることには変わりはない。


 しかしながら、ワールドカップにおけるメキシコ代表は実に不思議な存在である。
 14回も出ていながら今のところ本大会の最高成績はベスト8が2回、しかも両方とも自国開催というアドバンテージがあってこそだったというのもアレな感じもするが、1994年アメリカ大会から2010年の南アフリカ大会まで5大会連続でベスト16どまりという変な記録を持っている。
 ブラジルやドイツのような強豪ならともかく、準強豪国や中堅国ともなれば連続で出場すれば1次リーグで敗退することもあればベスト16以上の成績を残したりと成績は安定しないものだが、何回参加しても1次リーグで敗退もしなければベスト8以上にも行かないという、強いんだか弱いんだかわからないチームである。


 こういう書き方をすると、これまでの組み合わせがメキシコに有利だったのではないかと解釈されてしまうかもしれないが、過去の組み合わせを見てみると決して毎回恵まれていたわけではない。

 例えば1994年のアメリカ大会ではイタリア・アイルランド・ノルウェーという組み合わせで、当時は死のグループ(一つのグループに強豪国が集中している組み合わせ)と言われていた。
 しかし、終わってみれば全チーム1勝1敗1引き分けで得失点差も同じという珍現象が起きた。
 そうなった場合はルールとして総得点数で順位を決めることになっているのだが、最もゴールを決めていたのはメキシコだったのでしれっと1位でグループリーグを突破した。


 また2010年大会では、開催国の南アフリカ、フランス、ウルグアイという組み合わせだった。
 それまでは開催国が1次リーグで姿を消したことがなかったために実質1枠を3カ国で争うとされていたが、当時のフランス代表内では大規模な内紛があったものの当時の監督が稀代の無能だった世界的なビッグネームは何人もいたので腐っても鯛という認識はあったし、ウルグアイも南米予選では大陸間プレーオフでようやく出場を決めた経緯はあったが、絶対的なエースであるフォルランを筆頭とした戦力には定評があったので、必ずしもメキシコが有利という状況ではなかった。

 しかしフタを開けてみれば、開催国の南アフリカは史上初めて1次リーグで敗退。
 そしてフランスは、ある意味予想どおり内紛による混乱が試合に影響が出たため自滅。そのおかげか、メキシコは2位でグループリーグを通過したのだ。

 そうかと思えば、2002年大会はイタリア・クロアチア・エクアドルという予想しづらかった組み合わせながらもぶっちぎりの成績で1位通過したのだから、本当によくわからないチームである。


 そして今回の大陸予選だが、メキシコ代表は過去に類を見ないほど苦戦を強いられる。
 このページで触れているが前回の南アフリカ大会の予選でもけっこう苦戦していたものの、今回はそれ以上の窮地に立たされている。
 単純にメキシコが弱くなったのか、それとも他国が力を付けたことで差が縮まっているのか、はたまたその両方なのかもしれないが、とにかくここ20年で最大のピンチを迎えていることは確かである。


 因みに北中米カリブ海の出場枠は3.5で、最終予選出場の6カ国中上位3カ国は本戦出場。4位は大陸間プレーオフでオセアニア代表のニュージーランドとホーム&アウェーで対戦し、勝てば出場が決まることになっているのだが、かいつまんで流れを書くとこんな感じである。


 初戦のジャマイカは格下とされていたが、ホームゲームでありながらまさかのスコアレスドロー。
 続くアウェーでのホンジュラス戦は、2点リードしながらも終了間際に追いつかれてドロー。
 そして3節のアメリカ戦では、またしてもスコアレスドロー。
 メキシコ代表は同時期に行われていたコンフェデレーションズカップ(各大陸のチャンピオン・W杯開催国・前回W杯優勝国が参加するW杯の予行演習的な大会)に出場する都合もあって4節は変則的にジャマイカ戦だったが、ここでようやく初勝利を記録。
 これで勢いを取り戻したいところだったが、続くパナマ戦・コスタリカ戦共にスコアレスドローに終わってしまう。

 いよいよ尻に火がついた状態で迎えたホームでのホンジュラス戦では、前半早々に先制しながらもその後の攻撃は得点に結びつかず後半に逆転されて初敗北。
 ここで監督が遂に更迭され、2012年ロンドンオリンピックでメキシコU-23代表を金メダルに導いたテナ氏が暫定的に就任することとなる。

 心機一転で次のアメリカ戦に挑んだが、やはり23歳以下の代表と年齢制限の無いフル代表では勝手が違ったのか、はたまた単純に戦力の差があったのか、監督交代の対処もむなしく0-2と完敗。

 この後、国内のクラブチームであるCFモンテレイCONCACAFチャンピオンズリーグ(北中米カリブ海のクラブチーム王者を決める大会)で3連覇に導いたヴセティッチというメキシコ人指導者が正式に就任。


 この時点での残り試合は2試合で、メキシコ代表の順位は5位。
 次の対戦相手は、メキシコと同じ勝ち点ながらも得失点差で4位にいたパナマ。ここで勝てなければ出場圏内はおろか、プレーオフ進出すらも危ぶまれるという極めて崖っぷちの状態で行われた。

【‪MEXICO vs PANAMA - Eliminatoria Rumbo a Brasil 2014 - Octubre 11, 2013‬】
2013年10月12日にホームのメキシコシティ・アステカスタジアムで行われたメキシコVSパナマ戦。マンチェスター・ユナイテッド所属のチチャリートことハビエル・エルナンデスがPKを外してしまい終盤に同点にされるも、途中出場のヒメネスが鮮やかなオーバーヘッドを決めて2-1で勝利。おかげで4位に浮上した。因みにパナマ代表の監督は、かつてJリーグでゴールを量産したバルデスの双子の弟。本人も代表スタッフとして帯同している。


 結局、監督の采配が功を奏して2-1と久々の勝利。ここにきてようやく4位に浮上した。

 最終戦は現地時間で10月15日だが、対戦相手のコスタリカは既に出場を決めているのでモチベーションのスキをつける可能性は十二分にある。

 一方のパナマの対戦相手は、ホームゲームとはいえ安定した強さと成績でトップで出場を決めたアメリカなので、アメリカが若手に経験を積ませるとか言ってよほどスタメンをいじらない限りは難しい試合になるだろう。

 そしてこの時点での3位はホンジュラスなのだが、まだ出場は決定していない。
 メキシコの成績によってはプレーオフにまわされる可能性もわずかながら残しているのでどうしても勝ち点が必要だが、引き分けでも出場が決まることと、アウェーとはいえ相手は最下位のジャマイカなので、勝ち点を得られるはじゅうぶんにあるだろう。



 兎にも角にもメキシコ時はさぞ肝を冷やしているだろうが、一連の流れを見てみると、1998年フランス大会のアジア予選における日本代表と状況が似ているなと思った。


 当時の日本は、開催国枠で2002年の日韓大会の出場が決まっていた。
 それまで日本はワールドカップに出場したことがなかったので、ここで予選敗退してしまうとワールドカップ史上初の「開催国として初出場する」という不名誉極まりない記録を残すことになるので、予選突破が最低限かつ絶対的な条件だった。

 ましてやその前のアメリカ大会の予選では最後の最後で出場を逃したかのドーハの悲劇を経験しているので、国民の期待は尋常ではないほど高かった。

【ドーハの悲劇】
1994年アメリカ大会のアジア予選最終節・日本VSイラク戦。この試合に勝てば念願のワールドカップ初出場が決まるという状況だった。実際に試合終盤までリードしていたが、最後の最後で同点弾を許してしまいアメリカ行きは夢に散った


 当時の組み合わせは最終予選に勝ち残った10カ国を二つのグループに分け、日本は韓国・ウズベキスタン・カザフスタン(当時。現在はUEFA所属)・UAEとホーム&アウェーで全8試合を戦うことになっていた。
 当時のアジア出場枠は3.5で、各グループの1位が本戦出場。そして各グループの2位チーム同士が中立地で一発勝負を行い、勝てば出場。負けたチームは大陸間プレーオフにまわり、当時はオセアニア所属だったオーストラリアとホーム&アウェイで対戦し、2試合の合計スコアが多い方が出場するというなかなか苛酷な条件だった。


 そして当時の日本の流れはこんな感じだった。

 初戦のウズベキスタン戦では6-3と快勝して順風満帆に思えたが、次のUAE戦はアウェーということもあってスコアレスドローに終わる。

 続くホームの韓国戦では、先制しながらも逆転負けを喫してしまい早くも首位通過に黄信号が灯る。

 次のアウェーでのカザフスタン戦は、先制しながらも追加点が奪えず後半ロスタイムに同点ゴールを決められ1-1のドロー。ここで当時の監督だった加茂周が更迭され、当時の代表コーチだった岡田武史氏が就任。余談だが、この時の岡田氏はクラブチームの監督すら未経験だったため知名度は皆無だった。

 心機一転で迎えたアウェーのウズベキスタン戦では前半に先制されてしまい、その後もゴールが奪えず敗戦濃厚だったが、アディショナルタイムにどうにかゴールを決めて1-1と引き分けに持ち込み、かろうじて首の皮一枚つなげることに成功。しかしこの間にも韓国は着実に勝ち点を重ねていたため、確かこのあたりになると事実上2位を目標に戦うこととなった。

 久々のホームで迎えた次のUAE戦では何としてでも勝ちたいところだったが、先制しながらも追加点が奪えずにまたしても追いつかれて1-1のドロー。審判のジャッジがあからさまにUAE寄りということもあったが、この時点で自力での2位進出の可能性が完全に消えたため、サポーターの怒りが爆発。矛先はウズベキスタン戦以来ゴールを決めていなかったキング・カズこと三浦知良に向けられ、競技場周辺では暴動が起こったほど国全体がヒステリックかつ悲観的な空気となった。

 そんな、半ば諦めムードが流れていた中で迎えたアウェーの韓国戦。
 負けようものなら本当に予選敗退が現実味を帯びていたが、何とか2-0で久々の勝利。しかも2位を争っていたUAEが引き分けたため、ようやく2位に浮上した。

 最後の最後で勢いを取り戻した日本は、最終戦でカザフスタン相手に5-1で快勝。どうにか第3代表決定戦出場を手に入れ、かのジョホールバルの歓喜となった。

【ジョホールバルの歓喜】
日本が初めてワールドカップ出場を決めた歴史的な一戦。この試合では現場の選手交代の意思疎通がかなりわかりづらかったらしく、交代の指示を受けた三浦知良は「本当に自分が交代で問題無いか?」という意味で何度もジェスチャーしたのだが、この頃は毎回スタメン出場しながらも期待どおりの結果を出せなかったことで苦戦続きの戦犯にされていたことや、見方によっては生意気で尊大ともとれる普段の立ち振る舞いもあって、視聴者には「は? まさか本当にこの俺様を変える気か?」というように映ってしまい、あらぬ反感を買う羽目になった。そのくせ本大会の出場メンバーから落選した時は「カズを落とすなんて正気の沙汰じゃねえ!」という論調もけっこうあったのだから、とかくマスコミやファンとは勝手なものである。


 ぼくもこの頃はまだサッカーを見始めて数年ということもあり、かなりハラハラしながら戦況を見守っていて、特に勝てなかった頃は本気で心配していたものだった。
 恐らく、当のメキシコ人もこんな感じでやきもきしていることだろう。



 そしてメキシコ代表の大陸予選の話に戻るが、最終節の結果を下馬評どおりに推測すると、ホンジュラスが3位で本戦出場してメキシコが大陸間プレーオフに回る可能性が高い。
 しかもプレーオフの相手であるニュージーランドは、前回の南アフリカ大会では番狂わせを演じた実績はあるもののFIFAランキングは67位(※2013年10月時点)と決して強国ではないので、普通に考えれば勝てない相手ではない。

 しかしながら、予選の中断期に行われていたCONCACAFゴールドカップ(北中米カリブ海の王者を決めるフル代表の大会)ではA代表史上初めてパナマに敗北して優勝を逃したり、日本も参加した先のコンフェデレーションズカップでは、日本には完勝したものの1次リーグで早々に敗退したりと全般的に低調気味なので安心はしていられないが、かなり過去を遡ってもメキシコが実力で予選敗退したことは殆ど無いので、翌年にはしれっとブラジルの地を踏んでいるだろう。

 メキシコ代表とはそんなチームである。




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ジャンル : 旅行

tag : メキシコ代表 サッカー ワールドカップ 北中米カリブ海 メキシコのサッカー

サッカーワールドカップ2014年ブラジル大会 メキシコ代表はプレーオフ進出



 上のページは昨日書いたものだが、今日は仕事の都合で一日中家にいることになったので、ネットのストリーミング放送で2014年ワールドカップブラジル大会・北中米カリブ海最終予選の最終戦を見ることができた。

 個人的なことだが、本来なら「TELEVISA DEPORTES」というメキシコのテレビ局のiPadアプリで見るつもりだった。
 何しろ、無料アプリでありながらHD配信でライブ観戦できるので非常に重宝していたのだが、最近になって生中継の番組は閲覧できない事態に陥っている。単純にアクセス過多によるサーバダウンとかではなく、恐らくどこかのタイミングで外国からのアクセスはできない仕様になっている気がする。
 仕方がないので「Justin TV」というライブ配信アプリ(iPhone版)で見る羽目になった。こちらは有料アプリのくせに画質はあまり良くないし、番組によっては定期的に配信が途切れるので本当は避けたかったが、自分が知っている限りではワールドカップの北中米予選のようなニッチな放送を生中継で見れるアプリはそれくらいしか思いつかなかったので仕方ない。


 さて、上のページで書いたように今回のメキシコ代表は大苦戦を強いられているわけだが、結果的には大陸間プレーオフの権利が与えられる4位争いをメキシコとパナマで展開することとなった。


 状況として有利なのはメキシコである。
 何せ引き分けでもプレーオフに進出できるばかりか、パナマが勝ち点3をゲットできなければ負けても4位は確定する。
 一方5位のパナマは勝ち点3が必須条件だが、その上でメキシコが負けた場合という条件付きなので自力ではどうにもならない要素も抱えているのは致命的である。

 で、メキシコの対戦相手はコスタリカである。
 コスタリカは前節で本戦出場を決めており、勝っても負けても2位はほぼ確実なのでモチベーションのスキをつきたいところだが、何しろコスタリカのホームなので国民に勝利をプレゼントした上で本戦に臨みたい気持ちは当然あるだろう。

 そしてパナマの相手はアメリカ。
 アメリカも本戦出場は既に決まっているし、パナマのホームなので好材料が揃っているとも言えなくはないが、リーグ最多得点かつ最少失点というハイレベルでバランスが取れているチームなので、そう簡単に勝てる相手ではないろう。



 そしていざ試合観戦と行きたかったところだが、実は試合があることに気づいた時は始まって1時間後くらいだったので、アプリを起動した時には後半15分を回っていた。
 しかも、コスタリカがゴールを決めて会場が大騒ぎになっていたところだったのでスコアが気になったが、この時点で2-1とコスタリカがリードしていた。

 その後はメキシコが攻めてコスタリカが守るという展開になったが、なかなかゴールに結びつかない。
 しかも、時々コスタリカのカウンターを喰らってあわや3点目というシーンが何回かあったので、正直メキシコが勝てそうな空気ではなかった。


 因みにぼくが見た放送では、試合中継の端々でパナマVSアメリカ戦の映像を2画面で中継していた。テレビサイズだったら両方ともそれなりにクリアな画質で観戦できたかもしれないが、こちとらiPhoneで見ているので2画面になってしまうとファミコンのドットキャラにしか見えないのが痛し痒しである。

 その時点でのパナマ戦のスコアは1-1だったのだが、確か試合終了まで残り5〜6分という時にパナマが2点目を決めた。

 このままの状態で両方の試合が終われば、勝ち点と得失点差でメキシコとパナマは並ぶものの、総得点はパナマが上なのでパナマが4位ということになる。メキシコとしては何としてでも2点目を入れたいところだが、コスタリカの守備は厚くゴールはなかなか生まれない。

 ぼくとしてもそれなりにハラハラしながら見ていたが、アディショナルタイムにアメリカがまさかの同点弾を決める。
 これでパナマの緊張の糸が途切れたのか、直後にまたアメリカがゴールを決めて逆転するというサプライズが発生したではないか。
 上述のとおりアメリカは既に本戦出場を決めていることもあってか、もしくはアウェーということで自粛したのか、ゴールを決めても大して喜んでなさそうだったのが印象的だったが、これでメキシコは勝とうが負けようがプレーオフ進出はほぼ確定となった。


 そして試合が終わり、メキシコ・パナマ共に敗れたためにメキシコが大陸間プレーオフに進出することになったが、上のページでも書いたように次の相手はニュージーランドだ。
 ニュージーランドの試合ぶりを見たことが無いので何とも言えないが、強いて不安点を挙げるなら攻撃陣が軒並み不調ということだ。
 何しろ、最終予選でのメキシコの総得点は10試合で7点というのはかなり深刻である。失点は9なのでそれなりに守備力はあるが、ここまで苦戦した原因は明らかに得点力不足のせいでしかない。
 ましてやニュージーランドの方がフィジカルが上だろうから、ガチガチに守られると苦戦を強いられるだろう。

 とはいえ、ニュージーランドは昔からあまり強くない事を考えれば、やはりメキシコの本大会出場は既定事実と見て差し支えなさそうだ。ニュージーランド人やニュージーランドに愛着のある人には申し訳ないが。


 兎にも角にも、プレーオフ初戦は11月15日11月13日(※訂正)なので猶予は約1ヶ月である。

北中米カリブ海予選最終戦・コスタリカVSメキシコ戦。

同じく北中米カリブ海予選最終戦・パナマVSアメリカ戦。赤いユニフォームがパナマ。初出場がかかっていたが、土壇場で逃してしまうことに。とはいえ最後の最後まで出場が見えていたし、この8年でゴールドカップでも好成績を残しているようなので、このまま行けばW杯出場は時間の問題だろう。因みにこの動画はアラビア語圏内の国の中継らしい。





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ルチャリブレがきっかけでメキシコに興味を持つ。
20世紀末、突然そのことを思い出しメキシコへ。民間の語学学校で言葉を学びつつ、運の良さも手伝って浮世を忘れるほどの生活を満喫。
以降も帰国してはお金を貯めては渡墨し、また帰国してお金を貯めては渡墨ということを繰り返していたら、社会のレールから脱落したので日本に落ち着く。
しかし先日、わけあって現実逃避もかねてまた渡墨。今回の日記はそのときのもの。

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